未来の党分党について―意味不明な嘉田叩き
■未来の党分裂はマイナスではない
未来の党が分裂しました。嘉田氏いわく「兼職禁止求めた県議会の意見を重く受け止める」とのことです。 まあ、分党っていうか「全国政党の代表と知事の兼務禁止」を求めた滋賀県議会の決議で議会が動かなくなる以上、むしろ必然的な気がしますね。分派・分党に関しては全くマイナスイメージがない。というか、嘉田の裏切り者！的な感想は全くないんですけど、なんで手のひらクルッ！で、なんJ民みたいに叩いてるひとがいるんですかね？参院とかまた次の衆院選で嘉田さんと共闘することなんかいくらでもあるのに。よくわからんなぁ…。勝った負けたは兵家の常だしょ。
■嘉田氏の政治キャリアの浅さ＝稚拙なマネジメント(あるいはワザと？)
確かに全国政党を動かす拙さというのが嘉田氏にはありました。これは県知事がワンマンで済む、強力な権限を持ってるがゆえにそこまでマネジメントに拘る必要がないという性格、経験から来ているのでしょう。だから何でもかんでも自分主導で動かせると勘違いをした。もしくはもう失敗してしまったから早い所収拾したい、終わらせたいから、あえて無茶振りで物事を進めて分裂させようとしたのかも？
■新「未来の党」は滅んだ社民を吸収し、生活党の友軍になる
それはさておき、嘉田氏の新「未来の党」は社民系の阿部氏を比例復活で再生させる＝今後の社民吸収という役割を果たしました。野党であればいい＝政治家でありさえすればいいという日本政治史にとってご迷惑な存在を滅ぼしてくれる＆リサイクルしてまともな野党に作り変えることになるでしょうから、分派して正解でしょう。野党として時には協力して必要な法案を作るということが出来るというまともなものになってもらわないと困りますから。
社民を吸収合併した場合、多少は勢力が大きくなっても、変な色のついた支持団体もついてきてしまうので、なるべく一緒にはなりたくない存在です。民主党が長年政権を取れなかったのも社会党系の変な色を警戒されたことにあるわけですしね。未来の党のままで行ったら、ああやっぱりそういう色合いが強いんだなとなってしまって、無党派の支持が得られませんからね。Nステの党首討論会で尖閣など領土問題・憲法改正がテーマになって話していた時、嘉田さんは旧来の護憲主張のままで、弱いという感じがしました。領土というのが一つの争点になっている時、これはマイナスポイントになるかもしれないなぁと思いました。
今後は外交・安保が間違いなく一つのポイントになってくる。その時にこれまでと同じような護憲一辺倒主張の政党は通用しなくなってくる。これは間違いないでしょうね。自由党時代のような改憲・安保もしっかり全面に押し出したものだったらまた違ったかもしれません(まあ増えたとしても百万票くらいだったでしょうけどね)。いずれにせよ小沢氏が想定するオリーブ連合のようなスタイルになって政権、安保で喫緊の事態になったとき、政権枠組みを変えたりしなくてはならなくなりますから、安保で差異がある以上、一緒の政党で今後も進めていくのはかなり難しいので離れて別々にやったほうがいいでしょう。そして政権協議でその時時に応じて調整する形で行くべきですね。
繰り返しますが、社民党の意義はもはや完全に失われて、すがりつくとしたら環境問題しかない。緑の党だったりそういう方向に転換していくしかない。その最初の受け皿として社民党系を吸収する嘉田「未来の党」は一定の役割を果たすと思います。
■選挙互助会は負ければ離散するもの
今回の選挙は小沢系、亀井系、減税系またみどりの風といった三～四勢力が選挙直前になって合流するという選挙互助会のような意味合いが非常に強い政党でした。
勝てば官軍負ければ賊軍―この言葉通り、大敗した以上ばらばらになるのは当然ですね。殆どが小沢系であり、亀井・河村と言った勢力は元々石原、維新という別のパートナーとの合流を想定していたように勝って大義名分を得られなければ、当然割れますね。無論、選挙前に再び合流する可能性はあるでしょうけどね。第一志望は勝てそうな維新・みんな系の分裂待ちということになるのでしょう。東維新と西維新での分裂が噂されるように割れる可能性がありますからね。
■敗戦後の事態収拾のまずさ
http://t.co/u7U1QDVP これを見て、小沢氏の今回の敗北はいくらでも挽回が効くと思うが、部下は何人いても盟友は何人いるだろうか？この点が気になった。これまでは羽田という盟友がいた。しかし今は…。
自民や民主系の非難はこれまでもいくらもあって、あ～あまた僻んでるよという戯言でしかありませんでしたが、「肝心なときに雲隠れするいつもの癖がまた出たよ」―この言葉を聞いたときに、否定することが出来ませんでした。
いくらなんでも党内人事でもめているときに、トップの小沢本人がどう考えているのか、どこで何をしているか分からないはまずいでしょう。割れるにせよ、割れないにせよ、党内で問題が起こった時に連絡がつかない、トップが何をどう考えているかわからないというのはマネジメントとして最低最悪だと思います。小沢を要職につけろ―！みたいな声も素人はだまって見てろとしか思いませんでしたが、肝心の本人がそういう混乱を引き起こす前に意志をはっきり示しておくこと、これが出来ないのは大問題だと感じましたね。
予想のついた敗戦である以上、動揺することなく「勝負は次の参院選だ！」「嘉田さんとは話し合いで円満分党にすることにした」と本人がスパっと説明してくれればこんな不安は感じませんでしたけどね。トップがどっしりしていないと組織はガタガタになります。こういうところが今まで部下たちの離反を招いた理由でしょうね…。
■政党、人物動向
亀井静香氏ら みどりの風に合流へNHKニュース http://t.co/d85uvyxn まあどう見ても環境問題を訴える緑の党系の人物じゃないですけどね(笑)。7月まで選挙資金を得るための腰掛けですね。大地の平山さんも合流と。しかし平山さんは前も党変わってなかったっけ？イメージ悪すぎやしませんかね？
国民新党も参院選戦えないと1月にも解党する方針だそうです。郵政も目処が付いてやる必要もなくなりましたからね。まあ親分を追い出したことからこうなると思ってましたけど。これを見ても社民はなぜ解党しないのか？不思議ですね。参院で政党要件失うまで見苦しくやるつもりなのか…？
しかし小沢というダーティーブランドは凄いですね。解党話で亀井さんのみどりの風合流だったり、国民新党の解党だったり、社民党の非解党などそういった話全部スルーでそっちに注目・非難が集まるんですからね。ちょっとは小沢さんに感謝しましょうね。ε=(｡・｀ω´・｡)ﾌﾟﾝｽｺ
あと柿沢さんのこんなツイート見ました＞RTそれにしても未来の党は酷すぎる。聞こえてくるのは徹頭徹尾カネの話ばかり。未来から小沢氏ら15人が抜けて分党の筈が土壇場で嘉田代表と阿部知子氏の方が出て行く事になったのも、「新党移行だと未来名の衆院選得票分の政党交付金の受取り額が減るから」らしい。交付金も得票自体すらも詐取同然だ。
柿沢さんこんな事言ってるけど大丈夫ですかね？小沢一派と合流。選挙協力や、仮にみんなが維新と合流するなんて話が持ち上がった時選挙資金問題が起こらないと限らない。そのとき責められますよ。あと太陽の党の政党交付金もこんなふうに責めてたのかしら？カネがかかる今の政治システムでこの感覚はナイーブ過ぎやしませんかね？個人的に他党のことを揶揄する人にはろくなイメージがないので心配ですね。
■嘉田滋賀県知事の国政転身の背景―議会での孤立、県知事再選不透明
http://t.co/nxQ06pz7 元知事武村さんと嘉田さんはなんか関係があるんですかね？飯田さんがその武村さんの秘書ね。まあ嘉田さんにして政権二期目で三期目の知事選がどうなるかわからないという背景が大きかった。んで県議会も政権交代選挙で自民大敗の余波が静まって自民系与党が多数派を占めることになってしまった。議会運営が難しくなってきたのが今回の未来の党での国政参戦ということなんでしょうけどね。
Wikiで議会事情を見ると、これまでは自民が与党で圧倒的でしたが政権交代選挙の余波を受けて議会の自民勢力が分裂していたんですね。対話でつなごう滋賀の会が躍進して、自民を過半数割れに追い込んで自民以外から初めて議長を出したということになってました。自由民主党は湖翔クラブと真政会に分裂。滋賀の会は真政会と組んで議会を運営していたけども、10年4月の議員選挙で真政会に合流する形で自民が再合流で自民系が優位にたってしまったと。一応滋賀県知事とは是々非々の立場のようですが、今回の12年衆院選で民主党大敗＆自民大勝がわかっていましたから、それを考えると議会で自民系が反嘉田を掲げて来る可能性は高い。
14年の三期目をかけた県知事選、15年の統一地方選前のPRという要素が嘉田氏には非常に強かったわけですね。ですから議会の声に配慮して兼務解消にならざるを得なくなったわけです。ちなみに議会で強い橋下さんはそんな事起こらないんでどこ吹く風ですね。河村さんも議会で減税日本が第一党なんでそういうことは気にしないで済むでしょう。
滋賀さんのように国政に参戦する県知事は今後も重要なポイントになりますが、やはり議会で独立したおらが村政党を形成できないとダメってことですね。んでこの勢力が道州制の下地になるくらい連合しないとね。このポイントは重要なので次回また話をつなげて論じると思います。ではこの辺で。
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