てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

これからの「正義」の話をしよう―いまを生き延びるための哲学 マイケル・サンデル

 

ブログ引越し&見直しの再掲です。元は10/09に書いたものです

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

これからの「正義」の話をしよう (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

 

 あまりに書評かいてなくて、ストック溜まりすぎたから吐き出します。というかまた、酔っ払いの親父のようにケチつけるだけなんですが(^ ^;)。the right thing to doするべきこと、なすべき正しいことって何だろう?みたいな軽いにニュアンスのほうがウケると思うんですけどな。

 ま、それはおいといて、この本バカ売れしてました。ほう~と思って読もうとしたら本屋にない。再入荷がどこも遅いのか?ンでようやく近所周辺の本屋に来てました。いわく40万部。嘘だろ…オイ。こんなのに本当にみんな食いついて読んだ…?正気か?コレおもしろくもなんともないんですが…。というか、まずそんなに40万の人間がコレを読んで面白いと感じるほどの知識も教養もないでしょうよ。I-phoneから無料で講義が見れるとありました。そっちの方が絶対いいですしょうね、文章も読みやすいスタイルじゃないですし。

 で何が正義か?というか誰しもが判断の基準を求めると考える。人間は判断する生き物。人生は選択の連続だ。正しい決断をできるものこそが勝利者と言っても間違いない。そしてシンプルで、かつ分かりやすい原則に還元しておけば、イザ!という時に正確な判断ができる=決断力が養われる。経営者なんか「一秒で判断しなければまずい!」なんてことは、そうそうないでしょうけど、判断力を養いたいためにこういう本を必ず買うのだろう。で、この本でその判断力が養われるような、分かりやすいかつ優れた原則が提示されているかと言えば…。

 己はもう、この本始めと終わりにだけを読んで止めたんですよ。面白くないから。だって五人助けるために、一人殺すか殺さないとか…なにそれ?数学的に無意味な仮定は何を言っても許されるけど。それで結局何が分かるの?というか、普通小学生ぐらいのとき、死とか生とか一生のうちで一生懸命考えるでしょう。そんなこと今更読んでもねぇ。そこでなるほど!そういう決断をすればいいのか!ならともかく。何もないですからね。
 んで、エッ!って思ったのがアフガンゲリラの話。米兵が作戦遂行中に民間人。羊飼いか?牛飼いかなんかに出会った。彼らはこのまま逃がすとゲリラに通告されて自分たちはやられてしまうから、今ココで殺そうと言う。いや、無辜の市民を殺すことはできない。そんなことすべきではない!と主張する一人の人間によって、結果ゲリラに通報され包囲され大部分の兵士が死にます。彼はそんな決断をすべきじゃなかったと悔やんだインタビューが流されました。ココで彼は決断を誤ったと言います。

 オイオイまってくれよBoy。ゲリラに対して戦争を挑んでいるのに、無辜の市民を巻き添えにしてまで殺してしまえば、その後の統治について深刻な影響を与えてしまうじゃないか。それが正解か正解じゃないかなんていえるはずがない。ただ生き残りたい兵士が戦争に参加すべきじゃない。目的を見失った決断、判断としか言いようがない。

 そもそも相手民間人に嫌われてゲリラに通報される状況がマズイですし、そういう民間人とばったりであって、通報されたら殺されてしまう!という状況に陥るような戦術がおかしいですし、仮にその危険性があったら、殺さずとも拉致して安全確保後、しっかり事情を説明して謝礼を払う、治安維持や復興を協力して信頼につなげるとかそういう話でしょうよ。

 で、政治学の話以前しましたけど、政治学、特に政治思想単独にやるはもう限界しょうね。そんなことしても驚天動地の大発見、大理論なんて生まれようがないですね。昔の政治理論持ち出しても、その時代・文化・問題意識によって発達した思想を、今に応用しようとしても無理があります。というか、無理です(キッパリ)。

 仮にそうしようと言うのなら、そこからよほど見事にエッセンスを、サルでもわかるように抜き出さなくてはならない。そしてそこから、なるほど!そういうことか!という解説ができなくてはならない。それがなければ、学問の意味がない。そして東西南北、異宗教・異文化・異時代のさまざまな社会ケースの比較分析によってはじめて意義がある。そこから本質を見出して始めて学問になる。少なくとも西洋の思想家何人か持ち出して、解説したとしても、「ははぁ、なるほど!そうだったのか!これから私は(またわが国家は)、こういう判断をすればいいんだ!」っていう重要な発見。本質を見出せないでしょう。

 その研究成果から、個人や国家の指針を見出せなければ、少なくともいくつかある方向性のうちの一つでも提供できなければ、無意味ではないかと思います。*1

 さておき、まだ、分からないことがあるんですよね。これアファーマティブアクションとか、同姓婚とか、堕胎の話とか、すべてアメリカ人なら非常にセンシティブになる話。アメリカ人ならなるほど、とかおもしろい!っておもうのはまだ分かるんですよ。しかし宗教オンチの日本人がわかるんですかね?宗教を分かってないと多分彼らが何故こういうことに真剣に話し合ってるかっていうこと、問題意識そのものが分からないと思うんですが…。

 とにかく、己は見切りました。もし、イヤこの本はこうこうで、こういうすばらしい発見があるんだ!っていうのが分かる人いらっしゃいましたら、ご教授をお願いしますm(_ _)m一応ハーヴァーですし、何かの偉業があるんでしょうからね。

 ただ、思ったのが、こんなに売れるのはないわ・・・と思った。本が売れるってこんなのでいいのか?小室直樹読めよ!(#゚Д゚)ゴルァ!!小室直樹を読まずして何をよむっちゅんだ。あれでしょうね。ハーヴァードという肩書き一つでホイホイついてっちゃうんでしょうね。宮台さんが帯書いてたかな?もう、そういう売り出し方一つ。PR一つで世の中の評価は決まってしまうのか?

 ま、第二段をぜひ出して欲しい。もし第二段もバカ売れ。同じくらい売れるのなら、本物でしょうから*2

苺ましまろ 完全ビジュアルブック (Dセレクション)

 こっちはかわいいは正義。全然違います(笑)。己はこっちのほうがいいや(^ ^;)

 

日本で「正義」の話をしよう〔DVDブック〕 サンデル教授の特別授業

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NHK DVD ハーバード白熱教室1 [DVD]

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  DVD人気なんですかね。なんかNHKで一時期よくやってた気がしますが、今でも見る人いるのでしょうか?ああ、そうか、映像の力なのかな?ここ最近の文化ですもんね、日本にとってプレゼンが当たり前になったの。そういったプレゼン文化の流れの中にあるということですかね?これ。あとドライブ中のカセットテープみたいに、本を読まない人に映像で手っ取り早く物を知ろうという人達に受けているということかもしれませんね。

 

これからの正義の話をしよっ☆ (一迅社文庫)

これからの正義の話をしよっ☆ (一迅社文庫)

 

検索一覧にこんなのもありました。便乗しようとして上手く行かなかったって感じなんですかね?ラノベ界はよくわからん。

*1:あ、書き忘れてた。せっかくなので文末に追記したいと思いましたが、下にリンク貼ってぐちゃぐちゃしたので脚注で。脚注好きなんですよね。

 結局、前回・前々回の山田先生の本・黒田先生の本でも良いんですけど、方法論に尽きるんですよね。方法論がダメだったらもうどうしようもない。有名な先人・思想家・哲学者を研究してその人について、学説について詳しく知ってますじゃダメなんですよね。結局そこにプラスワンで方法論が必要、それがないとどうにもならない。多分こっから何千回・何万回と言う&書くと思うんですけど、知識・教養があればあるほど、土台・資産として強みになるし、あったほうが良いに決まってるんですけど、そこから建築・運用するための方法論がないと意味が無いと思うんですよね。勢い・対人コミュニケーションでごまかしてはいるけど、結局このサンデルって方法論がないと思うんですよね、だから響かない、刺さってこないんですよね。

*2:見事にどっか行きましたね。まあどんな人でも海外の人は一冊売ったらそうなるものでしょうけど