読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

書評― 衝撃! EUパワー 世界最大「超国家」の誕生 大前研一

本・読書―批評・批判・感想・レヴュー

 

ブログ引越し&見直しの再掲です。元は09/12に書いたものです。
衝撃! EUパワー 世界最大「超国家」の誕生

衝撃! EUパワー 世界最大「超国家」の誕生

 

  いやー叩かれてる叩かれてる (´・ω・`)ショボーン、ま、そりゃアマゾンレヴューでも叩かれますな。ほら吹き大前だ!ほら前だと。何だ、金融立国をさも日本の先をいくモデルかのように称揚し、サブプライムでオジャンでもそれの説明もしないじゃないか!(#゚Д゚)ゴルァ!!と。でも大前さん雑誌やウェブで、今世界で起こっているのは世界的金余り現象で、ホームレスマネーが世界中化け物のようにうねっている結果、資源高騰が起こってるって言ってたんですよね。それと、米の住宅バブルが危険水準にあって、いつはじけてもおかしくないって言ってたし。まぁ、著作では出してませんけど。大前さんは投資先を探している人向けや、企業トップへのアドバイス的な意味で記事出してますからね。そんな人が例え外れても、いちいちキレたりはしないでしょう。大前さんの記事だけで判断する経営者なんていないでしょうからね(^ ^;)。
 で、この本の中身についてなんですけど、東欧チャンスかな?もしかしたらウェブかもしれないですけど、EUについて以前もべた褒めしていたんですよね。んで、このEUは凄いぞと。それより、日本は東アジアのEUのようなものを創るために犠牲になるくらいの覚悟がほしいとあったので、大前流の東アジア共同体なり、リージョン政治体のその構想の話を聞きたかってですね。
 確かに具体的に何が凄いか、どんな画期的なことが書いてあるかといえば、特筆すべきことはないと思います。大前氏には大きな大枠を説明するパラダイムを語る本と、最新の現象を説明するリポートのような性質の二つがあって、こちらは後者のようです。EUという政治体についてのそれについては、後述。それよか経済上の話というより、己はレジームや国際規格・国際スタンダードを推し進めていき、世界の中心ルールとなりかねない政治上のEUの方に興味を覚えましたけどね*1
 そういえばブレアがEU大統領に落ちて、ベルギー首相ファン・ロンパウが選出されたのは、ブッシュのポチ化したことで、支持が集まらなかったのだとか。ブレアがわざわざ国教会からカトリックに改宗したのもきっとこのためだったんだろうなぁ、カワイソウに (´;ω;`)ウッ…。
 新・資本論だったかな?ユーロとドルの基軸通貨争いが起こって、どちらかに統一されるまでこの競争は終わらない。アジアについては、生意気な米に対して(アメリカは自分たちに不都合な点、不利なことがあると相手国のせいにしがちなので)日本や中国らが米国債を一つの機関に集めて、米の財政規律を求め、不当な要求に枷をかけるためのバスケットを設けるべきだと昔に言ってましたなぁ。もしくは、その国債分に応じた共同通貨を発行して、それによって対米関係経済を 主導すべきと。今そこら辺どう思うか聞いてみたいですね。


 イラク以後、もっと言えばアフガンあたりからEU圏どころか、さらには世界全体に対してもアメリカが全てを決めるという傲慢な態度を示した(ネオ・コロニズムについてもいずれ書きたいと思います。帝国論含め。ずっと先になりそうですけど…)。そういうことを踏まえそれに対抗できるようにEUというものはあるわけです。EU以前からいかにして欧州内で大戦を起こさないか、米ソ含め当時は日、そして今は中・印・ブラジルなどなどの新興国が続々成長し続け、いずれ欧州は世界の本当に一辺境に成り下がってしまうということが分かっていた。そのため欧州が団結していって今のEUという政治機構を作り上げたわけです。
 ユーロというものがなければ、米のドル垂れ流し世界経済体制は是正されることはなかったでしょうし、米が国際協調路線へ舵を切ることはなかったでしょう(未だにイラク利権は手放してはいませんが)。
 環境レジームを主導しようとしているのも単なる理想からではなく、これをきっかけにEUのパワーが強まるという核心があるといえます。COP会議の記事でそっちに移します。こちらをどうぞ別記事→COP15のデモ隊が暴徒化、EU環境レジームの続き。
 んで記事から気になったこと、EUという巨大機構があるゆえ、バルカン半島の問題を、どの土地がどの国にあるべきかといった領土を巡る問題がそのままEUに取り込まれることで封じ込められる。EU内に入ってユーロを導入した方が、ヘッジファンドのような攻撃にさらされる不安がなくなるため。やはりここでも経済というより政治的な意味合いが大きいと思われます。
 そして、ロシア・トルコを2020年?までにいずれ飲み込むという主張なんですが、はっきり言ってこれはかなり難しい、というかありえないと思われます。というのはEU圏とロシアは佐藤優氏が「熊の手の親切」と表現したように、感覚がかなり違うからです。ロシアの親切は親切のつもりでも熊の手だから叩かれたこっちの肩はひどく痛い。ロシア人は親切のつもりでやっているのに誠意が通じないと。EU内の人間と、そこにロシア人がいると落ち着かない。同じくロシア人も落ち着かないというメンタリティがまだあるのです。経済的利害だけではそうはならないでしょう。トルコはさらにヘブライズム・ヘレニズムを共有してはいません。EUはイスラム国家をどう処遇するのか、さらにトルコがその処遇を受け入れるのか、受け入れる国家にどう変わっていくべきなのかという問題が解決されるとは思えません。
 政治的な分析についてはあんまり、大前さん当てにならないことが多いです。己は政治的な分析・予想にしては「大前パープリン研一」が出て来ると思ってます(このパープリンは優れた人が時たま変なこと、分析をするときに使う言葉なので、むしろ褒め言葉と思ってください(^ ^;))。中国シフトだか、チャイナショックのときに、第三次日中合作として台湾といずれ合併するって言ってましたから。ただ一応経済分析を基にするとそうなっていくという話なので、骨董無形ってわけでもないでしょう。政治力学を無視して、捨象して純粋に経済学的してんから論じるとそうなるという提言と受け取っておけばいいでしょう。


 後、日銀速水さんが40%?だっけか保有をドルから
ユーロにシフトしていたと。ユーロの導入で、各国は財政規律、赤字3%までを堅持せねばならず。有効な経済政策が打ち出しにくい状況となっている。しかし、むしろ長期的なEUというプランのために短期的な不利益を受け入れているほうに己は注目したいですね。

*1:EUというものにバラ色の可能性がある。これからどんなことが起こるのか!というwkwkを抱いていたのも、今は昔ですね。まあそんなに理想通りにうまくいくとまでは思っていませんでしたけども