てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

第三回北朝鮮分析 (現実的な予測)

前々回→金正日死亡(短期的な見通し)

前回→続・金正日総書記急死 (日本の取るべき外交政策について)

とりあえず、まあそんなに急転直下には動かないわねということを前々回書いて、前回は日本がどうすべきかということを書きました。あくまで日本視点のこうすべきですから、じゃあ実際はどうなりますかね?という予想展開を書きたいと思います。

【南北統一と韓国の行動と選択】

 南北統一について、南北は必ず統一しなければ!という人もいるが、現実を考えればそうする必然的理由はない。同じ民族が違う宗教・習俗で異なる国を作るのは特におかしい話ではない。いくらでも国家は生まれうる。ただ北も統一ということに前向きであることは確かだ。ただ北の場合はその思想に民族の解放がある。薄ら甘い統一したら素敵やん。なんていう感情はない。彼らの言う統一とは、自分たちの文化・宗教に相手を取り込むこと。同化政策に近い。

 朝鮮と韓国は全く違う民族であるということを理解出来ない人が多い。民族的なそれで言えば全く同じ民族と言えるが、双方で信ずる宗教=国家体制が違いすぎる。ゆえに行動様式がまるで違う。王を戴き、市場経済下のルールを知らず、権力がすべての国民が今の韓国の行動様式・習慣に馴染めるはずがない。曲がりなりとも民主主義・資本主義のルールに沿って動こうとしている韓国の考え方とは天と地ほどの開きがある。全く違うルールで両国は運営されている。野球チームとサッカーチームを明日から経営統合しようというくらいの感覚であるといえばわかりやすかろうか?

 統一は対等な関係で行われるはずがない。水と油なのだから、水になるか油になるかはっきりしなくてはならない。結論は二者択一しかない。それが起こるときは一方が一方を飲み込む。必ずどちらかが消えることになる。破綻企業をタダ同然で買い取った大企業が跡形もなく徹底的にバラバラにして組み込むのと同じだ。北がそれをできようか?北がやるとしたら軍事的制圧以外ない。当然そんな事ありえっこないから。韓国が北を飲み込む以外に現実的には有り得なくなる。進駐して、北の人民をバラバラにして管理することになる。韓国にそれができようか?

 今の北の南北統一アピールというのはなかなか面白い戦略、弱者の脅迫という手法をとっている。弱者が自分は弱者だぞ!何とかしろ!という戦略は状況を考えれば非常に理にかなっていると言える。今統一ということになれば、韓国社会・経済は大混乱。そのためには北に支援をしてある程度経済力がついてから統一を―と韓国は考えざるを得ない。新業界をまず寡占・独占で成長させ、十分な規模に育ったら、それを止めさせて自由競争下に置く経済原則と同じ。ある程度育ってから初めて合併して、あまり問題がないレベルになるという発想をしている。

 無論、北は援助を騙しとろうとしているに決まっている。彼らの第一の目的は既存体制の維持なのだから。しかし韓国としては独力で叩いて併合する軍事力も経済力もないし、なによりそれを実行する主権が制限されている。国際社会、特にアメリカだのみであるから他に方法がないのだ。

 韓国の弱みに付け込んで、同胞幻想をヨイショしておだててやって、財布からネコババするのだから北もなかなかうまい詐欺を考えたものだ。同胞・統一詐欺とでも言おうか。これには前回述べた公理=日本絶対悪の裏返しである、朝鮮人(=半島の人間)絶対善が作動していると考えてもあながち間違いではなかろう。無論彼の国は地域事による地縁というもので階層が成立する社会構造ゆえ統一しても地域差別が根強く残るだろうと言われている。

 韓国としては他に手が何もない。北が正常国家になるのを待つしかないという状態。非常に選択肢が限られているのだから、国家意志の発露もクソもない状態だ。結局なすがママ、言いなりになる以外、どうしようもないのだから。従軍慰安婦の所で書いたように、自己の意志を発現させようという意志もないのは明らかだから、韓国が新しい展開を見せることはないだろう。伝統主義で既存路線の延長のまま、先送りされると見ていいだろう。

 当事者である半島両国はこうなっている。騙す者と騙される者。本来韓国のほうが力関係はあるのにもかかわらずこうなのだから、先軍政治主体思想の面目躍如といったところであろうか?

【北の行動と選択肢】

 さて、ではその当事者、もう一方の半島の主である北を見てみましょう。

 北の核武装戦略然り、北は世界帝国=大侵略者アメリカと戦っている!というロジックをとっています。だから休戦を平和協定に昇格させるにはアメリカと交渉をする。アメリカと国交正常化をすこと、つまり国交を持つことは米による北の体制保証につながると考えています。体制保証こそが北の願いです。

 北の狙いは体制保証なんですから、韓日はまず独自で攻めてくることはない。攻めてくるのは西の親玉アメリカ。そのアメリカが戦争を仕掛けてこない確約。核武装放棄の代償として不戦条約を結ぶか、安保条約を結ぶかということですね。

 ツボの中からアメを取ろうとして、手を突っ込んでアメを一杯つかむから手が抜けないバカみたいになってますね。そもそも不戦条約を結んだとしても、期限が切れた場合即また核武装できるように、核は完全に捨てないでしょうしね。体制が軍事主義で敵視する政策をとっているから、周辺に脅威だと認定されているのにね。アホですね。

 体制を守るには核がいる→しかし核を持てばせめて来られる→核を持たずに攻められもしないのは平和路線、改革開放に移行していくこと→開放していけばいずれ体制の動揺は避けられない→体制はひっくり返る。

 ―となって結局遅いか早いかの違いがあるだけで、体制がひっくり返るに決まっているわけです。叩かれるか、穏健に退いていくかしかないわけです。もう時代は変わった。軍事主義は諸外国の脅威がない以上、無意味である。共産も軍事も取り除いて少しづつ体制を転換していくしかない。韓国の軍事政権崩壊のように、中国の市場経済導入のように、変革を決断するしかないわけですね。または蒋介石から世襲した蒋経国が三代目世襲はせずに民主化路線を選択したケースなどが参考になるかと思います。

 焦点は三代目の新リーダーは変革を決断できるのか?そこに絞られていますね。

【米韓日は冷戦終了後最大のチャンスを逃している】

 先軍政治主体思想という特異なそれを考えれば一目瞭然ですが、北は冷戦が終わり、周辺諸国は冷戦後に見合った体制に移行するというときに逆を行きました。台湾・韓国が民主化という路線変更を歩んだように、もはやそちらの道を選ぶしかないのに、それと逆向した、すわ!第三次世界大戦!というようなトチ狂った路線を選択しました。ファーストである金日成が経済状態を見てセカンドの金正日の経済政策を避難したのも、なにより民を食わせられないことには話しにならないことをわかっていたからでしょうね。

 にもかかわらず、セカンドは体制の護持をまっさきに考えて軍事政権の道を選択しました。これは世襲というものが不安定なためという事情も大きいでしょうね。本来共産主義世襲はありえません。厳禁されているはずです。世襲なんて!飛んだ糞野郎だ!と思うかもしれませんが、個人崇拝でなければ動けない彼の国が他のリーダーを選んだ場合、指導者の絶対的な理由がなく、権力闘争が収まらなくなる可能性が大きかったからでしょう。北のような国では世襲以外ありえないでしょうね。だからサード金正恩が28・9なんて異例の若さでリーダーになるわけです。

 チャウシェスクが処刑されたのに恐れおののいたなんて、いろいろ理由は考えられるでしょうけど、全ては生き残り。生き残るためには既得権益者たちを体制に完全に取り込む。ガチガチにして固めることですね。それしか方法がなかったでしょう。世襲も仕方なければ、軍を取り込む先軍政治も、殆ど選択の余地が無い出来事ですね。彼の国の状況を考えれば。

 そういった北の事情・北の行動原理・ロジックを理解していなかった国際社会は誤ったシグナルを送ったといえるでしょう。アメリカと韓国が。北が中とロシアから見捨てられて、冷戦後というものを全く想定できない状態から、パニックになるのは目に見えていた。パニックになってガチガチな国づくりに向かうことは予想できたはずです。彼らの外交方針・基本行動原理をしっかり見ぬいていれば、まずイラク戦争時のような、戦争前に一言入れておくべきでしたね。改革開放に向かえば強硬に叩かないと。今ある六カ国ができる前にそれを作っておいていち早く、北にそういうシグナルを公式に発信しておけばよかったのです。

 次に誤ったのは韓国、軍事政権時代の指導者を民主化移行してすぐ事後法で裁きました。もし仮に韓国と併合ということになれば、力によって旧支配者層に落伍する彼ら北の支配階層は同じように裁かれるという誤ったメッセージを送ることになってしまいました。

 そもそも金正日死後ではなく、金日成死後。冷戦終結時に外交のコペルニクス的転回が起こりうることを察知し、明確な北取り込みシグナルを送れなかったことが今になってツケとなって回ってきているわけです。外交が10~20年は遅い。

 北は冷戦終了時、金日成死亡後、どうなると考えるか?彼らの生存を第一と考える思想から考えれば、まず攻めて来られる。イラクになると考えるわけです。相手の思想を読み取れば、絶対に叩くようなことはしない、過去の犯罪も不問にするといって、この時点で北がまともな国家に路線転換を図れる助け舟を出すべきでした。拉致だって70年代のころから、実際は金正日の指導によって行われたでしょうけど、あえて先代のせい、私は関わらなかったという形にできたわけですから。

 結局、外交ロジックの不在ですね…。ちっとはまともな外交をせいよって。それで100%うまくいったなんて言いませんけど、そうしていたら日韓米は最大限すべきことをしていたことになりますから、それはうまく行かなくても納得できます。ベストを尽くしていれば失敗しても納得できたのに、やることやらないでこの結果ですからね。結局冷戦終了後のようなチャンスを亡失したように、今回もそのチャンスを見逃すのでしょうかね…。

 この三国は本当に外交知らずの大馬鹿野郎共ですからね…。三人揃えば文殊の知恵どころか、三国は烏合の衆ですから。夏休みの標本採集で外交知らず虫を取って来いといわれれば間違いなく入ってくる虫ですよ。代名詞ですね。前回韓国を説明したように、日本も同じ平和ボケで自分たちの都合で勝手に動く。アメリカは力で正義の代行者だと信じているから手に負えない…。

 こういう三馬鹿トリオが絡んだ時一体どうなると思いますか?言うまでもないですね。決められない、先送り、で有効な手が打てない。結果、相手の自滅・破滅を待つしかない。向こうが自滅して危機が起こらない限り、まず何も進まないと見ていいでしょう。

続く→第四回北朝鮮分析 (おまけ的な話)