てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

【予想】 小沢の勝利

小沢が勝ちます
 マスコミの互角だとか、菅氏が党員、地方票で優位とか、いったいどういうソースを基に調査しているのかさっぱりわかりません。おそらく、推測で適当に言ってるだけでしょう。殆どアテにならないと思います。衆院選とか、参院選とか、どっちが何議席差で勝つ!投票率が何%だったら、何議席で~。なんてまともな予測をしてないですからね。しかも結果まったくあたることがない。普通全国的なメディアなら、地方の票動向くらい支局から組み上げられるでしょう。何十年と選挙報道し続けて、当てる技術・推測する技術がないのに、何をかいわんやです。議員がどちらを向くか、それは選挙で有利か不利かにかかわってくる。選挙の神様と言われる小沢につくかつかないか、政界再編も含みに入れれば、当然小沢だろう。小沢なき民主に選挙戦術などないのだから。そのまっとうな判断をできるかできないかで大きく違うが…。

歴史的な流れ、運命論―かくして民主主義の申し子小沢一郎は生まれた
 小沢一郎首相、かくうまれりき。民主主義政治のインカネーション(受肉、つまり体現者)、小沢一郎が生まれるのは時代的にいって必然的な流れです。民主主義政治の申し子として田中角栄がいます。まぁ、民主主義かどうかは別として、議員としての優秀性を示す議員立法を、田中角栄は三十三本も行っています。法案作成の量こそ、議員の優秀さを示す。いまだに破られないこの記録一つとっても彼がいかに優れた政治家だったかわかります。

 では小沢はどうか?彼はおそらく議員立法をそんなにやっていないでしょう。しかし彼が民主主義政治の申し子というのはそういう政治になるシステムを次々に導入してきたからです。小選挙区党首討論記者クラブ廃止…。政治倫理審査会という、疑いをかけられた場合、証人喚問ではなく、より弱い形でこっちに出席すればいいというオマケつき。彼の憲法感、国家感、すべて独立国としていかに国の形を考えるべきかという点で、他の政治家より格段に優れています。というか、そういうことをいち早く主張して行動してきたというキャリアが他の政治家より格段に優れている。つまり、順当なんですね。鳩山さん然り、小沢然り。

小沢を押し上げる流れ
【調書至上主義の終焉―裁判・司法の正常化】
 まず、裁判の調書主義の終焉。この調書主義の始まりが、そもそも田中角栄を失脚させるため。汚職政治家を気分、空気、ニューマ次第で裁きたいから、民主主義の原則を捻じ曲げて、無理やり田中角栄を裁いた。民主主義・裁判の形を装っていても事後法に近い後付の理屈で裁いた。これこそが我が国の民主主義の崩壊―全体主義国家、前近代国家の転換でした。特に我が国の場合はこれにあいまって、官僚支配という構図になりました。学術的に名前をつけるのなら受験(学歴)型官僚支配式全体国家でしょうか?ま、どうでもいいですけどね用語なんて。
 民主主義国家を凋落させた重大な事件のきっかけが、このロッキード事件であり、調書至上主義であると。ならばこの調書至上主義終焉の流れは間違いなく民主主義国家日本へ復活する重要な流れの一つである。

 いみじくも失脚させられた田中角栄とその系統を受け継ぐ、プリンス小沢一郎。民主主義復権への舞台が整っている中で彼の登場を予感しませんか?(プリンスっていうとサンジかマイケルジャクソン思い出すな(^ ^;))田中角栄怨霊が復活するという形で。

 さらに鈴木宗男事件などなど、一連の裁判の異常性が盛んに取り上げられるようになった。今言論の中で検察の異常性というテーマを取り上げれば、さまざまな人物が浮かんでくるでしょう。ホリエモンさんなんかもいますしね。あんまり陰謀論的なことはいいたくないですが、少なくとも上にあげた官僚支配、特定の階級だけが得をする構造に挑戦した人間が失脚した、有罪となったということがわかるでしょう。
 
【ネットの圧倒的支援―寡占メディアへの対決】
 司法的環境、裁判のおかしさに対する反発、官僚支配に対する反発という点で小沢!という主張をしました。次に、ネットの支持というものをあげたいと思います。ま、こういう政治家は好きか嫌いかで圧倒的に別れ、ふざけるな!って人ももちろんいますが、小沢を支援する声は菅氏に比べ圧倒的。先ほど述べたように寡占メディアに支配された調査能力、報道能力を喪失した声に対する憤りはすさまじい。色々言われている能力のなさの原因の中でこれだけは!というものを言っておきたい。それは日本の学歴、受験型ではその会社に入ったらそこで終わること。本当に大事な実力というものを試されるということがない。一回こっきりの受験、入社試験でおしまい。そしてその中で、マスコミという巨大な利権団体・階級グループに入る。それで地位が安泰になる。競争なき身分保障、何のことはない、これは公務員・役人に対する身分保障と同じなのである。特権階級を作って、身分を保証する。だからこれほど嫌われるのである。

 そういう利権構造・既得権益を壊してくれるのは小沢であるという、少なくとも菅よりましというテーゼがもうしっかりできている。人口に膾炙している。ネットは大体30~40代の男性が投票をするらしい。その層がメインということは政治に関心が高い層が圧倒的に小沢を支持しているという点だ。民主党の党員・サポーターというのは利権団体からのものが多いだろうが、それ以前に政治に関心が高い人間が加入している。つまりこの点から小沢は有利である。

【国会運営&日米交渉】
 鳩山さんは政権運営、国会運営という経験がなく、ひ弱だったが、その点小沢は違う。小沢はこなせる。参議に手を突っ込んだり、法案成立駆け引き、野党対策を十分こなせるだろう。対照的に安定にこなしたいから、自民党のように官僚におんぶに抱っこという今の菅政権ではいずれ行き詰ることは火を見るより明らか。つまり、今回勝っても一年後には即霊夢ダックである。ゆっくり霊夢である。その後はどうせ小沢しかいないんだから。今、小沢か後で小沢かの違いしかない。菅政権は圧勝、大勝しなくては長期政権はない。もう詰んでいるのである。国会運営だけではない。普天間を中心としたアメリカとの交渉がある。これをこなせるわけがない。

 鳩山さんは思い切った手を打てない。与野党、官僚の手綱を握りきれなかった。実は検察によって一度失脚させられた小沢氏にとって有利なことが一つだけある。それは菅裏切りともあいまって、鳩山という人間が彼に忠実な同盟者となったこと。すんなり、小沢首相誕生であれば、鳩菅で、何だら・かんだらいちゃもんをつける可能性があった。しかしこの危機的状態にあって、自分をサポートしてくれた小沢を見限ることは万に一つもなくなった。党内での足場を完璧に固めた。

 アメリカ交渉では鳩山政権の流れを引き継ぐ。これによってアメリカが、ジャパンハンドラーズがいかに工作をしても、不死鳥のように反米感情をさらに高めて、日本の国益を主張する政権となって甦る*1。これによってジャパンハンドラーズの影響力は確実に弱まる。以後裏駆け引きではなく、直接政権担当者、内閣と交渉するしかなくなるのだから。この点からもまた小沢首相は必要不可欠である。

【対中交渉&安保】
 鳩山さんも海兵隊が抑止力だとか、言ってはならないことを平気で言ってしまった。官僚のサポートがあったら絶対に言ってはいけないですよ!と言われただろう。私費でブレーン、元官僚でも雇えばよかったのに。韓国に対する無用の談話を発表し、やはり安保・外交に対する無知ぶりをさらけ出した。さらに米韓対朝と緊迫しているときに、何もメッセージを出せない。というよりよく外交がわからないのだろう。北が民主政権のうちに金正日死亡で大きく情勢が動くことがありうる。そんなときに彼に任せられない。
 
 小沢氏も不安なところがあるが、彼が一番まとも。与党時代自民が断固たる対応、靖国参拝などしていれば、やっぱり民主じゃ、小沢じゃダメだ!となったが、自民がへたれてくれたおかげでそういうことを言われても平気のへの座だ。自民時代何をしたんだ!と言われて終わり。

 今、中国ともめている。これについてはいずれ解説するだろうが、重要なのは中国側は小沢を権力者と考えていること。どんな政策交渉者が来ても、彼らは「で、小沢さんはなんていってるの?どう思っているの?」と聞いてくるに決まってるからだ。この前の訪中で、爾後、小沢を対手とすべしという方針ができてしまった。外交・安保から見て小沢が好ましい。安全保障について、国連中心主義など、一見問題があると見えるが、あの時代の世論、空気の中で、彼は湾岸戦争時派遣をしようとした人間である。安全保障関係をしっかり熟知している。*2

 安保ができない、分からない人間は首相になれない、政権を取れない。もしくは政権が持たないとこれまでの常識がある。コロコロ総理大臣は権力基盤が脆弱、日本の政治システムの欠陥という性質が大きいが、なにより安全保障・外交を理解していないという点も見過ごせない大きな点なのである。小泉を見よ、中曽根を見よ、そしてその他早期失脚者を比較検討してみよ、一目瞭然ではないか。

民主主義、官僚制、司法、メディア、国会運営、安保・外交、全ての点から小沢新首相が好ましい。以上demonstrate終了。

【逆小泉純一郎小沢一郎
 おまけ、もう一つの運命論。別にイチロー世襲ではないが、名前は一郎である。世襲政治家は投票しやすいように、名前を単純なものにする。河野太郎さん然りだ。今イチロー時代なのか?純一郎の次は小沢一郎になる。そして二人とも自民党をぶっ壊すという主張を掲げてきた二人。文字通り二人とも自民党を破壊しました。そして小泉氏を押し上げた二つの勢力、真紀子と群衆。群衆が熱狂的に小泉を支持した。

 今回は真紀子の支持はあっても、マスコミに真紀子節は取り上げられることはない。この点が決定的な違いである。もう一つ清和会出身者は検察に上げられることがなく、角栄系統の旧田中派らは検察に処分されるという違いがある。

 そんなことより、あらゆる階層から広範な支持を受けた小泉と違って、特定の政治関心の高い層から、反官僚&既得権益層から支持を受けるという流れ。これに運命を感じずにはいられないでしょう。群衆ではなく、ネットの熱狂的支持を受けて誕生する新首相こそまさに時代の変化を予感させるものです。


 小さい泉から、小さい沢に水がながれてゆく。水は高きから低きに自然に流れる。このように運命も進むでしょう。

 外れたら?どうする?大丈夫こっそり消しますから(^ ^;)。なんて嘘で、結局一年後か今かってだけしか違いませんからね。後、政界再編が早くなるか、遅くなるかの違い。今回のことで政策の違いがハッキリしてわれやすくなったでしょうから。

日本を変える程度の能力、既得権を壊す程度の能力の小沢さんに期待しましょう。さて、どうなるかな?

*1:これだと、なんかアメリカやハンドラーズが日本を支配している!!的な陰謀論に読めるな…

*2:国連中心主義はあくまで原理原則の話で、外交の駆け引きの道具でしょうね。まあ実際そう思っていても、ちゃんと大事な妥協ができる人なので問題無いでしょう