てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

参謀―落合監督を支えた右腕の「見守る力」

参謀―落合監督を支えた右腕の「見守る力」/講談社

¥1,470 Amazon.co.jp
気になったところの抜き書き。

 p4,ホークスには西武黄金期時代のいいところが受け継がれている。抜けた選手の穴を埋めようとギラギラしている。練習でベテラン若手関係なく声を掛け合うのが特徴。

 p6、ドラ一高橋周平・西川健太郎は楽しみ。

 p26、例の山井の日本シリーズ完全試合秘話から始まってますね。ようつべとかの落合・森対談の動画で説明されてましたから、いちいち書きませんけど、もし山井が行きたいって言ってたら行かせたよ。ああ、その言葉が聞きたかったんですというやり取りはいいですねぇ。

 p42、怖いというのは伝聞だけ、PPというポールランニングがあって、殴りながら投手にPPをさせたという逸話があった。もちろんそんなコトしていないデニー・西口経由で話が盛られただけ。しかしそれに近いことはあったと書いてます(^ ^;)。じゃあやってるんじゃないか?(笑)。

 p45、自分の怖いというイメージを利用はした。親・兄貴変わりになってしっかり選手の面倒を見てやれば、それに付き従う選手が一人や二人は出てくる。そういう人間が出てくれば、あとはそいつらが教えてくれる。まあ、取り巻き・派閥と紙一重ですが、ダメならそう言われて、成功すれば腹心というのは世の常ですね。

 p47、やっぱり強い球団ってのは根本さんの影響がありますよね。ファイターズくらいですよね、そうじゃないのは。まあ野村スワローズに、川上ジャイアンツがありましたけど。根本さんが落合さんに、おい森ってのがいるだろう。あいつ面白いぞ、お前なんかああいうのが合うだろう。将来きっと一緒にやることになるぞと言っていたってのがいいですね。

 p58、開幕川崎指名というので、ベテランを勝たせようというチームの一体感が生まれた。おそらく、高木監督の山本昌指名も同じ効果を期待したのだろう。

 p59、監督は初戦にいきなり奇襲をする。こうすることで相手が何をやってくるかわからないと疑心暗鬼になる。私は初戦でそれをやると最悪三連敗があるので、怖くてできなかった。やるなら二戦目だった。奇襲が効果的なのはそれをこなせる先発投手の頭数に、ロングリリーフをこなせる投手がどれだけいるかで決まる=投手力

 p60、豊富な投手陣が揃うことで長いシーズンを戦える。落合中日の強さの秘密はこの投手力にありましたからね。30人を常に60~70%の状態にしておき、3回を3点に抑えられる投手を整備しておく。普通投手は12人枠、これを一人増やして13人にする。一軍のマウンドを必ず経験させ、一・二軍の壁をなくす。シーズンを優勝するためにはいかに5勝できるピッチャーが揃っているか。

 開幕川崎で投手陣整備システムをはっきり決めることができたし、去年調子のよくなかった川上を三戦目で登板させられ、その試合で勝つことで一年波にのることができた。奇襲による幻惑効果・投手陣整備・川上復活という効果があったとみていますね。

 p70、強制で練習をやっていたのは1,2年目まで。あとは選手が勝手に効果的なメニューを考えてやるようになった。野手が六勤で練習しているのに投手が練習しない訳にはいかない。俺たちが練習しているのに投手は何だ!ということになると、そういう小さなことからチームが崩壊する。西武時代の玄米・自然食で監督とかが好き勝手なものを食っていたということから不満があった、そんな些細なことからチームにヒビが入るということを書いてますし、森さんの信条は自主性と公平だということがわかりますね。

 p73、きつい守備練習を自分から進んでやる人間はいないが、ベテランになるほど自分からやる。そうしないと一年持たないことを経験で知っているから。根本さんもコーチの仕事とは見守ることと言っていた。

 p74、一・二軍同時キャンプでブルペンが4つじゃ足りないから10に増やした。当然キャッチャーが足りない。通訳にキャッチャー経験者を入れて通訳兼捕手とした。10人並ぶと壮観。投手たちが競い合って独りでに育つ。個人的には週六キャンプより、こっちの一・二軍同時キャンプ&ブルペン10人の方が重要な気がしますが、これを真似ているチームはどれくらいあるのかしらん?

 p78、二桁勝利投手が5人しっかりいて優勝するより、二人しかいないが外国人や新人が何人も7・8勝して優勝するパターンという方が多い。だからそういう投手を増やすことを主眼に置く。

 p81、組織づくりの3つ。①トレーニングコーチの重要性。ハム出身の勝崎耕世トレーナーは頼りになった。なかなか若手は痛いとか違和感とか言い出さない。マッサージの最中のちょっとした漏らすことを必ず報告させた。選手の体調を徹底して管理すること。②一・二軍の情報共有、必ず一度は一軍にあげて投げさせた。やりくりの都合で上げてすぐ落とすと選手は自信を失って考えこんでだめになるというケースを何度も見た。そういう事のないように一・二軍のコーチを旧知で固めてきっちり情報共有をやった。西武黄金時代スタイルの踏襲。③キャンプだけではない、シーズン通しての練習。キャンプ一ヶ月くらいでシーズン戦える体力はつかない。6月までやらないと一年通して戦える力はつかない。意外に指摘されないとありますが、己も指摘されるまで知りませんでした。そりゃそうですわな。6月どころか、一年間ずっと練習してるんだからそりゃ強いですよ。広島なんかよく練習しているといいますが、練習の質はどうなんでしょうか?守備力見ると中日とそんなにさがつくはずが無いですから、質が高くないような気がしますが…。

 p86、力の入れ方・抜き方のコツ。走ることができるのに泳がせたらつかれるというのは泳ぐときの力の抜き方のコツを知らないから。同じように投げるコツが必要。そのコツは自分でつかむしか無い。すぐ育てようとしない。投手を育てるのには一年では無理、じっくり時間をかけるべし。

 p91、投げるだけなら素晴らしい投手はいくらでもいる。暴投・エラー・連携ミスは必ず失点につながる。そういうつまらないミスから崩れることほどもったいないことはないから、必ずフィールディング処理を徹底しておくこと。特に後ろで投げる投手はそれが重要。

 浅尾の話に吉見の話は、見てきたコーチからして、自分で判断できるようになった。成長したのが嬉しいんでしょうなぁ~。読んでてひしひし感じますね。

 p100、ドミニカにわたって、たまたま出会った西武・巨人のマルちゃんをつてに選手を発掘していくのは凄いですなぁ。選手の決め手は人間性。高い目標を持って成功してやろうという気持ちがあるかどうか。自分の目で直に見てきて選手を取ってくるという点をどこかの某球団に聞かせてやりたい話ですね。

 p108、よく外国人の選手から信頼される・慕われるというのは、渡米して手術・リハビリ経験があるから。異国の地で過ごす辛さを知っているから面倒見の重要性がわかる。まあ、そういうところでしょうね。中日の強さというか、外国人選手との壁のなさという点。

 p118、基本は投手の先発、継投を決めていたが、時に監督の打者目線から相手の嫌がることは何かという視点から決めることもあった。そしてそれはよくあたった。

 p120、クライマックスで阪神相手に川上・中田で連勝。次ぎはシーズン終盤調子をあげていた山井というのが大方の予想。しかしいい左打者が揃っている巨人相手に左腕小笠原をぶつけて勝利。めくらましにその前のクライマックス・阪神戦に投げさせて調子を見て、イケると判断して巨人戦にぶつけさせた。

 p124、監督がマウンドに行くのは調子が落ちそうなとき打たれたら責任は俺にあるんだから~と一声かけて落ち着かせに行く。最初のうちはイニングの途中で交代するときは監督が行くことになっていた。ところがこんな仕事もういや(笑)。お前が決めてるならお前やれと。ふがいない投手の内容に怒ってる間に、監督が続投でいいのだろうとトコトコ出ていってしまったことがあって、反省して以後替えない時監督が行くことで落ち着いた。

 p128、監督は退場劇でチームを鼓舞するという戦略はやらない。審判への敬意をはらっているために侮辱につながると考えているから。退場するときは負けゲームだけ。この試合は負けるなとわかっている時だけ抗議して退場になる。

 p129、普段は短期で感情的な人、しかし一旦試合が始まれば大仏のようにどっしりして動かない。敵に悟られるのを嫌うから。情報漏洩は絶対許さない。トレードなどで事前に情報が漏れたらそれだけでおじゃんになって、後始末の調停などで面倒な事がある。そうなれば当然チーム作りに支障をきたす。中日OBは当然親会社とのコネがあって、ここだけの話と漏らしやすいから排除されていった。

 p137、岩瀬の調子が悪い時はこっそり帰していた。それでも相手に岩瀬がいないと悟られることはなかったはず。相手の対応が要るといないでは大違いだから。

 p144、アライバのコンバートは井端の衰え、守備範囲が狭くなったから。いずれはショートに新人(高橋か?)か外国人、セカンド荒木・サード井端のため。ショート経験がセカンド荒木に生きてくると見越したもの。今ショート井端やってますが、大丈夫なのか…?守備範囲が狭くなってるんじゃないのか?

 p148、一番つらかったシーズンは2011の吉見・チェンが開幕間に合わなかった時。ヤクルトじゃなかったら追いつくのは難しかったかも。

 p156、巨人は戦い易かった。一発の怖さはあってもいやらしく繋ぐことがないから。すごいメンバー・ホームランバッターばかりで固定され、代打という選択肢がないから先発が5・6回繋げばよしと割り切れる。能力が高くとも、チームとしての選択肢・戦術の幅が非常に小さいということですね。逆に言うと、表面上のデーター、能力からそんなに大したことがないチームであっても、選択肢・戦術の幅が大きければさほど問題にはならないということですね。もちろんベイみたいに能力が足りなすぎればどうにもならないでしょうけども。

 必ず誰か故障する。チームに内輪もめさせることが必要。気持ちよくやらせてはダメ。あれだけいると誰かが必ず犠牲になる。これが故障しても代わりの選手がいる。その選手のヤル気を保つことをコーチ・フロント考えていないとだめになる。現在は小笠原が二軍塩漬けですが…どうでしょう

 p162、監督の観察力の確かさ。打撃コーチにこれができていないから練習させとけと言っても、効果が上がっていなければ同じ。本当に細かいところによく気づく。というか違いや違和感に気づく能力が人一倍高いんでしょうな~。落合さんは絵として記憶するみたいな瞬間記憶能力的なことを言ってましたしね。

 p163、監督が来ると走らされるから、投手陣に嫌がられる(笑)。また監督来ましたよ!森さん行かないで!とのこと。

 p166、人は宝。コーチの給料は高くあるべし。そうじゃないとコーチが選手に対して不満を持ったり、評価の源泉である監督の顔色をうかがうだけの組織になる。

 p173、成功する選手とは孤独な時間を過ごせること。自分が何をすべきか自分で考えられる選手でなければ大成はしない。

 p179、日ハム時代の経験からうるさいくらい元気で攻撃的という選手は意外と不利になると脆い、シュンとなることがある。そういう選手は情報を教えてやって不安をなくしておくといい結果を残す。うーん、今の鷹のような元気のチームもこれがあるのかもしれないなぁ…。空元気のマイナス面ってのがあるかもしれん…

 p184、和田の不調の時は石嶺コーチも一緒に二軍。それはコーチと一緒にフォームを作り上げてきたから。目の不調で改造するなら当然同じようにまた二人で作り上げる必要がある。思うにコーチがしっかり担当できないならコーチの意味がなく、よくある監督の直接指導なんていうのはダメ組織、やってはいけないことの典型じゃないですかね?コーチが教えられてないわけですからね。和田は捕手経験があるから、キャッチャー二人体制でも万一の時は和田がいるから、なんとかなった。同様に、もし落合=森コンビが再び指揮をとる時谷繁のようなコーチがいることが重要になりますから、それはどうなるんでしょうね~。また和田のような捕手経験者も重要でしょうしね。やっぱり最後の方に組織としての一体感、意思疎通ができていてコーチ・監督によって言うことがバラけないことの重要性は書いてありますしね。

 今のメジャー選手でイチローのように一人でも練習できていないから失敗するはうーん、やっぱりそうなのか~となる言葉ですねぇ。一流でも自分の練習をしっかり考えて実行できる選手は少ないんですねぇ。