てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

三国志的な何か

藤田勝久著 『中国古代国家と社会システム』のメモ

中国古代国家と社会システム―長江流域出土資料の研究 (汲古叢書 85) 藤田勝久著『中国古代国家と社会システム』のメモ。居延漢簡の研究で永田英正氏が「敢言之」のような、文書のフォーマットの存在を指摘しているとのこと。やっぱ永田氏の研究がここらへん…

藤田勝久著『項羽と劉邦の時代 秦漢帝国興亡史』

項羽と劉邦の時代 秦漢帝国興亡史 (講談社選書メチエ)/講談社 『項羽と劉邦の時代』藤田勝久さんのメモ。献公11年(BC374)周太史が献公にまみえて、500年で周と秦は合わさる。その17年後に覇王が登場する―という予言がある。孟子の聖王の概念も500年後に登場…

中郎将諸葛亮を考える

諸葛亮の最初の官が中郎将だということについて考える。 中郎将ということは独立する私兵を持っていたということであり、軍人という色彩が強いということになる。まああそこら辺の一族を束ねて、有力者とのコネもあった。政治家と軍人が殆どイコールの時代で…

魏から晋・移行期のネタ

魏晋ネタでつぶやいたことのまとめです。成人すると政権掌握のために、これまで代わりに政治をみていた既存権力者を排除するという力学があったなというところから、そこら辺の関係を考えて色々膨らんだ感じですね。 穏健派というか、地味な存在の司馬懿が天…

地味な「ライバル」、諸葛亮と司馬懿

司馬懿と諸葛亮って実は強硬派で、成り行き上、堅実な指揮をせざるを得なくなったというのが似てるなぁとか新説 「三国志」の虚構と真実で比較されているところを読んでいて思いました。両方入れ替わってもあんま変わらないかも?まあ司馬懿の出身地云々考え…

新説 「三国志」の虚構と真実

新説 「三国志」の虚構と真実 (Panda Publishing)/Panda Publishing ¥価格不明 Amazon.co.jp 新説 「三国志」の虚構と真実/パンダ・パブリッシング ¥1,620 Amazon.co.jp Kindleメインで注文に応じて製本するのかな?かなり珍しいタイプですね。Kindleは450…

孟子より、樂正子の話

孟子読んでて、樂正子が気になったので、その話を。 樂正子というのは孟子の弟子です。正確には樂正克ですね。『孟子』本文中には計4回登場してきます。『孟子』以外で何らかの史料に出てくるのでしょうか?後漢書の注で「以獻楚懷王。使樂正子占之」という…

赤壁の失敗は織り込み済み?

曹操が赤壁で死んだら的なのが話題にありました。そんな話をつぶやいていて思いついたこと。曹操は赤壁での失敗を織り込み済みだった説。 赤壁で曹操が死んだらどうなる!?的な話があったのですが、そもそも曹操が戦死するって画がまず見えないですよね。軍隊…

王朝末期に民衆が皇帝を立てたくなる理由とかそんな話

後漢末の皇帝乱立云々でつぶやいたことをせっかくなので使い回しのまとめに。 我こそ皇帝じゃあ!と自称する賊がいたこともさることながら、民衆の方が「正しい皇帝」を選び建てたいという動機もあるんですよね。真の皇帝とは民に幸福をもたらす神様みたいな…

三国時代の「楚漢戦争」という力学

宮崎市定翁が、項羽VS劉邦の戦いを「楚漢戦争」という表現で、当時の有力国同士の覇権争いを解説していたのを思い出して、そういや三国時代の世界でもそういう要素があるんじゃないかな?と思いついたので、そんな話を。 孫策=項羽は演義だけで、小覇王とか…

三国志時代の女性の役割の大きさ

―とか、タイトルにすればホイホイ人を引きつけられるかもしれない。まあそんな大した内容あるわけじゃない、タイトル詐欺になりますが(^ ^;)。 最近の歴史モノで女性の扱いがよくなっているというか、キャラとして際立たせないと売れない、そこを売りにする…

今月の三国志ネタ 徐州虐殺の話

ツイートで色々徐州虐殺ネタがつぶやかれたので思いついたことをまとめて載せておきます。 張邈と曹操の友情を無条件に前提として考えていたけども、袁紹アニキのもとでの同輩でしかなかったのかも説を思いつく。袁紹の張邈殺せ!命令を断ったのは張邈との友…

【三国志ネタ】韓浩の話

人質事件を受けて、三国志クラスタではやはり、自分の子供が賊に人質に捕らえられても、橋玄が「公のことだから私情を挟む訳にはいかない」と要求に応じずに、賊を攻めて子供を死なせてしまったという例のエピソードを今回の身代金事件で連想しているのでし…

三国志メモ―陳王寵=袁術、孫家と陸家、絶対負けられない戦いとか

最近全く手を付けてないけど、いつか手を付ける時のための気になった三国志メモ。 ○陳王寵の話―ツイッターで陳王寵の話が流行っていたので、それについて。 後漢書陳王寵伝の謝承の注によると「袁術使部曲將張闓陽私行到陳,之俊所,俊往從飲酒,因詐殺俊」―…

2014/12三国志ネタ

選挙ネタ書く前に書けていなかったネタを消化。やる気と体力はいつ戻るのか?(ºㅅº) 後漢末は徴兵制なし=民に訓練・武器もなし、前漢時代のような大軍編成不可という話がツイッターでありまして、そこら辺からちょこっと。 まあ前漢と後漢で大軍の編成され…

本当は強硬派の司馬懿

そういや論語読んでたら、刑は社(ご神木)がある所で行うっていう話がありましたね。鄴に処刑を行う機能があるってのはひょっとしたらそれが関係しているのかも知れないですね。社稷の話にも繋がるかもしれないので、いつかつながってなんか面白いこと言えた…

董卓とか袁紹の小話

「涼州」云々で董卓について色々つぶやいたのでその使い回し、穴埋めです。 そういや董卓は公孫瓚と違って、中央ポストに就けるチャンスはあったんだよなぁ。なんで少府のイス蹴っちゃったんだろうか?ずっと地元にいて軍権掌握するというメリットがあっても…

「関西」として団結できない涼州

涼州人と并州人の違いという話の続き。辺境といえば幽州も入ってくるはず。劉備・盧植とかくらいしかパッと思いつかんが、幽州の人間にも中央への怨念のようなものを感じることはないんだよね。中央との繋がりはあることはちゃんとあるし。この違いはなにか…

尚書事の話

【三国志】 尚書事について - Togetterまとめ 尚書事について領・平・録の違いってなんだろな~というのが前から微妙に気になってまして大庭先生の本読んでてなんかの拍子にググってこんなのを見つけてしまいました。ツイッターで三国志関係の面白いことをつ…

「異国」としての涼州とか思いつき

思いつきメモ。あんまり中身はありませんが。 并州人の強さは色々ふっきって諦めた人間の強さで、涼州人の強さは逆に諦められなくて復讐を求める人間の強さ―という感じのツイートを見て思ったこと。 まあ言うまでもなくどちらも非漢族反乱等があって、領域放…

漢文の話とか適当につぶやいたもの

つぶやいた三国志ネタとか漢文読んで思ったことをテキトーにメモとして 李典が張遼を独占したいホモに見えるというツイート見て思いついたけど、万一曹操の身に変事があれば、魏が瓦解する。軍権は一族が抑えていても、張遼とか中央がぐちゃぐちゃになったら…

曹操の詩のテーマの変化について

申し訳程度の三国志小ネタ。曹操の詩について。 二十代の若き日に詠んだ「対酒」 http://www2.oninet.ne.jp/kanzaki/fsou/su5-7.htm… と、晩年に詠んだ「陌上桑」 http://www2.oninet.ne.jp/kanzaki/fsou/su5-8.html… 現実の世界からあの世の世界へテーマが…

ニコニコ大百科の法正について

ニコニコ大百科の記事を見て呟いたことなんですが、久々に三国志ネタを。そろそろ漢書でもやろうと思っている時なんで、リハビリがてらですね。 まあ、ああいうたぐいにマジレスするのはなんですが、近代史以前の限られた史料で人物の性格なんて絶対わからな…

兗州反乱鎮圧→献帝奉戴ではなく、献帝奉戴→反乱鎮圧

―というのを思いついたのでネタ程度に書いておきます。最近三国志ネタ書いていませんし、たまには三国志ネタで来る人もいるので、やっぱりたまにはなんかこの話題を書いておこうかと 曹操は呂布を追い出す過程で、献帝・洛陽派を取り込むために何らかの調略…

家格に応じた離婚・再婚の話

てぃーえすのワードパッドさんの文章([後漢]糟糠の妻の修羅場 [後漢]宋弘の妻)を読んで、ちょっと思いついたことを書きたいと思います。 光武帝が宋弘に姉を娶らせたかったときのセリフ、「尊くなれば交わりは替り、富めば嫁が替わる」―これは別におかしいこ…

今月の三国メモ 劉備の洛陽での活動を中心に一考

たまった三国志ツイートを開放。 ○そういえば宦官贔屓一辺倒の困ったちゃん皇帝こと桓帝がいる。彼に時代背景的要因があったのだろうか?宦官を重用して、身分が下落した宦官になってしまった人や身分上昇を図る商人などを積極的に重用しないと社会が安定し…

曹氏政権の崩壊過程に関する一試論

森本淳さんの論文『曹氏政権の崩壊過程に関する一試論』について、感想というかコメントを。まあろくな専門トレーニングをうけてもいないのにあれこれ言うのはなんなんですけどね。まあ、今に始まったことじゃないですが(^ ^;)。 とりとめもないメモ 森本淳…

呂后の三族皆殺しへのコメント

メモがてらですの話ですが― 呂后は夷三族を廃止してるんですね。んで夷三族を復活させたのは王允で、最初の適用例が董卓だった。王允もその後董卓の手下に同じ目に会いましたけど。この時代は極刑に一族まで拡大させる、そこまでしないともはやどうにもなら…

憂死・憤死について あと于禁の話

■史家の基本的な知識として憂死・憤死というのは自殺というのを聞いて思ったこと。 自殺というのは抗議の意味合いがある。焼身自殺で支配への抵抗、圧政を諸外国・国際世論にアピールするなんて言うのを時たま聞くが、此の時代の自殺に時の政権批判として怒…

曹操=袁紹路線、周公旦・霍光になる可能性

選挙前でも関係ないことを書く、(`・ω・´) キリッ。 曹操の公国から世襲したい!世襲認めてよぉ!っていう大きな流れがあったんでしょうね。晋の王国制もつまる所その延長と。世襲化して身分制度にしないと治まらないという背景があったんでしょうね。妄想する…