てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

消費税増税法案に不退転の決意

※書き残しておくほどのことでもない政局の話です。そのまま消しても良かったんですが、なんか結構長く書いていたので一つくらい残しておこうかと。予想が当たっていればいいのですが、当たってないんで残す価値もないんですけどね(笑)

【日本の総理大臣=アメリカ・官僚の要求を通す代償・生贄】
 まあ、言わなくても御存知の通り、不退転の決意というのは死亡フラグ、これが出来なかったら職を辞すというやつです。一番怖かったのが増税法案可決しないのに、首相を辞任せずしらっと居座り続けることでしたから、まずは一安心。無駄に時間を浪費して、野田総理W選挙まで、何日首相に在任というプライド護持と、民主党内、自民党内で政界再編したいんだけど、流れが不透明だからと行動を起こせず、時間を浪費すること。それがとりあえずは消えましたのでね。

 安倍さんの時代から、政治生命をかけるとか、不退転の決意とか、別にいちいちそんな事言わんでもいいだろうと思うんですが、結局自分の政治手腕が足りないから、辞める代わりに野党にコレ(法案)通してねーんという取引材料ということでしょうね。

 安倍さんの時は、日本国のトップがわざわざ後方支援・補給がストップする程度で辞めてしまった。まあこれほど属国という立場を説明するのに見事な政治状況はないでしょうな。アメリカ様の言うことを実行できないなら価値がないと。せめてこういう国内強硬派を鎮圧するために沖縄の問題を解決してくだせぇ―といっておけば印象は全く違ったでしょうねぇ…。

 おじいさんが安保成立の引き換えに辞任したのと比べてさらにスケールが小さくなっているのはどういうことなんでしょうか?

 日本の属国という構造を考えると、国内の反属国主義者の声を相殺するというわかりやすい図式ですね、総理の辞任は。総理は属国という許せない状況を少しでも気分を抑えるための生贄です。傀儡を血祭りにあげることで本国に、属国の統治も楽ではなかろうと思い知らせてやるわけですから。

 まあ、その安倍さんは属国状況を打破するために、サンフランシスコ体制を根本から見直すようなことを言って、アメリカから激怒を買ったわけですけどね。あんまり忠実な飼い犬ではなかったことにこれまでとは違う特徴があって、時代が変わっていることを思わせますね。やろうとしていたことには賛成なんですけど、あの人はコネも能力も足らないと思うんですよね。*1

 まあそんなことはさておき、野党の反対=国会審議の停滞というわかりやすい図式があったこと。これで総理がやめれば、代償に法案が通るという図式があったことです。伝統的な国会政局として総理の辞任&問題解決の図式が、今はもう成り立たなくなりました。

【自民と民主に政策の違いなし、違いなき与野党対立?】
 今回の消費税増税法案で面白いのは与野党で根本的対立の図式がありませんからね。野田さんが辞任して首を差し出して、じゃあ法案が通るかといえば、そういう図式でない。三分の二という手段も小沢派が間違いなく反対するでしょうし、もう先は見えない。しかも自民党増税賛成なのに、国会においては賛同しないという意味不明な対応を取っています。せめて解散後民意を問うてからなら賛成すると言わなければおかしいでしょう。与党も野党も筋が通らない事を国会で言う。これのどこが立憲政治・議会政治なんでしょうかね?

【誰になってもおんなじ金太郎飴状態自民】
 自民は麻生時代に消費税将来的に10%以上とか、たわけたことを法案化してしまったくらいですからね。今の野田政権は麻生政権とそっくりですね。官僚の言いなりの代わりに何か法案を作ってもらおうという官僚ポチ犬政治。

 次期総裁候補、石破・石原・町村あとだれだっけな?まあいいや、そこらへん全部増税賛成ですからね。自民党は9月には間違いなく党首変わるでしょう。だったら初めから河野のように立候補しておけ。火中の栗を拾う覚悟がない政治家は資格がありません。順番で物事を進めるのは官僚的定例昇進人事。そんなんで生まれ変わったなんて誰も信じませんよ。そうじゃなかったら民主党なんて誰も選択しなかったんですからね。

 今の自民党を見て、よっしゃこれで次に期待できる!なんて誰も思わない。一体誰が自民に票を入れるというのか?代えるとしても資格があるのは前回立候補した河野ともう一人だけですよ。そして谷垣と政策が違わない人間を総理に立てて一体何の意味があるのか?完全に内輪の事情だけでやっている。民主党と変わらない。本当に恥ずかしいですね。

 自民が完全に誤解しているのが、民主を叩いて政権から引き釣り下ろせば自民に政権が返ってくる!それこそ政治!と誤解していることです。国民からすれば自民も民主も同じ穴の狢なんですから。期待が持てない以上、自民に投票することはない。受け皿になりえない。舛添さんが言ったとおり、もはや役割は終わった。死んだ政党に意味はないです。行動が本当に遅いですね。さっさと離党して新党作って次に備えるのが普通でしょう。

 谷垣=野田会談が勝財務事務次官の仲介で行われていました。結局財務省OB・閥の支配下・主導下のそれかと思ったら、結構OB連は強引すぎるやり方に懸念を覚えているといいます。「大蔵省元老院」なんて表現は最適ですね。この元老院はこれはうまく行かないんじゃないか?引き返したほうがいいと見ているようですね。政策を進めるのはもっと丁寧に時間をかけろと。こんな強引では失敗するぞという声が上がっていると。なるほどね。大連立後待っているのは、分裂で親財務省(党・連合)と反財務省(党・連合)という図式ですからね。

【実は増税法案は既存プランより改善されている】
 権力は頂点に登りつめれば、そのあとは崩壊が待っている。大蔵省解体後、再び頂点に上り詰め、待っているのは崩壊っていう予感はしますね。あんまり注目されていませんけど、今の民主党・野田増税案というのは、これまでのものより内容が改善されているんですよね。消費税増税10%で、①将来的な増税はなし。そして②歳入庁の設置、③景気条項(状況に応じて消費税増税分をストップする)と、自民時代のそれよりはるかに改善されています。

 この一点だけとっても、自民よりははるかに財務省との交渉能力があるってことですから、本当に自民党いらない子ですよね。自民党が今増税協力を拒んでいるのは公約を守れ!民意を問え!という大義名分があって非の打ち所がありませんが、その裏には自分たちが財務省の言いなりで交渉能力のかけらもないということをバラされたくないからかもしれません。なにが官僚は使いこなすものだ、本当に呆れますね。てめえ言いなりになってただけじゃねぇか!民主党のバラマキと自民は非難しながら、前者は国民へのバラマキという性質があった。後者のそれは官僚・利権団体へのバラマキですからね。お前が言うなの典型例です。

 歳入庁の設置は財務省の権限を弱める、財務省無双が変わるかもしれない重要なことです。ただ本当に内閣直属にして財務省への対抗機関となれるか…?という感じはしますけどね。景気条項もこれやったら、実質上増税できませんの免罪符になるので何としても撤回させたいところ。馬淵さんがブログで財務省が暗躍していて呆れるといってましたが、本当ですね。

 さて、「不退転の決意」の話ですが、そんなことを言っても成立する目処は立たない。党内造反に野党の賛同は、防衛省の問責決議に見るように協力が得られる余地はない。結局辞任するだけでは?

【前原総理で解散総選挙?】
 考えられるのは副総理岡田で、まず増税の共犯者・政権責任者がいますから、彼は役職上次のリーダーはない。今の増税主導者は党内で件の強引採決、反対を一掃して無理やりまとめた前原。ということは小沢派を抜きにした旧民主党で解散前の新党首=選挙の顔を作っての総選挙でしょう。もう一回総裁選びやっても小沢派は負けるでしょうからね。ポロポロ離党して票減ってますし。

 造反離党→再編総選挙で自民党と大連立or合併で親財務省政党の誕生。自民も中川さんとか出ていくでしょうけど十分政権は担えると。そういうわかりやすい図式=政界再編が起こるとするのが一般的ですが、石原新党も不透明ですし、橋下維新=みんな渡辺=小沢連合も目処が立っていない。結局こういう勝負カードを切れそうな感がないんですよね。

 政界再編よりかは前原総理で選挙で少しでも議席減を防いで、自民を追い込んでその上での合体、主導権を握れるそれってほうが有りそうな気がしますけどね。谷垣自体は合併・大連立納得しても党内大物全員納得はしないでしょう。勝さん一人で自民の幹部全員説得できるとも思えませんしね。

 自由党民主党の合併でもすったもんだしたように、自民党民主党のそれがすんなり行くとは到底思えないんですよね。まずそういったことをおおっぴらに会議したりできないですし。党内で弱腰だ!って言われるから大連立して参加せよ!なんて言えないでしょう。満洲徹兵みたいなもんですね。

【勝負できない・決断できない政治家の末路】
 これまでの政治家の特徴として、勝負ができない。できるのは小沢くらいでしょう。橋下・渡辺も選挙や離党新党とか行動・旗幟鮮明っていう特徴があります。野田さんはそういう筋がない・勝負できない政治家という気がするので、結局なんにも出来ずに普通に解散もせず、増税も可決せずで、結局この人なんだったの?という感じで辞任するだけでは無いですかね?菅さんみたいに。*2

 追い込まれ解散ならぬ、追い込まれ辞任。つまりは貴重な時間を虚しく浪費しただけで終わりでは無いですかね?しかしやっぱり野党で経験がないというか政治というものをわかっていないというか…。北朝鮮を利用して強行対応で自民と協力とか政局打破の緒を安保に見出せばいいのに…。8.15まで増税もせず、解散もせず、のんべんだらりとし続けて、靖国参拝で一気に政界再編に乗り出すプランってなのを以前ブログでチラッと書きましたけど。そういう発想はないんですかね?彼には?不思議でしょうがない。

 こういうところも官僚言いなりで無能って感じを思わせますなぁ。なんにもできないで座して死ぬんじゃないですかね?福田さん以来の典型的な調停型政治家の末路ですね。時局に任せてダメだったら、ハイそれまでよと座して死ぬ。小泉のように勝負できない政治家というのはまず生きのこれませんからね。*3

【大連立余談】
 岡田大連立打診があってやはりまとめられない。しかし結局次の衆院参院選でもねじれ、両院抑える安定政権の構造は見えませんから、再編は必ず起こりますからね。今のうちにいい顔しなくていいんですかね?自民は。政権取れても民主の協力なければおんなじことになりますよ。まあ大連立が不可能ということになって、参院は審議拒否戦術は以後行わないというような慣例が作られていくかもしれませんね。

 しかしそういった国会内での法案成立のための慣例づくりでなく、大連立ってのは結局皆で談合しようってことでしょう?国会内での法案成立能力無くして、党内・うちわで簡単に話し合って作りたいという。せめて参院廃止に持っていくべきでしょう。真剣に憲政政治を考えるのなら、衆院1000人でも構わないから参院廃止にしないと同じこと何回も繰り返しますよ。

 今回ナベツネはどうしているんでしょうね?また社説にでも大連立・増税論書くんですかな?小沢さんが新政研というものを立ち上げましたが、どうですかね?小沢グループの次の戦略は本当に描けているのかなぁ…。やっぱり真っ先に原発対応をもってきてますね。

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不退転の血意

*1:後にコネは十分、しかし能力以前に意図が間違っている事がわかりますが、それはずいぶん時間が経ってからの話。まさか憲法改正でより属国体制を強化しようなんてことをするとは夢にも思っていませんでしたね。当時は

*2:―と予想したのに、意外に勝負に打って出ましたね。まあ、自爆テロ解散で小沢派と自民を敵に回して、敵を余分に増やして二正面作戦を実行して華々しく散るという愚行に出たのでね。こんな暴挙一体誰が予想できるかってもんです。考えうる限り最低最悪の選択をしたというところではないでしょうか?こんな選択誰がするのかという選択をしてくれたので予想なんか出来るはずありません(笑)

*3:勝負しない政治家は論外だと書いていますが、彼の場合は勝負ではなく自爆という選択肢だから更に最低最悪ですね。利害調整で調停して座して死ぬほうがまだ何倍もマシですね