てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

負けない技術となぜあの人は強いのか/桜井 章一

負けない技術──20年間無敗、伝説の雀鬼の「逆境突破力」 (講談社プラスアルファ新書)/桜井 章一

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 立ち読みなんで10個くらい。これまで書いた中でおんなじことや、かぶってるなぁというのは飛ばしています。別に本によって内容が濃い・薄いというわけではありません。一応ね。

 勝ちたいというのは欲、負けないというのは本能。勝ちたいと思うと勝負はだめになる。イチローWBCで調子が良くなかったのも。普段は勝てないチームでいつもは負けないという気持ちだったのが、勝ちたいと欲が出てしまったからではないか?胃潰瘍になってしまったそうだが、勝負は胃に来る。まさに刃物が刺さっているようなイメージ。そういう時こそ楽しむ感覚でやるといい。ここで負けたら死ぬというのが代打ちの世界。そこでこそ楽しむ・遊び心が重要。

 勝ちたいと思う気持ちは化粧に似ている。厚化粧をして自分を塗り固めてごまかそうという行為に近い。自分の弱さや醜さをごまかそうという気持ちが幻想を生み出し勝てなくなっていく。

 敗北の99%は自滅。勝負をしていた時、どんな人間も自分から負けに行っているように見えた。

 勝機に合わせるように、常に物事のタイミングを逃さないように心がけるべし。そういえばこの間に合わせるという説明は武術の居合わす、居着くという禁じられる行為の真逆の話なんですなぁ。普段が大事、普段から間に合うという習慣をつけておけば合うようになってくる。

 田舎であったおばあちゃんは本当に誰かの為に生きているというような感じがあった。その人を見ると深々と頭を下げたくなった。そういう人が本当にいなくなった。謝りたくなると感じること、すなわち感謝デスね。本当の感謝っていうのはこういうことを言うのでしょう。子育ての本の中でシワがない美容法で有名な人のパーティーかなんかに招かれ、そういう顔をしている人より、こういう皺くちゃなおばあちゃんのほうが感動するという話が書いてありましたね。そういえば

 

 

 チャンスというのは常に漂っている。だれにでも勝てるというここぞという時がやってくる。それを感じ取れるようにする。状況は一瞬・一瞬でどんどん変わっていくもの。それを感じ取れるようにするには自然を見ること。自然は常に間に合っている。自然で動くものはタイミングを損なうものはない。

 状況も万物も常に変わっていくもの。この世に変わらないものはないことを自覚すること。執着・とらわれるということは自然原則からありえない。

 勝ちたいという気持ち、勝つことは更に欲を産んでいく。勝つと欲を満たす機会が大きくなり、勝つごとに欲は膨らんでいく。餓狼伝で堤城平が『勝ちたいと思う気持ちすら邪念ッ!』みたいなことを行ってましたがまさにそのとおりですね我欲だけでなく、他者の欲までもついてくる。食欲・性欲・睡眠欲、人間の三大欲求を最低限満たす以上のことを考えないこと。

 だから勝負には欲ではなく、納得や満足という価値基準で行う。納得・満足は感謝を生む。良い納得・満足こそが感謝を産んでいき、一つ一つの行為をきちっとさせていく。

 湯のみのお茶に蛍光灯の光が揺らめいているように、現実も存在もこのように揺れているもの。

 どこか偏った部分だけをつかっていると、全身の力が発揮できない。本当の力はバランスよく全身の力を抜いたときに出る。強い人は軸がある。寝ても何しても変わらない。直線ではなく、無限に大きい。

 得意を伸ばすという考え方より、不得意を減らすこと。偏っているとバランスが悪くなる。

 勝負どころで緊張してしまう。緊張を解くためには常に高いレベルで目標を置く。高い目標をこなしていれば、それに慣れるし、イザという勝負どころでこれよりいつも高い所でやっているという余裕ができる。だから常に簡単な道と厳しい道があれば、厳しい道を選ぶ。

 緊張緩和法として一点ばかり見ていると、視野が狭くなる。目を一度いないいないばあをするように手で隠してパッと開く。そうすると視野がまた広くなる。また緊張すると肩や膝などが詰まる。その緊張を取り除いてやるために触るといい。

 ミスをしない人間はいない。ミスを責めるのは怠慢なときのみ。ミスから立ち直るための行為が重要。いいミスならどんどん積極的にしていくべき。

 人生は「準備・実行・後始末」のサイクルの繰り返し。朝起きて準備・仕事や学校での実行・そして寝る前の後始末明日の準備前のことなどをやる。それをしっかりする。片付けるという感覚・行為が大事。済ませられれば=澄ますにつながる。

 敵と味方は一緒。敵もまた味方なり。勝ち続けて虚しくなる。ーと感じたように、そこに行くと敵も何もなくなるんですねぇ

なぜ あの人は強いのか (講談社プラスアルファ文庫)/桜井 章一

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なぜあの人は強いのか/桜井 章一

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 これは文庫版ではない方を読みました。この中谷さんという人はなんか色々対談本を出す編集者と言うか文章のまとめやさんなのでしょうかね?そういうのはあんまり好きじゃないんですけどね。よっぽど専門家で難しい文章で一般には通じないからわかりやすく書くとかならともかく。

 ○普通の人は組織の長で何万人・何十万人も動かしたいと思う。組織ではなく、仲間の長でありたい。だから酋長が夢だった。100人くらいのトップがベスト。

 ○競争しなければ仲良くなれる。打つときは相手を気持よくしようと打つ。競争は結果だけになる。100人超えるとどうしても結果だけになり、内容がなくなってしまう。

 ○元の人間に競争はない。競争がなければ上も下もない。

 ○的を外さないこと、的を射て外すのではなく、的そのものが見えていない・わかっていない状態になっている。

 ○スポーツ、野球の球団の裏にいる奴が嫌い。ナベツナのことか?(笑)。心技体のうち、心がなおざりにされている。

 ○イチローはどうやれば野球がうまくなりますかという質問にグラブの手入れをしっかりやりなさいといっている。普段の延長上に野球がある。だからイチローには修正力がある。普段だらしない人間がイチローのようになれるはずがない。(^ ^;)ギクッ!

 ○隠してコソコソやると正しい正着に繋がらない。上手い人間ほど正解を打つから何をやっているかよくわかる。まずさらけ出して相手に何もかもバレる、その上で強さの競争がある。

 ○格闘家のレベルに「動」や「静」を超えた「流」がある。もっと上には「光」があるのかもしれない。ヒクソン「流」でやっている。

 ○考えれば考えるほどバランスを崩す。その崩れたバランスを整えるには自然で遊ぶしかない。体を動かすことでバランスを整える。

 ○殺気がないから魚などが逃げない、素手でつかめるし、簡単に獲れる。強そうでは犬も子供もついてこない。それは怖そうと同じだから。「強い」だと寄ってくる。安心できるし本当に強ければ攻撃してこないし、いざというとき体をはって守ってくれるから。

 ○東大でのスピーチで「お前たちは頭が悪い。頭が良いってことは他人に迷惑をかけないこと、悪いことをしない人だろう。お前たちの先輩は悪いことばっかりしてるじゃないか。痛快ですね(笑)。

 ○心の狂いは牌を触るとわかった。悲しみも苦しみも牌を触ると牌が答えてくれた。

 ○芸術家は瞬間にひらめく、感性を鋭くしたければすぐ決めること。時間を取ると感性は逃げていく。

 ○男らしさ、女らしさがなくなった。らしさがないということは狂っているということ。社会が病んでいく。

 ○嘘を付くのは良くないと教える。しかし人によってはそれで傷ついてだめになることもあるから、嘘をついたら二倍いいことをしてバランスを取りなさいという。まさに嘘も方便ということがあるのだから。

 ○楽をするとかえって苦しくなる。今の人は楽をしようとしてかえって苦しくなっている。人間関係も同じ。楽を求めるのは健全ではない。人間は感情の動物。感情がなければロボットになる。権力者は扱いやすいように感情がない人間を求める。そして学校も会社も我慢を教える。それは家畜。キャ━━━━(゚∀゚)━━━━!!雀鬼すげえ、というより己が思っていることをまさに違う分野の人がピタっというのが素晴らしすぎる

 ○こどもが親がかっこいいと思う姿を海で泳いでいる父親(桜井さんね)がかっこいいといった。たくさんの成功者や著名人が訪ねてくる。それをかっこいいではなく、動く姿をかっこいいといってくれてよかったと思った。雀鬼会で大人たちで討論会やった。その姿を見て子供が大人になるのっていいなあと言ってくれた。それが一番嬉しかった。

 ○大韓航空機が墜落した時も乗り遅れて助かった。桟橋が波にさらわれて飲み込まれた時も自然に前に出て助かった。間に合うことを重視している会長がなぜ間に合わなかったのか?渋川剛気みたいに辿りつけぬのじゃよってやつか

 ○じゃんけんをやると心が読めるので絶対勝つ。遊びこころが働いて何をだそうとして何に替えるかまでわかる。しかし予想能力を科学所で実験しても遊び心が働かないから駄目だった。へぇ。

 ○大事な力集続力をつけるにはツモったら切る、半荘終わったらまた半荘と区切りをしっかりする。終わりが来たら始まりが来るのそのつながりを大事にする。元へ戻るバランスが大事。

 ○柔らかく持つこと。強い人ほど一定して心地よい音が出る。剣豪は柔らかく落ちそうになるくらいで剣を持っている。ヤクザ映画で剣を振った者が剣が離れなくなって指を他人に開いてもらうものがある。力が入っている証拠。合唱だって武道とおんなじ上半身を抜いてストンと落として下半身を安定させて声を出す。下半身から出すということを教える。力が入ると弱い。

 ○南海の酋長の演説をまとめた本『パパラギ』を愛用する。家の中に風があると人間の心は穏やかになり自然と同化する。

 ○麻雀をやめようと思ったら、牌を触ると痛みが走った。そしてそれでもやっていたら、今度は目が開けられなくなった。

 ○モーツァルトなど奇のある天才がいる。勝負師は破滅型が多いが、自身は至極まっとうな生活をしている。

 ○破滅型ギャンブラーの両親に生まれて、親から愛されていない娘を妻に選んだ。お金持ちのお嬢さんやモデルなど30人彼女がいたが、あえて辛い・苦しむと思う人を選んだ。ヤクザの兄さんや借金して払わない姉さんがいた一家。彼女をほっとくとだめになると感じたから。結婚した時、参ったなと泣いてしまった。一年ぐらい持つだろうと思ったら子供ができた。こどもが自分を生かしてくれる。そのこどもに必要なのは母親だから続いた。平気で一千万くらいのものを買ってくる。普通なら離婚する。しかし愛情を受けていない人間はそういうもの。それを教訓にして受け入れている。この嫁選びの話は素晴らしいですなぁ。孔明の嫁選びならぬ、桜井の嫁選びですな

 対談に際して朝まで話すつもりでパジャマをもってきていた。心構えが素晴らしいですね。