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てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

なぜ若者は保守化するのか-反転する現実と願望 山田昌弘

 

ブログ引越し&見直しの再掲です。元は09/12に書いたものです。

 

※注 この記事は著作の内容に触れていません。よって内容を知りたい方は戻るをオススメいたします。

なぜ若者は保守化するのか-反転する現実と願望

なぜ若者は保守化するのか-反転する現実と願望

 

  新刊レヴュー。この人はパラサイトシングルやら、格差社会やら、婚活やら、流行となる社会事象・言葉を続々と作ってきた人だとか。で、結論から言うとあんまりお勧めできる類の書ではないといえます。

 というのも、確かに今起こっている社会の問題を読み解くという点では、確かにそうであるといえるものを発表する、読み解いてはいます。ですが、そこで終わってしまっているという傾向があるからです。現象を詳しく分析するデータを積み重ねて長々説明するのならば、その分の労力をいかに、どうやって問題を解決するかという解答を出す方に向けるべきだと思うからです。社会学をかじってきたものの端くれとして、社会学者とは社会の問題を分析し、かつその将来の問題がどうなっていくかという警鐘を鳴らし、さらにその問題への抜本的解決を示すべきであるというのが己の持論であるので。
 そして本書のタイトルなぜ若者が保守化するかという、自分としては興味深いテーマに挑んでいるかと思ったら、タイトルだけで、若者が保守化する実証分析のかけらも見られない有様。何これ?よく見れば雑誌の寄稿の短文まとめ集という有様。それなら副題にでも論文・論評寄稿集とすべきでしょう。こんなひどいタイトル詐欺は久々に見ました。ただ現在の不安定な雇用状況などの分析を知りたい人は読んでみてもいいかもしれません。

※追記12/30「保守化」という言葉を政治的な意味合いでしか捉えていませんでした (´・ω・`)ショボーン。どうやら筆者の「保守化」というのは、ライフスタイルの思考が昔のようなものに戻っているという意味で「保守化」という言葉を使っていたようです。ナショナリズム専門家(自称)の己としては政治的な意味合い以外で考えもしませんでした…。労働状況・雇用の不安定化→不安・不満が政治的な保守思考・行動にどう結びついているのか!?という書でしかないと思っていたので(´-ω-`)。―というわけで役に立たないことを書いてしまいましたね。スイマセンでしたm(_ _)m

 再掲するのに、これだけだとマズイだろうと、読み返してきましたが、まあ単純ですね。夢がない若者ではなく、夢を抱けない環境にあるから、至極現実的なことしか選ばなくなった&口にしなくなった若者という現実がある。また、小泉改革では、そういう人々が社会を変えてくれるという希望を持って、投票・支持した。しかし結果はタクシー業界のように、規制緩和で更に悪化するだけだった。若者への救済はまるでなされなかったと。

 普通に生きていて安定した職がない、故に結婚もできない。そのために「婚活」という物が必要になる時代になったと。新卒採用をやめさせるべき、正社員にすべき。まあよくある提言止まりで終わっていますね。いきなり公務員は禁止して、民間企業からの転職の受け皿として、民間経験のない公務員の採用は禁止するとか。橋下さんの民間経験せよ的なのを用いて主張していますが、どうでしょうねぇ?

 「正社員」ってどうでしょうかね?逆に今のままだと「正社員」になることで派遣やアルバイト以上に、キツイ労働状況に陥るということになるだけのきがします。根本的な労働状況の変革をしないかぎり、「労働者の失われた10・20年」は続いてしまうと思いますね。高度経済成長期という異常な時代の社会制度のままだから、おかしなことになるという当たり前の事実にもっと目を向けないとダメなんでしょうねぇ。