てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

歴史関係の話

「軍事国家」から「宗教国家」への転換という歴史の流れと、登場即世界を支配し世界を作り変えたイスラム

※6年前に書いたものを読み直して、面白いなと思い大幅に加筆修正しました。もったいないので、新しく枠を取って掲載することにしました。誰かこの話共感してくれる人いるかしら? ■「軍事国家」から「宗教国家」 そして遊牧国家の登場 歴史の転換点として、東西…

浅野裕一湯浅邦弘著 『諸子百家〈再発見〉』

諸子百家〈再発見〉 浅野裕一 ※文字が楽天リンク、画像はアマゾンリンクになってます 浅野裕一・湯浅邦弘著、『諸子百家〈再発見〉 掘り起こされる古代中国思想』のメモです。ずっと前にメモっといて、まとめておくのを忘れていました。個人的メモになります…

ローマ帝国はなぜ崩壊したか≒なぜ再生しなかったのか、中国・漢と比較して

ローマ帝国の崩壊: 文明が終わるということを読んで、なぜローマ帝国は崩壊したのか?なんてことを考えて、つらつらつぶやいたことです。そこから漢・中国との比較分析みたいな話になってますね。 どちらかというと、よくあそこまで長持ちしたと考えるべきか…

【歴史小ネタ】 万里の長城・古代ローマの中国人の遺骨?沖縄からローマ貨幣・平城京にペルシャ人役人

歴史関係で新発見!的な話題から思いついたことをまとめました。更新が滞っているので、まあこういうネタもたまには良いだろうと。 万里の長城の話 古代ローマの墓地から中国人の遺骨が発見されたという話 沖縄にローマのコイン ペルシャ人の役人の話 万里の…

『中国古代国家と郡県社会』呼んだメモ

中国古代国家と郡県社会 (汲古叢書 (62))/汲古書院 特徴として、十回以上専制国家論・西嶋&木村説の否定が出てきますね。諸論文をまとめたからそうなっているんでしょうけど、それを知らずに読んだらどんだけ執拗に否定したいんだとビックリしそうですね(^ …

『項羽と劉邦の時代』関係のツイートメモ 

藤田勝久著『項羽と劉邦の時代 秦漢帝国興亡史』で長くなりすぎるので、まとめ切らなかったもの。それ以前・以後に同じ秦~前漢辺りの話に関係しそうなものをついでにまとめました。本当にまとまりのないメモ的なものですね。 項羽と劉邦の時代 秦漢帝国興亡…

浅野祐一 『図解雑学・諸子百家』

諸子百家 (図解雑学)/ナツメ社 短いですが、浅野さんのものは単独であげておきたかったので書きました。 ①古代中国の文明観―儒家・墨家・道家の論争 浅野裕一著 ②浅野裕一著 『黄老道の成立と展開』 ③浅野裕一著 『墨子』 と3つ書いてきたのでこれで取り上げ…

続・網野善彦著 『日本社会の歴史』

網野善彦著『日本社会の歴史』を読んでいて思った、『逆説の日本史』への疑問の続きです。 日本社会の歴史〈中〉 (岩波新書)/岩波書店 (中)平安京の都市化、国・社会の中心が生まれ、単なる政治機能の中心というだけでなく、聖地となった。聖地の誕生により…

網野善彦著『日本社会の歴史』を読んでいて思った、『逆説の日本史』への疑問

日本社会の歴史〈上〉 (岩波新書)/岩波書店 日本社会の歴史〈中〉 日本社会の歴史〈下〉 網野善彦氏の『日本社会の歴史』を読んでのメモです。というか、パラパラ読んでいて、『逆説の日本史』への疑問がいくつか出てきたので、それについてコメントしていた…

天皇制の話 なぜ姓・苗字がないのか?

過去記事の再掲。元は10/12に書いたものです。 天皇制について、どうして天皇家には姓がないか?よく言われる話だが、すごく単純な答え。それは姓を名乗る必要性がなかったから。易姓革命が起こらないように、姓を持たないことにした―なんて話も聞いたことが…

浅野裕一著 『黄老道の成立と展開』

黄老道の成立と展開 (東洋学叢書)/創文社 読んだのでメモを公開。うまくまとめようと思いましたが、まとまらない。まとめるのめんどくさいので、メモ書きのまま思いついたことを公開。ページ数も章割もろくにメモってない。誰が読むんだこれ(笑)。まあ、この…

孫子の話

孫子についてつぶやいたことをまとめたいと思います。何故か孫子をつぶやくと反応があるので。 そういえばこんな記事も昔書きましたね。多分、金谷さんの旧版ですよね。読んだの。以前、浅野裕一さんの本読んで、面白いじゃないかと思い、諸子百家に手を出そ…

古代中国の文明観―儒家・墨家・道家の論争 浅野裕一著

古代中国の文明観―儒家・墨家・道家の論争 (岩波新書) 作者: 浅野裕一 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2005/04/20 メディア: 新書 クリック: 12回 この商品を含むブログ (19件) を見る 新書があったので、手を出しました。個人的に気になったことをダラ…

江戸の外食文化+徳川家光ホモ説への懐疑

テレビでやってた歴史の話をちらっと見たので、その話を。 江戸の外食文化は、武士の参勤交代があったから発達した。参勤交代で多くの家来がやってくる。単身赴任の男が多かったから、江戸の外食文化が栄えたというのをやっていました。本当にそうなのか? …

袁世凱の失敗の要因

日中関係史(有斐閣)で、つぶやいた袁世凱云々の話を単独で取り上げました。 袁世凱の皇帝即位は最近まで批判の対象になっていたが、どう見てもあの当時の中国で議会政治がうまくいくはずない。議会が混乱した際の歯止めとして、強力な権限を持った存在は必要…

始皇帝出自の怪しいエピソード、信憑性はほぼゼロ

『キングダム』で政が即位しました。秦の始皇帝の世の始まりというわけですね。物語の舞台が一段落したというところで、ちょい休みになるのかな?まあ新章突入ということになりました。 んで、信が楚に大敗するんですけど、その大失敗にもかかわらず失脚しな…

「韓国軍によるベトナム人戦時虐殺問題」へのコメント

韓国軍によるベトナム人戦時虐殺問題――戦争の記憶と和解 この記事について一言、二言のコメントをば。以前どこかで、「韓国はベトナムの虐殺、非人道的行為について謝罪も反省もしていない。そんな国が日本の過去を追求すること自体がナンセンスだ」というよ…

歴史とは何か(六章)

歴史とは何か (岩波新書)/岩波書店 ¥886 Amazon.co.jp ツイッターでこの『歴史とは何か』を話題にしたので、久しぶりに拙メモをよみかえしました。そうしたらこの六章があとで分けると書いておきながら放置のままでしたので、再掲というか一応引っ張り出し…

世界史リブレットから、西欧の異端とか

中世の異端者たち (世界史リブレット)/山川出版社 ¥787 Amazon.co.jp修道院にみるヨーロッパの心 (世界史リブレット)/山川出版社 ¥787 Amazon.co.jp 読んだというか、目を通した程度であ、これ書くネタになるなと思いついた程度のことを。思いついたことを…

前近代社会に公共事業の意識はあったのか

エジプトのピラミッドと公共事業について、色々書いたことをメモとして。 さて公共事業という価値観念がどれくらい成立していたのか、公共事業という認識がどれくらいあったのか?史料として「これこれ、こういう理由でこうするぞ!」とはっきり書いてあるの…

馬車とか日本史ネタ

申し訳程度の日本史ネタ。 ○行政文書の話 吉宗政権には、公文書をきっちり残して、個別の担当者や家で完結させるのではなく、政府組織で共有する。継続的にその政策がわかるように情報化しておくという改革が自覚的に行なわれていた。そして松平定信政権には…

田沼&松平改革の話と石高性と汚職防止の話

逆説の日本史読んでいて、松平☓・田沼○みたいな評価で語られることがあるのですが、どうも疑問が残っていました。前近代社会ではむしろ松平の施策の方が理にかなった要素が大きいだろうという気がしていたのであの評価は腑に落ちないものがありました。 言う…

袁世凱と天皇教

袁世凱の皇帝即位は当時、皇帝や帝政でなければ中国が運営できないということだけでなく、実は日本の天皇の真似をしたのかな?とか思ってたりする。天皇を模倣して立憲君主制、さらには天皇の下の平等で「日本人」を作ったことが日本の近代化の一つのポイン…

岡田英弘メモ

歴史とはなにか (文春新書)/文藝春秋 ¥725 Amazon.co.jp そうそう岡田英弘さんの『歴史とは何か』を読んだ。結構好きな人で指桑罵槐(妻も敵なり)とかモンゴル、中国現代政治の話でなかなか鋭い事をいう人で、なんで拙TLで評判悪いのかなぁ?と思っていたけ…

学校では教えてくれない日本史の授業/井沢元彦

学校では教えてくれない日本史の授業/PHP研究所 学校では教えてくれない日本史の授業 2 天皇論/PHP研究所 井沢元彦『日本史の授業』からメモ。三巻があったの今知ったけど、それはおいておく(^ ^;)。 安土桃山時代という言い方はおかしい。本来織豊政権の居…

ちょっとした歴史ネタ スパルタの話

福田歓一さんの政治思想史読んでいて、丁度ギリシア云々のとこ見ていて、そういうネタがあったのでメモがてらに書きたいと思います。 社会が発展し豊かになると、アテナイ、テーバイなど殆どの都市国家は古い仕来りを捨て、古典古代の社会へと変容していく。…

歴史とは何か(五章~ラスト)

歴史とは何か (岩波新書)/岩波書店 ¥861 Amazon.co.jp 五章進歩としての歴史 続きの前に少し訂正。バウィック教授が言ったように過去に対して建設的な見解を持っていないと歴史家はミスティシズムかシニシズムに陥いりがち。前者は神学や終末観で歴史を語り…

E・H・カー著 『歴史とは何か』(四章)

歴史とは何か (岩波新書)/岩波書店 ―の続きです。一章、歴史家と事実 二章、社会と個人 三章、歴史と科学と道徳 四章、歴史における因果関係 五章、進歩としての歴史 六章、広がる地平線―の第四章、歴史における因果関係です。 歴史の研究は原因の研究 偉大…

E・H・カー著 『歴史とは何か』(三章)

歴史とは何か (岩波新書)/岩波書店 ―の続きです。 歴史は科学といえるのか?自然科学の研究方法が人文社会にも応用される時代になる。1851年ハーバード・スペンサーの『社会静学』の流れに連なるバートランド・ラッセルは「機械の数学のように人間行動の数学…

E・H・カー著 『歴史とは何か』(二章)

歴史とは何か (岩波新書)/岩波書店 前回の記事はE・H・カー著 『歴史とは何か』(一章) です。 ■二章社会と個人 社会を離れた個人はいない 社会を離れた個人はいない。鶏・卵論争のようにどちらが先かと、個人・社会の関係を論じてもわかるわけないのだから、…