てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

全訳後漢書の志

公開するって言っといて忘れていた後漢書の志のやつです。

面白かった、日食の際の儀式。これ何ページだったか?8か20くらいか?忘れてしまったが。丸写し。

劉昭注

 『春秋公羊伝』(荘公二十五年六月の条)には、「日食がおこった場合は、鼓をならし、犠牲を社に供えて、(立ち上る)陰の気を抑制する。朱色の糸で社の周りを取り囲むことを、『脅之』あるいは『爲闇』と呼ぶ。余人が社を侵犯することを警戒し、特に社を封鎖するのである」と記している。何休(の『春秋公羊伝解詁』荘公二十五年六月の条)は、『脅之』は『責求』と同じ意味である。社は、土地をつかさどるものである。月は、土地の神霊である。(土地の持つ陰の気が)立ち上つて天へ至り太陽を侵犯しようとした場合、ことさらに鼓をうち鳴らしてこれを抑圧し、その本を脅かすのである。朱色の糸を使い社を封鎖するのは、陽の気を助長し陰の気を抑制しようとするからである。「あるいは『爲闇』と呼ぶ」とは、祗は土地をつかさどる尊貴なものではあるが、(社が陰気を助長するため)陽光は降りそそがず、天は暗闇に没してしまう、という状態を指したものである。余人が社を踏み荒らすことを警戒し、とくに封鎖するのだ、とも言われている。しかしながらこの説明は誤りである。まず始めに『鼓をうつ』と述べ、そののち『犠牲を捧げる』と続けるその真意とは、明白にまず(社という)尊貴なものの威力をかりて日食を取り鎮め、そののち(感謝の意を表して)臣子の礼で(社を)おまつりすることであり、(そう理解してこそ)道理に適うというものである」としている。『白虎通』(巷四災變)には、日食がおこり(それを)抑制しようとするのは、陰の気が陽の気を侵食しているからである。鼓をうち鳴らして(陰の気を)抑圧するのは、(鼓の音という)陽の気が陰の気を押しとどめるためである。ゆえに『春秋』には、『日食がおこった場合は、鼓をならし、犠牲を祀に供える』と記している。必ず犠牲を供える理由は、社は土地(の陰の気)が別の形で顕現したものであるので、これを敬い、あえていたずらに責めたてないからである。日食や洪水がおこったならば鼓をうち、犠牲を供え、早害がおこったならば雨乞いの儀式を執り行って降水を願うということは、実のない言葉ではないのである。陽の気を助長し下(地)を取り鎮めようとするのは、陰の気が旺盛となることを抑制しようとするからなのである」と記している。『決疑要注』には、「およそ日食を押しとどめようする際、みな(陽の気の象徴である)赤いずきんを着け、陽の気を助長しようとするのである。日食がまさにおころうとした際、天子は白い着物をきて正殿から遠ざかり、(宮殿の)内外は静粛を保つ。太陽に変化があらわれたならば、太鼓を打ち鳴らし、(その)音が聞こえるやいなや侍臣は赤いずきんを着け、剣を帯びて(天子の御座所に)入室して護衛し、三臺令史以上はみな剣を持って室の入り口の前に佇立し、衛尉卿は駆け足で宮殿をめぐり、警護の程を見定め、一周したならば復た同じことを繰り返す。太陽が常態にもどつたならば、(上記のような日食を鎮めるための配置は)解除される」と記している。

全訳後漢書〈第3冊〉志1自巻一至巻三・律暦/范 曄

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p7、蘭台から東観に中心が移行する。明帝→和・安帝になり、今文から古文に移る。図讖の排除と合理的解釈。初期の光武帝正統化ゆえの非合理が必要なくなっていったということだろう。また姜乱との関係が何かありか?戦乱・新しい危機ゆえの合理的対処法。

 初平・永嘉に洛陽が焼き払われ、長安・平陽に。文章管理?都合の悪い隠滅か?董卓の洛陽での文章喪失と謝沈・袁山松の否定。洛陽の消失ということにまた違う意味合いがあるようなきがするなぁ。ここまで何度も続くと。

p22、律歴思想=2つを一体として考える思想。「三統暦」班固絶賛(音律・天文・暦の一体化)しかしこれも後漢時代になると衰退。「律暦志」という構成にはなっていても、かのような相関性を重視してはいない。蔡邕による図讖=暦象の否定より。

p40、黄帝が鳳凰の鳳の鳴き声から十二律を定めた。世の中が治まっていると風気が定まり、十二律が明確に定まる。

p62、王の食事は四時、春夏秋冬に応じたご満たす応じた音楽。風俗を改めるには音楽を聴かせるべし。

p68、候気の法=占い。密閉された部屋にそれぞれの役割の灰がある。それが氣に感応して動くというモノ。

p72、明帝の時永平12年(69年)に予想が外れ、後漢四分暦。それでも計算は絶対ではない。人心の不安につながるため、なんとかして定めたいというものがあっただろう。

p73、暦を劉邦も一事項羽下の楚暦を使っていた。対抗上秦暦を採用して、武帝で太初暦、受命改正思想、革命で正朔を制定せねばならない(当時正確な計算ができないから、誤差がある。その都度計算して暦が問題になる。天候の動き(日食など)、その計算はこの世とリンクしているから問題意識は高い)。三統暦で儒教の教学に組み込まれた。

p86、玄和改暦、緯書・火徳で堯の末裔。堯よろしく一度禅譲そして復活という意味合い(袁紹にこの影響はあるのだろうか?暦の影響、孟子易とか、でも応劭とか蔡邕に緯書とかないしな)。三百年斗歴は意を改む。実際は百九十年で改暦した。

p106、杜預の春秋左氏、長暦の改変はこの発想。

p108、日食のとき、天子が社で太鼓を叩き犠牲を捧げる。日食は陰陽を侵すという発想。

p116、誤差に対するための九道術。しかし効果上げられずと。

p124、中謁者、宮廷文章・詔勅を司る。宦官から成帝のとき士人へ(同じく宦官のそれが士人に解放されるべきという認識が後漢末にもあったか?)。

p137、喜平4年=175、暦が正しくないから反乱が起こる。反乱も緯書に基づいて庚中が正しいからという主張。

p145、蔡邕が図讖を重視しなかったのは確か。その図讖を認めてたかあんまり関係ない。何に時代の理念、学の基を見出したかがポイント。観測重視でそれはない=直接の相関性はないと否定しただけかな?

p146、劉洪ー東観、四分暦より正確な乾象暦、孫呉で採用。

p167、漢魏革命は堯舜革命を根拠とし、曹操は四分暦を受け継いだ。

p192、やっぱりインド天文の影響、四分歴からか?もっと前からあり?

全訳後漢書〈第4冊〉志(2) 自巻四至巻六・禮儀/范 曄

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礼儀志

p12、天を父、地を母、火を兄、月を姉、後漢の拝日儀礼未熟ということは唐では太陽の地位が高くなったのか?

p13、蠟(月偏)祭ー衰えた太陽を復活させようとするもの。四時祭を宗廟で行う。太陽の弱さが問題、日照りはその逆。太陽・雨のコントロールという役割はとても大きかっただろう。単純に道教はこれか。

p30、斎ー物忌。際し前に外物とのつながりを立ち心身を清め整え、心霊と交わる。

p32、辟召→掾属→高弟→侍御史は100%?服・冠を加えるごとにランクアップという発想かな?

p50、燔祭ー天に祈りを煙で伝える。祭酒博士が年長者で統括。

p54、夕牲ー宗廟に対する敬意から皇帝が行う。有司の代行もない。西晋の孝の強調。

p84、養老ー公の延長、三老の尊敬。父になぞらえる。

p87、孔子廟祭祀。元帝、子孫に食邑を与え、祀らせる。後漢で「釋?」漢字でて来ないわからん。光武帝以後大司空に孔子を祀らせたり(2年)、明帝孔子宅で72人の弟子を祭り、皇太子諸王に経を説かせる(72年)。章帝自ら「太宰」孔子宗族の顕彰。安定124年を最後に途絶える。国家モデルの転換のためだったが、戦乱によって中止・無意味化したということかな。魯へ幸すことに何か意味があったのかな?桓帝は百関の率吏を置く。光武帝は魯に行っても親祭はしていない。明帝・章帝・安帝の三人だけ。何故か?光武帝は神格化の意図はなかったが、以後の三人にはあったということか?

p92、先蚕(サン漢字は蚕を2つ合わせた感じ、こんなんでてこんわ(^ ^;))ー皇后以下の養蚕儀礼

p97、祓禊(ふっかい)3月上旬巳の日に伊水・洛水などで百官・庶民がみそぎをする。この日に何十万人も首都から人が動くのか?全員じゃないにせよ、数万人単位にはなるわな。曹魏は三日の水宴をしない。逆に言うと、この日にする祭りがあったわけで、黄巾はこれで隙が生まれるのを狙ったのか?

p142、案戸―戸籍調査、八月。70以上で杖と粥、杖の先に鳩。喉を詰まらせないことを意味する。九月末度末は秦が十月を歳首としたから。人頭税算賦も都試も刺史の郡国巡行も八月に行われる。

p176、衛士―一年宮城の任務について還る民をもてなす儀。衛司馬、侍御史、音楽、角力、宴。衛士と里を皇帝と結びつける儀。衛士がどれくらいの規模か、軍事訓練の意味合いがあるんじゃないか?手順を知る知らないじゃ組織化のそれがまるで異なる。

 

全然関係ないですけど、へぇ~、困難あるんだと思ったので貼っときます。西京雑記あるんだ。いつか読めるかなぁ。すぐ忘れそう(^ ^;)。

 
国宝 後漢書 (1) (古典研究会叢書 漢籍之部29)/范 曄

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訳注 西京雑記・独断/著者不明

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