てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

小林よしのりのネトウヨは年収二百万円以下発言について

※旧ブログを消すついでに備忘録として引っ張ってきました。メモでしかないんですけどね、一応。
 小林よしのり氏「もう国家論やめたくなった。わしだってもっといろんな表現をしたいよ」 http://news.livedoor.com/article/detail/5902626/

 Blogosのこれですね。こっから引用。かいつまむんで、読んでない人は全体を読んでから見るとわかりやすいと思います。

 氏はネトウヨというものに否定的ですね。まあプロフェッショナルを賞賛する、対照的に責任を取らないアマチュアを非常に嫌いますからね。「ネトウヨ」というものの定義はないですけど、氏は無責任なアマチュアとして解釈しているのは間違いないでしょうね。以下引用ね。

 ―国家というものを持ち出しさえすれば自分自身の自意識を底上げできる、という人間が随分増えた
 ―自衛官のような”現場”を持たなくて、プロフェッショナルでもなくて、自分の全く未熟な”個”に対して、”国家”っていうものを出しさえすれば、人を”左翼”だとか”売国奴”とか色んな言葉で非難しつつ、自分だけは尊大に振る舞える。そういうことのために、国歌や日の丸がだんだん利用されてきている。そういう状況に対して、わし自身は嫌悪感を覚えることがあるので批判的になってしまう。

 ―わしのものを読んで自衛隊に入ったという人がいるのは、嬉しいのは嬉しい。嬉しいんだけれども、万が一有事の時があったら、その人はそれで死ぬかも知れない、ということを考えると、責任も感じるな、ということになる。だから、もし憲法を改正して、専守防衛の立場を捨てた場合、米軍のようにアフガンに自衛隊が入っていくというようなことがあっても構わないのか、というのを本人たちに聞いておきたかった、というのがあるよね。

 すると、意外にも、「自分は行く」というから、ああそうかと。そこまでの覚悟があるわけか、ということが確認できたことは良かったよね。それは、作品に影響受けたことで、自分の肥大化した自意識を担保するために”国家”というものを持ちだす若者とは違うからね。

 自衛官は少年工科学校や防衛大学などの教育機関の中で、プライドなんかズタズタにされただろうし。とにかくプライドを崩す、ということが教育の前提としてあるわけじゃないですか。でも、ネット空間の中で、匿名で良いように言っている人間は、プライドが崩されないですからね。そこの差はありますよね。現場を持っている人間は、日々社会の中でプライドが崩れますから。そうなると、自分の等身大の実力とか、器量を客観的に見なければ仕方がない。
 だから偉そうに言っていても、自分がどれだけのものなのかというのがたちまち跳ね返ってくるのが社会ですから。

 やっぱり、わしの作品を読んで、そういう人たちが生まれる、そういう人達になってくれる、ということが一番うれしいこと。そういう人たちはもう社会の中に入っていて、自分の現場で闘ってるし、働いてるし、国家を形成する一人になっているし、そういう人はあまり匿名でなんか偉そうなことを言ったりとかしません。日曜日だって、とくにデモなんかに行く暇もないですし、家庭を大切にしなきゃならんし、子どもを日曜日くらいは遊んであげないといけないし。そういうもんだし。


 ここまで引用。こういう文章を読むと「ネトウヨ」を①国家観念を持ち出すことで自己肥大化させる②正統なプロフェッショナルの仕事を持っていない、結びついていない③現実の自分と向き合っていない
 まあ、そういうものを指しているということがわかりますね。逆に言えば「ネトウヨ」ならぬ、ネットでもこういう国家論を振り上げる人間であっても、リアルでも自衛官なりジャーナリストなり専門職で責任を果たしている人間であればそうは言わないわけでしょう。氏の定義では?
 リアルから、現実から目を逸らして他人や社会の欠点をあげつらっているだけの存在を否定しているわけですね。そんな事言っているお前はどうなんだ?人のふり見てなんとやらじゃないのか?そう言いたいわけでしょ?この点別におかしいところは何も無い。

で、件の年収二百万円以下の話になりますけど、↓
 実際に中国の人民解放軍がどれだけ拡大を続けていて、潜水艦がどこを通って何を狙ってるのか、とか、ロシア軍機が日本列島一周している、などの話を、知っている人間は知ってるんだけど、どの新聞にも載っているわけではないし、テレビでもしきりにそれを報じてはいないよね。

 それを報じると、日本のナショナリズムが刺激されて、中国何するものぞみたいな感覚が芽生えて、防衛費の拡大とか、自衛隊が軍隊になっていくという世論を作ってしまうだろうな、という風に考えるわけでしょう?マスコミの人間も。そこを隠そうとしているというのはひとつありますよね。

 ナショナリズムを刺激するということがやっぱり左翼の学者というのはものすごく嫌うよね。それこそオリンピックとかで、日本を応援してたって、あれはナショナリズムじゃない、プチ・ナショナリズムだとかって言う言い方で、なんとかして過小評価しようとする感覚がものすごく働くのがありますよね。その延長線上に朝日新聞とかそういうのもあるのだろうし。日本人をどこかで信用していない。日本人は沸騰すると、たちまち攻撃欲むき出しにする、という風に思っているんでしょうね。一方で中国人は優しい人達だから、そういうことはないという風に思ってるのか、見ようともしないのかもしれない。

 その辺のおばさんだろうと誰だろうと、中国がどこまで出張ってきているかとか、何企んでいるのか、とか、こういう危険性があると知っているような状態になっちゃったと きに、日本人は一体どうするんだろうか?自衛隊を軍隊にしようと言うのかどうか?今のこの状態ではそれがわからないわけよね。知られないように操作されてるから。

 でも、それがだんだん、知られるようになってきてるわけだけどね。昔のようには封印できない状況が出てきた。そういうところにおいては、YouTubeだとか、ネットの活躍があるわけだな。

 マスメディアの役割は、本当はものすごく重要でしょう。まず正確に情報を与えてくれなければ国民は何も判断のしようがないわけだから。だけどマスメディアそのものが、基本的にはスポンサーに左右される。経団連とかの気に入らないような論調で書けば、そりゃスポンサーが付かないから、やっていけなくなっちゃうわけでしょう。そうなると、「公」のためのというか、公正・公平な情報を国民に渡す、という役割を果たせないということになるよね。かなりねじ曲がっちゃってる。一部の利権のために、情報を操作してる可能性がある、ということになってしまうよね。それがマスメディアの今の問題ではある。

 けど今度はネットの方で、テレビや新聞などのメディアは、ウソをいっていると、必ずその論調になりはじめるんだけど、そこはそこで、果たしてどこまで本当なのかなっていう(笑)。

―どうしてもネット対マスメディアという構図になってしまいますね。最近ではフジテレビ批判や、お台場デモの問題もありましたね。

小林: ある意味大したことないからね。韓流ドラマがいっぱいあるっていったって、いや、どうせ商売でやってるんだからとしか思わない。今不況だからなとか、広告が取れないんだろうなとか、安いからねとか。わかっちゃってるわけじゃない。怒る気もしない。まあ見なきゃいいんじゃないとしか思えなくなってくるんだよね。絶対見ないんもん(注:見ないもんの誤り?脱字が数箇所あったのでおそらく)っていうくらいの感覚にこっちはなってしまう。よく暇あるなっていう感じになっちゃうから。なんかこう、もっと有効に怒ったほうがいいんじゃないかなっていう気がするね。

―有効に怒る、とい言いますと?

小林:そういうネト ウヨ系のヤツは、強硬なことを言っときさえすれば保守なんだ、愛国者なんだ、と思ってるから、「原発推進だ!」とか簡単に言うけれども、だったらもう、お前たち経団連の思うままに操られるだけだよっていうことであって。左翼と一緒になって「原発反対!」って言ったほうが、世の中それこそすっかり変わるんじゃない?と思いますけどね。

 しかも、君たち年収200万円以下の下層でしょ?っていう。それでいいわけ?と。自分が選んでるんだよそれをって。お前らもう30、40(代になってるだろ、ほんとはよっていう。匿名でやってるけども若くはねんだぞっていう。結婚もできないっていうような身分に置かれてそれで満足してるわけ?って。全然何に対して怒ってるのか全くわからない。怒らなければいけないのは、違うところにあるんじゃないかっていう。自分の立場に対して満足してないって、そこをちゃんと怒れよって言いたくなるよね。

―メディア批判が不満のはけ口というか、すっきりするためだけになってしまっていると。

小林:長いこと君たちは階層の下におかれるんだよ、あんたたちどんどんオッサンになるよ、醜くなるよ、っていう話でね。デモなんかに出かけられないよ醜くって、ということになるよね。

情報隠し→メディアの嘘→ずれたメディア批判→それをしている人間はまともな批判の仕方を考えるべき

まあ論理展開から言ってこんなところ。どこもおかしく無いですね。

 ―民主主義は多数決だから。多数決だとこれからは高齢者が多数になっちゃう。政治家はそっちの顔色見なきゃならんからね。若者の顔色見たって票にならんと。それが民主主義そのものの欠陥でもある。

 ―若い人達がずっと収入が少ないままで結婚もできないと少子化にもなるし、全然日本のためにならない。今の経済政策そのものがおかしいんじゃない?とか、若者も年配の人もみんな気づいて欲しい、というのがある。

とも言ってますんで、まあそういうことを言いたいんでしょうね。もうちょっとまともな方向に政府・世論を誘導しないとますますこういう苦境のままだぞと。何も間違ったことは言っちゃいないですね。ただ年収二百万円以下・下層だからこそなにか暴れるはけ口があれば、一旦火がついたらワーッとなるに決まっているわけで。それが全く無意味かといえばそうでもないでしょう。論理一貫性があるより無い方が上層にとっては脅威ですからね。デモこそ民主主義の命であって、もうちょっとそこら辺に対する意識があれば、デモ醜いと軽率に言ったりはしないでしょう。あと高齢者が多いからそっちに行くってよく言われてますけど、それ実証されたことはないですけどね。まあでもそれが主旨ではないんでいいんですけどね。

 むしろそこから発展して運動なりなんなり、そういった人間が有効に政治手段に参加するためにはどうしたらいいのか真剣に考えるべきだとか。こうしたほうが君たちのためになるぞとかビジョンを示せば、また違ったんでしょうけどね。まあ本人は薬害エイズとかで運動懲り懲りだってなもんでしょうからね。プロ市民になるだけで無意味とかそう思ってるんじゃないでしょうかね?たしかに有効な民間団体・地域社会なんてレアアイテム化してますからね。そういう意味ではアノミー問題にどうするかもっと真剣に考えて提言するべきだと思うんですが。まあ、いっか。

 本人的にはどうせ左翼はプロ市民に、右翼はネトウヨになるだけでうんざり、日常で良き観客であって欲しいとかそういう感じなのでしょうか?その良き観客を育てるはずのメディアが腐ってるからこそ、そういう抗議に出る必要性はそれはそれで別に存在する。それをきちんと指摘しないとキツイなという感じはしますね。

 フジ批判デモについて以前書いたように、バカだなぁ偏向報道止めろデモだったらもっと共感を集めただろうに…と書きました。韓流批判だからまあこう言われちゃうんですね。だからバカだろ?と言われても仕方ない。しかしその一部にはメディア批判の場がないから、韓流なんかどうでもいいけど偏向報道打破のきっかけになればと参加した人はいるはず。そこにも注目しないとね。

 寡占・偏向が報道の問題になっている、人もそこに隠しているんじゃないかと敏感になっている。だったら過剰反応されて当たり前でしょう。公器が疑われたまずいんですから。この点小沢と違って疑われたらもうアウトなんですよ、企業なんてのは本来。政治家以上にいやそんな汚いことはしていませんとPRするのが当たり前。それができないフジもきちんと問題があると言わないと片手落ちという感じがしますね。安いから韓流やってるだけと己も思っていますけど、寡占業界ではそう簡単に海外戦略でもある韓国系の報道をやっていいのかというクエスチョンは出てくるんですから。

 まあだからといって、氏がダメだという話ではないですね。主旨・本題でそういうふうに言ったならともかく、本題別でたまたま触れただけですし。もうちょっと腐朽官僚制や報道の問題に切り込まないとダメだろうと思いはあっても、この文章で「年収二百万円以下~」で発狂するのは論外ですね。まあだからこそ年収二百万円以下の下層にあって韓流批判デモなんてずれたことになるんでしょうけど。

 それでもうるせ~バーカ、よく読んでからきちんと反論しろと言い切れる言論人は貴重なんでいいですけどね*1。まあ主旨もよく読み取れずに反論するアホは昔からのことですから、氏も気にしないんでしょうけどね。というか全体きちんと読んでからまともに反論しろって本当に思いますねぇ…。部分だけ切り取ったら全く違う意味になるというのに。国語教育が死んでるからなんでしょうかね?

 ついでに4、5年かけて核武装なんてのはズレている。やるならすぐできるようにしないと意味が無い。これ同感ですね。する必要はなくても、いざというときにはすぐできるようにしておかないと無意味。結局脱原発核武装はセットになる可能性が高そうですね。文章読んでいると決断ができていない。これまで決断をないがしろにしてきた。決断をしろってことでしょうね。小沢以外に決断や主張をしてきた政治家っているんですかねぇ…。
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ゴーマニズム宣言SPECIAL 国防論

*1:この当時はツイッターやってる言論人・著名人もさほど目につかなかった。少なくともうるせーバーカという人はあまりいなかったですね。己が知らないだけかもしれませんが。まあ時代の変化・流ってやつですね。