てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

イランと北朝鮮、核開発と米朝合意

 米朝合意に至りました。まあ、この地域の核開発問題は結局のところやめるなら、代償に資源・軽水炉タダでよこせってことですから。食糧24万トン北に援助することでひとまず体制の足固めを行いたいキム・ジョンウンThirdにとっては体制の勝利だとか何とか言って、自己の権威を高めることでしょう。

 もともと核以外では北と対決する気は毛頭ありませんから。あっても中国との関係を考慮した上でいかに核の能力を無効化することに焦点を合わせるでしょうしね。

 そうなったのも言うまでもなく、イランの核開発があるから。イランの昨今の選挙でまあ大方の予想通り、保守派・強硬派が勝つ。外圧かけたら大失敗になるのに決まっているのに、何をやっているのやら。まあかけてもかけなくても結局のところ同じなんですが。イランの強行態度ってなんなんですかね?選挙前の体制護持のためホルムズ海峡ぶらぶらしだしたってこともやはり何割かはあるんでしょうけども。

 原油輸出停止、欧米などあたりでイラン製を買わないといった締め付けによって、緩やかにレジームチェンジを図ろうとした。それによって未然に戦争を防ごう!なんてしても、イスラム体制は貧しさより信仰を選ぶのがこれまであったとおり、どうにもなるわけがない。よっぽど世俗的なイラクだって、今はあんな感じ。世俗的な代表が売りのイラクもイランみたいになりそうで怖いです。

 イランとの核開発交渉が終わるまでグダグダやってる暇はありませんから、食糧やって、北との関係をとりあえず改善。まあサスペンドですね。どうせ北もまた核開発進めるし、米もイランとの関係にガタがついたら、あっという間に圧力かけるのを再開するでしょうしね。

 しかし24万トンの食糧ってどういう食糧なんでしょうか?日本がかつて北に食糧援助したコメは備蓄米の有効活用。そろそろ新しいのと入れ替えるか~という内部のコメ政策・利権と絡んだものでしたが、北に食糧渡すことでアメリカの農業票でも期待できるんでしょうかね?安いアルゼンチンとか、ロシアから買って渡すのではなく、アメリカ産のそれでしょうからね。まさかピンクスライム肉とかじゃなかろうな…。

 日本も食べて応援を北にやってもらえば…、んなわけにはいかないか。そもそも透明性を徹底的に高めれば、今のような日本産全面禁止なんてことはありえませんからね。向こうがヒステリックに全部禁じているってのはなくも無いですが、不透明すぎて信じられないってのが本当のところでしょう。何も危険冒して日本製なんて選択するお人好しはいませんからね。

 さて、結局イラン情勢はどうなることでしょうか?イスラエルはもう攻撃するぞ!と血気盛んですが。イスラエルは過去にイラク・シリアの核開発施設を空爆した実例がありますから、別に空爆で核施設叩けばいいだけの気がしますが。戦争する必要性は全くないと思いますけどね。それよりイスラエルの核を放棄させるほうが先でしょう。実質米の庇護下にあるんですか、安保で核の傘に入れるべきでしょうに。なにやってるんでしょうか?仮にイスラエルが攻撃されて、アメリカが無視する・ほっとくなんてまずありえないんですから、それがもっとも現実的でしょう。

 ここに来てアフガンでコーラン焼却→自爆テロ
(おそらく精神疾患で)米兵銃乱射、アフガンの治安維持もまあ困難になっているときに、困ったことになっております。本当にブッシュの8年間でアメリカはとんでもなく傷ついたというか、外交どうすればいいのか?本当に手詰まりという感じ。オバマが良い悪いより、本当どうしようも無いですね。

 まあ普通こんな時に大統領引き受けたくないよ、って時ですからね。自民の谷垣さんみたいにババ引くのがわかってますから。まあでも引き受けた以上、何とかしてもらわないと困るわけで。しかしノーベル平和賞、いいとこ付いて来ましたなぁ。こうなることが見えていたから最悪のイラン戦争やめたげてよぉ!という意図があったんでしょうなぁ。果たして、オバマは禁断の再選のための有事という魔のカードを使わずにおとなしくその座をおりますかね?

 アメリカ人が馬鹿だから戦争大好きミリタリズムだからどうしようも無いですけどね。最近老子を読みまして、『兵は不祥の器にして、君子の器にあらず、已むを得ずして之を用い、恬淡を上と為す。 勝ちても美とせず。もし之を美とする者は、是人を殺すを楽しむなり。 夫れ、人を殺すを楽しむ者は、則ち、以って志を天下に得べからず』

 まさに老子の言葉がまま当てはまりますね。世界のリーダーたる君子たるものが、兵を用いるなど言語道断ですよ。やむを得ずどころか率先して、しかも利を求めての行動。しかも勝つこと、強いことを以って美とするとは!敵を殺すを楽しむ狂人です。天下を統べることなど出来るはずがないではないか。全く何を考えているのやら。結局のところイスラムが近代に適合できない宗教国家であるのと同様に、アメリカもいわゆるファンダメンタリズムのような宗教の、自分たちの価値観の固執になっている。相当文化程度が低い・劣悪化しているわけです。キリスト教邪教であるくらい(勿論そんな事思ってませんよ)のファナティックな運動でも起こってこない限り、アメリカの再生・再建はないでしょうね。

アイキャッチ用画像

イラン (ナショナルジオグラフィック世界の国)