てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

チャイナクライシスへの警鐘 2012年 中国経済は減速する/柯 隆

チャイナクライシスへの警鐘 2012年 中国経済は減速する/柯 隆

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 あえて書くまでもないんだけど、ちょっと何か更新しとかないと、更新滞ってしまうから。簡単に書けるこれを。まあ、読むのに30分くらいで読める。まとめ方がいい本ですね。大体中国経済についてはいろんな人が論じているので、そんなにおおっ!とかほぁ!とかなるわけでもないですが、日本の大学で学んだ中国人さんですね。結構いい出来だと思います。ファンガンさんや関志雄さんをさしおいて中国ナンバーワンエコノミストっていうのはどうかなと思いますけどね。まあ自称・キャッチコピーなんでしょうけど。

 んで、タイトルだともう今年中国経済が停滞する!\(^o^)/オワタといいたいようですが、ここが「減速」となんとでも言えるようにやんわり表現にしていますね(笑)。こうやってもし危機が訪れなくても、いや「減速」ですから。1%落ちたでしょう?とかごまかせますからね。まあそうじゃなくても、結局中国経済失速の兆候がみえれば後付で、ほらやっぱりこの年がキーだったんだよ!と言えますからね。

 まあ、己も中国経済が失速していくという現象自体は賛成なので、そんなに卑怯とか、ずるいとかいう気はさらさらありませんけどね。印象に残ったのをいくつか書くだけですけど。中国は指導者層が入れ替わる転換点に差し掛かっている。そしていまから二年ほど、おとなしく引退するだけだから現リーダーたちは重要な改革に踏み切れない。そして新指導者層は権力がためのために3年ほどかけるから、同じく重要な改革に手をつけることができない。計五年中国は改革に手を付けられない。よって改革なき中国は停滞・失速になると。

 まあ年数はともかく、思い切った改革というのは誰がリーダーでもまず無理でしょうね。己はそれほど習近平が権力掌握に時間がかかるとは思っていませんけど。彼に改革を実行する力、抜本的な変革が出来る人物とは思えないですから。胡錦濤が平均型だったように彼もそんな感じでしょう。どこの派閥・勢力からもコネがあって、順当にこなせるというか、ただそれだけの人って感じがしますし。

 今の中国は労働分配率が低い。よって内需に結びつかない。企業が支払う賃金率が50%以下、労働者に金が多く入って、それがとうし・消費に結びついて経済は発展する。その低さが問題。ちなみに日本も一貫して下がってかつて70%が今や60%。アメリカは80~70%くらい。企業がまさに資本主義社会・市場において、いかに利潤を上げ、いかにそれを効率よく分配して、更にそれを拡大・再生産につなげていくか―市場こそが社会を・人を豊かにするという機能を果たしているかどうかを示す数字ではないでしょうかね?もっとこの労働分配率が注目されてしかるべきのような気がします。日本の場合企業が内部留保溜め込み過ぎなんですよね。まあ銀行が腐ってるから、資金調達ができないという問題があるんですけど。

 中国の為替レートの問題は、外圧に弱いという印象を与えたくないために、アメリカに屈したという形を取らないように今後少しづつ上げていく方式を取る。不動産バブルは中国の固定レート制=金融・資本の自由がないゆえに投資先がないため。銀行が豊富な資金を持つのも。今のところ消費をしても余り、投資先もないからそちらに向かわざるをえないだけ。まあ日本のバブルの時に似たようなものがありますね。

 よって今のところ豊富な資金があるから国有銀行・国有企業が生き残っていける。本来市場によって退場させられるべき不健全な企業が存続できているのはこのため。=時が来れば一気に問題に火がついて連鎖倒産するってことですね。

 中国には独自ブランドがない。ブランドがなければ、一番付加価値が高い・大きいそれを得られない。マイケル・ジョーダンの名前を勝手に商標登録して、バスケットの神様に怒られてましたね。こうした出来事一つ一つが中国というのはダメだなぁあ。と思わせるのに、まあよくも平気でパクるわな。こんな感覚じゃ、中国にブランドなんて生まれようがないわね。中国と他所の国という意識で、他所の国が損しようがどうでもいい=遵法意識がないってことですからね。中国の知的財産権侵害に憤る人もいるけども、むしろ中国という国に独自のブランドが発生し得ない最大の理由であるのだからむしろありがたいことですよね。彼らは永遠に先進国の下請けを行うと言っているに等しいんですから。中国の経済モデルは農業→工業→知的・情報産業にイカないんですからね。知的サービスに転換できないんだからこれ以上の成長が見込めるわけないんで。時が来たらボンっですよ。

 一人あたり3000ドルってのはよく言われる話ですけど、中国の場合、地方自体で清算・所得レベル全然違いますからね。それが適応されるかどうかむしろ地方ごとのジニ係数や、失業率が問題で、さらにそれが中国全土に連鎖反応するかどうかのほうが分析するのに適当だと思いますけども。

 まあ共産党支配による透明性に著しくかける、市場・民間のチェックが働かないというのは当然の話ですけど。一応書いておきましょうか。

 共産主義は宗教・天安門は祭り、反日デモも祭りという性質があった。祭りは鬱屈した社会の不満を晴らす。まあいつ爆発してもおかしくないと、そして書いてはなかったですけど、心理的な慢性的不安の象徴だと。中国人は本当にちょっとしたことですぐキレる。それは彼らが不安だからというのはありました。こんなに成長して豊かになっているとはいえ、落ち着かない。毎日が闘争とでもいいましょうかね。ギスギスしているんですね。まあ近代化による連帯の喪失、社会構造の変化についていくのが大変だというのもあるんでしょうが。

 砂漠化も進み、中国の食を養い切れるのか?資源は昔と比べ、レアメタル以外ほとんどもうない。水など資源確保をどうするのか?

 面白い話で一人っ子政策の有益性。昔は六人くらい子供がいるのが当り前だった。それが三人・一人と減るに連れ、その分子育てにかける費用が減るため、家計の負担を減らすことにつながった。今一人ということはもうその負担減の手法は採れないということ。しかも高齢化社会福祉にツケとなって回っている。

まあ、こんなところかな。