てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

2ちゃんねる捜査と3.11一万人人間の鎖、国会包囲デモ

 大震災から一年経ちました。15000人以上の方が亡くなられました。お悔やみ申し上げます。亡くなったことすらわからず、遺体とようやく対面して、残念だけどようやく心の整理がつきましたという人がいました。未だに行方不明として、死んでいるという確信が得られずに、宙ぶらりんという人たちが、家族の帰りを待つ人が何千人とおられるんでしょう…。

 拉致という問題が終わらずに、ずっと抱えて生きていかなきゃいけない。ずっと苦しみ続ける人たちが日本にはいます。こうしてまた一生苦しみ続ける人たちが増やされてしまうと慙愧に堪えないですね。日本という社会は、不幸とかアクシデントに極めて脆い構造。一旦何か不測の事態があったら対応できない、極めて未熟な社会となっています。一年経って忘れているなんてのは子供くらいでしょう?どこの誰が一年程度で忘れますか。そんなくだらないことを報道する暇があるなら、彼らが日常に復帰できるようなことをもっと真摯に考えるべきです。

 全ては憲法十三条にあります。国家とは国民の身体・生命・財産を守るものだと。そして民主主義というのは社会契約論、国民と政府の間の契約によって成立するものなのですから、その契約を破るような政府はもはや正当性<legitimacy>がない。そんな政府は力づくで倒して良い。これが民主主義のロジックです。※追記以上、日本人のための憲法原論/小室 直樹 痛快!憲法学 (痛快!シリーズ)/小室 直樹にあります。民主主義の基本、革命権・抵抗権という話です。中にはこんな基本を知らずにどや顔で評論かぶってるアホもいますが…。あ、もちろん裏十三条という表現は己の造語です。

 すべての政治というのは国民の福利をどうやって守るか、育むか。それを基準にしてスタートするのに、そこに「官僚」というファクターが入ってしまっている。まさに日本民主主義を腐敗される裏十三条とでも言いましょうか?上の国家とは~の部分が官僚の身体・生命・財産を守るものにねじ曲げられてしまっている。ここが日本政治の宿痾なんです。政治を考える際のキーポイントなのです。これを論じずして、一体何を論じるのか。

 より正確に表現するならば、特権階級や社会上層が完全に中層・下層を支配するのは北朝鮮やもっと腐敗構造・全体主義構造を持つ社会ですから、先に述べた裏十三条では不正確でしょう。ですから、正確には「国家とは『官僚』の身体・生命・財産を守るものであり、それを支える日本諸国民の福利・生存権自然権は最大限守られる」というところでしょうか。

 ここでいう官僚とは、官庁に携わる行政役人を指すのではなく、利権全体に携わる階層を言いますね。ですから東電や、マスコミ等資本主義・自由市場を阻害して寡占状態にもっていって支配しようとするそれら全てが含まれます。当然それらを擁護しようとする検察・裁判所も同じです。本来なら、~『官僚』の利害を侵害しない限りにおいてのみ守られる~というふうに付け加えることが適切だと思いますが、なかなかイレギュラーが起こる社会なのでそこまで断言できませんね。まあでも、仮にも民主主義を名乗る国家で裏十三条が存在する以上、終わったも同然なのでそんなことはどうでもよろしいでしょう。こまけぇことぁ!(ryですね。

 それはさておき、3.11一周年というイベントによって原発収束のメドも立っていない中脱原発や政府がまともに官僚主権国家に対峙しない状態に業を煮やして大規模なデモが起こるのは自然の理。日本人の人間の鎖のイメージといえば、台湾が中国と独立を掛けて抗議の意思表示をするそれか、あとは薬害エイズのときの厚生省を囲んだ時くらいでしょうか?

 いずれにせよ日本という国においてこれまでなかった現象ですね。せいぜい安保闘争時代のそれくらいでしょうし。国会を囲まれる。国会を封鎖されるということは政府がひっくり返る=革命・クーデターということです。それを予兆させる囲い込みが起きてしまったわけです。無論今回のそれに、そこまでする意図も実力もなかったでしょう。問題はひとつ階段を登ったということです。もっと自体が悪化すれば次なるステップは国会を3万人、5万人、10万人が囲んで…になりますから。

 この事態は当然公安など、治安担当者たちにとっては最大限集中して取り組む問題であったはずです。そこで2chというものの捜査、ガサ入れが行われたというのは無関係ではないでしょう。今回の件に関する書き込みなど相当神経使って、万一の暴発の可能性がどこまであるか、また計画的に組織されてない突発的な事件、数人がこの事態に応じてテロを行う可能性など考慮しての事だったと思いますね。2chへの捜査というのは。なんかあったら、いざというときは2chを寸断するはずだったと思いますよ

 まあいずれにせよ中国とますます見分けがつかなくなって参りました。中国化する日本です(中国化する日本 日中「文明の衝突」一千年史/與那覇 潤)これ書きたいんですけど本屋にない。まあ例のごとく貶すだけなんですけど。

 一周年を迎えて報道は天皇陛下のお言葉を都合のいいようにカットして編集したり、今回の国会包囲という戦後で言えば安保闘争に渡る事態を完全スルーしました。情報の重要性が見抜けないと言うより、もはや完全に国民の意志・行動を分断しようという事ですね。情けないというかなんというか。と言うよりもう何をしたらいいか、どう報じていいか全く検討がつかない、判断できない・考えられないのでしょう。

 この一年本当に日本という国家の現実を、無能ぶりをあますところなくさらけ出してくれました。まさにいつかきた道ですね。堕落論(堕落論 (新潮文庫)/坂口 安吾 堕落論 (280円文庫))というものがありましたが、まさに見事な堕落ぶり、この結果待っている「日本国家」の崩壊はどんな形になるでしょうかね…。