てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

「日経ビジネスオンライン」より(2)

第56回:地方の自立は、若者の自立を生む?  関橋 英作

http://business.nikkeibp.co.jp/article/nmg/20090128/184226/

 以前指摘したメディアの分割で、やっぱり地方新聞のほうが強いという指摘、今後のメディア分割時代において、頼もしい限りです。日本も捨てたもんじゃないですね。

 地方ブロック紙、地方紙は、大手新聞を蹴散らす健闘を見せている。8割近い37都道府県では、圧倒的なシェアを保っている。徳島新聞は発行部数が約25万5000部ですが、県内シェアがなんと81.9%。鳥取日本海新聞は、発行部数約17万部で、県内シェアが75.9%。50%以上の地方紙は21紙、40%以上が33紙にも上るのです(FACTAonlineより)。

 福島県の矢祭町の「市町村合併をしない宣言」、自分たちの街づくり、独自の取り組み。これはいずれ地方主権地域主権の先駆け、モデルの一つになるでしょうね。

病児保育NPO・フローレンスの駒崎弘樹代表

http://www.nikkeibp.co.jp/article/nba/20090122/183591/

 素晴らしい活動ですね。現代化=都市化の社会の中で、病児保育を手がける話。顧客の女性が子どもが病気になるたびに、仕事を休んでいたために解雇されてしまい、ベビーシッターをしていた母親の仕事がなくなったことから、この仕事を始めた。話を聞いた駒崎さんは子どもが病気になったら親が仕事を休んで看病するのはごく当たり前のことだ。それなのに会社をクビになってしまう社会はおかしいと感じてこの仕事をしようと思い立ったらしい。素晴らしい事だと思う。急成長を遂げてはいるが、病気の子供を世話するリスクは高く、レスキュー隊員採用の基準は厳しく「応募者が10人いたら1人しか採用できないほどだという。そこで義侠心に期待して、地域の保育士を募ったところ求人が急増して何とかやれたという。行政の無理解、ある政治家は、病気の子どもを他人に看てもらうことについて「親の愛はどうなっているんだ」と駒崎さんに尋ねたという。おそらく、こうした人々は、共働きをしなくては経済的に不安定な若い世代の実態を知らないのだろう。

「一緒に食べる」の革命性 霊長類学が映し出す人間コミュニケーション--山極寿一氏(前編)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090204/184970/

インタビュアーの尹雄大さんが韓氏意拳の人で、FLOWという名著を書いた人だと知って食いついたので。

親密さはセックスを遠ざける (後編)

http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090204/184990/

食と性の類人猿との違いが人間独特のストレスを生んでいる。文化人類学、比較生物学おもしろいな~やっぱ。この人京大か。京大系はこの分野凄いね。

兼業農家」が日本を滅ぼす 減反政策は諸悪の根源、コメを作って米価を下げよ 篠原 匡

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090218/186539/

 減反政策はカルテル。他の産業なら、独占禁止法の対象。カルテルに参加させるためのインセンティブが年間2000億円、累計で7兆円。しかも、この高米価を維持するために、この国は輸入米に対して高い関税を課している。その代償として、ミニマムアクセスを設定し、一定の輸入米を購入している。国産米が玄米で流通しているのに対して、ミニマムアクセス米は精米の状態で輸入している。三笠フーズによる汚染米大半で、ミニマムアクセス米が腐りやすい精米で長期間保存したから。コストがコストを呼ぶ仕組み(コストスパイラル)になっている。

 零細の農家が水田を手放さなかったために、主業農家の規模拡大が難しくなった。規模拡大ができないのだから、コストを下げられない。コストが下がらないからコメを専門にしても所得も増えない。減反政策をやるのであれば、生産コストが高い兼業農家減反面積をたくさん背負わせればよい。そうすれば、兼業農家がコメを作るメリットが薄れ、主業農家に農地が集約されたはず。それが、国民のためになるし、コメを専業にしている主業農家のためにもなる。ところが、一律減反をとった。

 農協の政治的な基盤は圧倒的多数の兼業農家だから、兼業農家を優遇した。他の農業を見ると、酪農だって、野菜だって、主業農家のシェアは8割から9割。稲作だけが主業農家シェア40%を切っている。

秋田県八郎潟は生産コストが低いため、稲作の収益が高い。転作して奨励金をもらうよりも、稲作を続ける。だから、八郎潟減反賛成派と反対派で村を2分するような争いになった。転作奨励金を上げなければならないが、財政事情から補助金を減額。減反政策を進める経済的なメリットが失われた中で、減反を進めるために、都道府県や市町村の担当者が生産者のところに頼みに行かなければならなくなった。本当に麦や大豆が植えられているか、確認しなければならず、現場の市町村の職員がいちいち、確認している。

 減反政策で最も得をしたのが農協。農協にとって見れば、米価が高い方が販売手数料は増える。肥料や農薬も高く売れる。政治力の源泉である兼業農家も喜ぶ。戦後、農協を作ったのはコメの集荷のため。いわば、農協は食糧管理制度の執行機関。その立場をうまく使って、農協は拡大してきた。コメの販売代金は農協を通じて農林中央金庫に流れる。農林中金は莫大なコメの政府買い入れ代金を一時プールしてコール市場で運用。それに、コメ代金は農協にある農家の口座に入る。そこから肥料や農薬の手数料は自動的にさっ引ける。そして、余った代金はやはり農林中金が吸い上げて運用する。高い肥料価格を設定しても、食管法の政府買い入れ価格で肥料代が保証されていた。

 食管制度は1995年に廃止されたが、農協はそのサクセスストーリーから抜け切っていない。農水省の中にも、農協に反感を持つ、気概のある人はいた。政府の税制調査会長を16年務めた小倉武一氏は「日本の農業を悪くしているのは農協」と断言した。

今回の金融危機で、農林中金の有価証券の含み損は1兆5000億円、この危機に付け込んで石破農水大臣は改革をやろうとした=反減反政策。

 農業以外の重要性があるという主張。農業の多面的機能は6兆円あると農政は主張している。しかし、その6兆円の3分の2ぐらいは水田の機能。水資源の涵養、洪水防止、美しい景観――。これはすべて水田の機能。ところが、一方ではこの水田をなくす政策を採っている。

 農水省は食料自給率の向上を叫ぶが、ジュネーブのWTO交渉でやっていることは高関税を維持のための、ミニマムアクセスの拡大。それが実現すると、消費量の8%だったミニマムアクセスが13%になる。これまでは財政負担で国内に流通しないようにしてきたが、それだけ量が多くなれば財務省だってクビを縦には振らない。食料自給率が下がる。

 東京都の1.8倍に当たる39万ヘクタールの耕作放棄が生じている。減反を強化しているにもかかわらず、この10年でコメの値段が60キロ当たり2万円から1万4000円に下落。長期低落傾向にあり、次の収穫期にコメ価格がさらに下落する可能性もある。そのリスクを感じているため、主業農家も思い切って農地の拡大に踏み切れない。もう減反政策をやめるしかない。減反政策を段階的に廃止し、コメを自由に作らせる。もちろん、コメ価格は下落する。減反政策をやめると、コメ価格は60キロ当たり約9500円に下がる。この価格下落で影響を受ける下落分を直接、農家に支払えばいい。ポイントは主業農家にだけ払うこと。コメの流通量700万トンのうち主業農家のシェアは約4割。この主業農家に、今の米価1万4000円と9500円の差額の80%程度を補填した場合、かかる費用は約1700億円になる。これは、生産調整のために農家に支払っている補助金と変わらない。

 コメの価格が下がることで、農地を貸そうと考える兼業農家は増える。差額補填で地代の負担能力が高まる主業農家も安心して農地を借りることができる。兼業農家も主業農家に農地を貸し出すことで、現状の農業所得を上回る地代収入が得られる。

 減反政策をやめ、主業農家への直接支払いを進めても財政的な負担は変わらない。9500円に米価が下がることで消費者も恩恵を受ける。9500円にまで米価が下がれば、需要は1000万トン以上に拡大する。

 さらに、関税を気にしなくても済む。日本米と品質が近い中国産短粒種米の実際の輸入価格は1万円近くまで上昇している。国内価格が9500円まで下がれば、今の778%という高関税は不要。ミニマムアクセス米の輸入も必要なくなる。そうすれば、食料自給率も向上する。処方箋はもうできている。

 故・渡辺美智雄氏いわく、この減反政策はストーブとクーラーを両方かけているようなもの。「高米価」というストーブをつけて生産を振興しているにもかかわらず、「減反」というクーラーをかけて冷やそうとしている。

 これまで減反政策にあまり不満がでなかったのは国民が豊かだったため。コメが少々高かろうが、コメを買えた。今回の金融危機で相当の失業者が出ることは間違いない。この人たちにとって、高米価は死活問題。はっきり言って、高い米価を維持する消費者負担型の農政は逆進的。貧しい人ほど、影響を受ける悪い政策なんですよ。それに対して、直接支払いにすれば財政負担型農政は税負担で累進的になる。

なるほどという内容。民主党の個別保障はまんま自作農、専業=強い農家育成のための政策ですね。農協すっ飛ばし政策ですから。

ずさんな農地行政が農業の自壊を招く 壊れていく農村(1) 吉田鈴香

http://business.nikkeibp.co.jp/article/world/20090223/187014/

 農業のビジネスチャンス」という幻想。20年前と農業の抱える問題は昔から語られていることと変わっていない。ワタミユニクロファーストリテイリング)も農業事業を始めたが、撤退した。

 だいたい8年前には、穀物価格下落が問題になっていて、「向こう20年近く農産物価格は下落基調を維持する」と国際機関が予測していた。

 農業新ビジネス、食糧危機より重要なのは、今、大変な不正が起きていること。農業の最大の問題は、農地と労働で違法・脱法行為が急拡大していること。転用規制も税制も、法律の条文はどんどん無視されている。耕作放棄して雑種地になっていても、農地と称して相続税を逃れる。いかがわしいダミー農業生産法人が農地を買い漁っても歯止めがない。問題の本質は、農地規制を骨抜きにする者がトクをして、真面目に農業をするものが報われないシステムになっていること。

 農村部の集落機能が壊れている。農地だと、農地基本台帳と実態が全然合っていない。農地パトロールがいいかげん。「5年以内で耕作放棄地解消」と言っているけれど、これは違反転用の追認に使われる可能性が高い。

日本の未来が見える村 長野県下條村出生率「2.04」の必然 篠原 匡

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090209/185533/

 地方自立政策研究所役割分担明確化研究会が著した『地方自治自立へのシナリオ』(東洋経済新報社)には興味深い例が出ている。「特殊教育設備整備費補助金」という国の補助金。実際の補助金額は13万6000円だが、事務コストを試算してみると、15万9000円がかかっていた。

 自分達で道路作って、独立独歩でやった上での成功。出生率2.04達成。

上の後編

http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20090210/185652/

 河野太郎が行なった構想日本の政策棚卸しの内容。いくらでも無駄があるという指摘!国と地方の役割分担を見直すだけで14兆円。埼玉県では、約1兆6800億円の一般会計予算(2006年度当初予算)うち約500億円の事業が不要という結論になった。民間開放が可能と判断した事業は2205億円、県ではなく市町村や国に移管すべき事業が3928億円、そして、576億円の補助金が不要と判明。同様に、草加市の一般会計予算は540億円。そのうち不要が24億円、民間開放が311億円、事業移管が88億円、廃止すべき補助金は68億円に上った。

 次に、それぞれのコスト削減効果を定義づけた。事業を廃止した場合のコスト削減効果は全額。民間開放については、対象になった事業の半分が既に民間開放されていると見なし、残りの5割で民間開放を進めれば、3割のコスト削減効果が得られるとした。事業移管による合理化効果として2割の削減効果を認定。補助金については廃止した後、8割を地方に財源移譲するという前提とした。つまり削減効果は2割である。

 そして、埼玉県と草加市の予算に対する削減可能コストの比率を出し、全国の都道府県と地方自治体に当てはめた。その結果、判明したことは以下の通り。事業廃止によるコスト削減効果は都道府県と市町村で3兆5518億円。民間開放による削減効果は5兆1520億円。事業移管、二重行政の撤廃による削減効果で3兆8278億円。補助金の廃止で1兆5673億円。合計で約14兆円。霞が関埋蔵金もビックリの金額である。この試算では中央省庁には手をつけていない。特殊法人への補助金も対象外だ。国と特殊法人を含めれば、さらに増えるに違いない。

 まぁ結局中央集権体制が以下に無駄だらけになるのかという指摘。十年以内に道州制になるのは避けられないでしょう。だって間違いなく名目といえども1000兆円借金になって、どうやってコストカットするかというのが最大の焦点になるでしょうからね。

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