中国の興隆を、『アルジャーノンに花束を』と重ねてみる
ブログ引越し&見直しの再掲です。元は09/12に書いたものです。
中国大手サイト新狼網のネットアンケートで、インド、ベトナム、アメリカ、日本、韓国、フィリピン、ロシア、インドネシア、オーストラリア、モンゴルの10カ国中、どこと最も戦争しそうか?という質問をしたそうです。てっきり米・日の順かと思ったら、なんと*1総1万7790票中、1位インド26.5%(4812票)、2位日本24%(4263票)、3位ベトナム16.2%(2893票)、4位フィリピン8.2%(1459票)という順なんだそうです。
この順位になった理由がなんと領土問題があるからということらしいのです(゚Д゚ )。経済成長して、世界二位のGDPに達しようという国が何という民度の低さ…。それより地方経済単位ごとの考えや、党・官僚・経済トップ・学者などの意見だけのデータもほしいですね*2
アルジャーノンに花束を [英語版ルビ訳付] 講談社ルビー・ブックス
- 作者: ダニエルキイス
- 出版社/メーカー: 講談社インターナショナル
- 発売日: 1999/04/28
- メディア: 新書
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最近英語の読書量を増やそうと英文で『アルジャーノンに花束を』を読んだんですが、難しい単語には予め下に訳がついていて引っかかることがないため、非常に便利。簡単な単語と思うものにもいちいち付いていてウザイと感じることもありますが、オススメ。このシリーズもっと出して欲しいなぁ(´・ω・`)ショボーン。他の新書形式で出ている英文版小説シリーズは、単語帳を巻末にしており、いちいちそこをチェックしに行かないといけないので少し不便かなと感じます。
あと関係ないですけど、ユースケ・サンタマリア主演のドラマ版がスゴイ面白かったことを記憶しています。ユースケの演技力は本当に素晴らしく、タレント活動を行う人間の中では群を抜いていると思います。タレント活動を行う彼はあまり好きではありませんが(^ ^;)。普通、原作を逸脱したドラマ化されたものはあまり面白くなく、原作レイプになります。しかしドラマは最終回も違って、原作ファンは怒るかもしれないですが、かなり面白かったので、こっちもオススメしたいですね~。菅野美穂にオセロ中島の演技もなかなか良かった。変な余計な演出がない、無駄を省いた本筋のみというのが良かったのかも。
で、この作品の主人公は、急速に知能を獲得したために情緒の発達がついていかない。そのため以前の自分と現実の今の自分の違い・ギャップに葛藤する主人公の姿が見るものの心を打つわけですね。これがひとつの重要なテーマとなって物語が展開されます。
この作品と、今まさに急速な成長を遂げながらも、国民の感覚・世論はそれについていけていない。国際社会の現状・変化についていけないその姿が被って見えました。知能の向上に対して、情緒という内面が向上していないという中国の姿と非常に重なって見えます。知情意という観念がありますが、知が発達しても情と意という大切なもう二つが発達しないアンバランスな状態では人間とはいえないという昔ながらの教えですね。そういうものを連想します。
もちろん中国は13億以上の人口を抱え、等質性の高い国民でないという特徴を抱えています。単純に分けられませんが、上中下と三つの構造・階層に分けた場合、今の中国は上部と、一部の中部が裕福になっても膨大な下部が取り残されています。まだまだ経済発展段階にあるため、彼らも恩恵にあずかれているので保っていますが、一度止まったらどうなるか分からない莫大な不安定要因を抱えています。
これは中国だけの問題ではなく、東アジア・日本をも巻き込む重要な問題です。中国はここ五年以内に経済で深刻な問題にぶつかることになるでしょう。経済の構造上内需主導に切り換えることは多分成功しませんでしょうから*3。大前研一氏は上海万博を越えたあと人口が減少、労働総生産者数が減少段階に入るため、投資も低下して。緩やかに縮小していくと主張していました。中国経済の強みとは所詮安い労働力でしかありませんからね。日本と違って衰える中国をエリート層が立ち止まって国を支えるとは到底思えません。
領土問題を最重要な問題と捉える外交センスの欠片もない(仕方のないことですが)段階にある国民。民工潮に、憤青、強制立ち退きを強いられる農民などなど下層の不満が渦巻く中、いつまた反日デモをきっかけに爆発するのかわからない段階にあります。どうなるんだろう本当に…*4。
※栗山千明主演バージョンは見ていませんでしたねぇ。栗山千明以外見所ありませんでしたし。
*1:まだ途中経過っぽいんで、中国のサイト行ってみたんですが、どこに記事があるのかわからなかったのでやめました
*2:今見ると別に、戦争したい!戦いたくてしょうがないという、それだけではないことを留意すべきでしたね。中には絶対楽に勝てるから戦争しようみたいなバカな意見もあるでしょうけど、中には戦ってほしくない、なってほしくないけど戦争になってしまうだろうなぁ…という意見も含まれていることを考えていませんでしたね。これ書く意味ゼロですね
*3:と思っていたら、賃金上昇で一応は進んでいるっぽいですよね。イノベーションも一応あるというので、今の中国経済感と、09年ではだいぶ違ってきましたね
*4:このころは、中国といえば反日デモ多発でしたね、そういえば、最近は反日デモで大騒ぎすることもめったになくなりましたねぇ。もう起こらないんでしょうか?大規模同時多発反日デモは。なんか懐かしむ風物詩みたいなこと書いてますが(笑)