てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

【選挙ネタ④】 民主党は強かった+小沢一郎最大の失敗について

結構間が開いてしまいましたが、

―とかの続きの選挙ネタの話です。

 

 選挙情勢で一番重要なのは無党派層の動向。朝日の調べでは今回の選挙での無党派層の動向は維新28%、自民19%、みんな&民主14%、未来8%…。というか無党派層が公明に本当に入れるのか…?無党派層で入れるのは社民・共産以上に理解できない選択肢なのだが…。

 

 そういや公明党若手の候補者のポスターがめちゃくちゃ貼ってありました。当然己の選挙区から出馬する人で、ずいぶん早くからポスター貼って、準備してんだなぁ~と思ってたのに、己の選挙区から出ていなかったアレは何だったんだろうか?公明党内の派閥争いとか、だれかがプッシュしてるのか、一体何だったんだろうか?

 

 

民主党は強かった

 民主党は前回書いたように、比例票で900万をも獲得。①自民②維新につぐ第三位、無党派層の投票先で未来より上回ったというのも正直ビックリしましたね。分裂したし、政権交代の意義を喪失して無党派層が候補として選ばないからせいぜい公明党ぐらいの票数だろうと見ていましたが…。

 

 (※追記1この結果はマスコミが主張したマニフェストはインチキだった、財源と中の人などいない!というのが国民に受け入れられてしまったからでしょうね。結局予算の組み替えというアタリマエのことが国民に周知されずに封殺されてしまった。生活・未来の党は情報戦術で敗れたわけですね。何でもかんでも反対の都合のいい事を言っていると受け取られたために投票先として忌避された。選択肢の一つにならなかったんでしょう。)

 

 腐っても鯛といいますか、政権を担ったことでまだ無党派の中では選択肢の一つとして機能しているようですね。投票してその政党が政権を担えるか=与党になれるかどうかというのは重要なファクターです。いくらいい政党、自分の主張とマッチしていても政権に何時まで経っても政権に就けないのならば支持をしてもしょうがない。特に自民一党独裁型になりやすい日本の政治風土では自民以外に与党になれそうな、連立政権として二位三位連合で与党になれるという政党に投票をしますね。

 

 ポイントは選択肢に入るかどうか。維新にせよ、民主にせよ、みんなにせよ、投票するからには与党、もしくはその一角に入り込んでくれなくては意味が無い。その主張する政策がいくら素晴らしくても与党になれなければ画餅ですからね。

 

 ―ということを考えると社民とか共産とかハナから論外なんですね。公明は地元の企業とか割りと敷居が低い、ハードルが低く、相談したら直ぐ聞いてくれるというような話を聞いたことがありますし、万年与党で政党の一本スジの通った原則というものはなくとも、そういう特定の顧客に絞って支持を得ているのかもしれないですね。非創価学会の人でも。

 

 自民は論外という層・主張の人達からすると、維新は胡散臭いからいや。もしくはみんな&維新は新自由主義だからイヤという例のアレでパスをして、民主はまだ与党の可能性があるということで選択肢に入っていたとしてもおかしくないのでしょうね。

 

 実際自民の消費税増税案に比べれば民主は低所得者層の控除だったり、歳入庁だったり、自民より遥かにマシな内容を提示していましたしね。少なくとも自民よりは遥かにマシな政党でしたから。いずれ詳しく書きますが、中層・下層を支持基盤にする政党ですから、自民に入れても自分達中層・下層のための政治をしてくれないと理解している人達にとっては民主党は有効な投票先の一つですからね。少なくとも自民よりはいい政党になりますから。その中で一番母体がでかいということで票が集まるのは自然の流れでしょう。

 

 まあ、次そのまた次の選挙も選択候補として残り続けるかどうかは不透明ですけどね。また自民・維新が勝つことが事前にわかっているから、カウンターパートとして一番大きな政党は~、と消去法的に選択した結果ということ十分考えられますね。

 

 ―ということは、逆に考えると別に民主党でなくとも大して問題はないわけです。むしろ民主党に変わる次の政権についてくれそうな政党、かつ前回の民主党の失敗を繰り返すことはないと思えるような政党であれば、民主党はあっさり見放されることになります。ある程度母体がある民主党が出てくれば潰れるでしょうね。もしくは埋没する。まあこの話は後述。

 

 

民主党の強さは労組

 ということで、民主党の強さの根源には労組の組織票がありました。あと日教組系とかも多少ありますかね?自民党の組織票と違い、無党派・風頼みの組織力の弱さが民主党敗北の要因だなんて頓珍漢な主張がありましたけど、組織力ばっかで既得権まみれになったら普通負けるだろ。というかその残り無党派の40%、単純計算で4000万人が選挙を棄権したという事実に危機を抱けって。

 

 民主党の労組は大体400万くらいなんですかね?500万くらいあるんでしょうか?とにかくその集票マシーンがあったからこそ未来&小沢は負けたんですね。

 

 負けたというのは単純な数字・議席数の話ではなく、もし今回小沢が600~700万、民主党とそこまで差が開かない結果となっていれば、「ああなんだ小沢の主張する政策を唱えれば今後も政治家としてある程度やっていけるじゃないか」となって小沢派が民主党で権力を取り戻したでしょうし、未来の党にもっと多くの議員が合流していたでしょう(当然選挙後は民主党内部から大量離党で合流して新民主党になったでしょうね)。

 

 選挙というのは風が吹くときではなく、吹かないときこそポイント。逆境の時でもどれだけ戦えるのかが政党としての真価を問われます。まあ今回民主党はまるで駄目でしたけどね。オリーブの木連合で政権を取るというよりも、選挙の結果で民主党から人材引っこ抜いて新民主党を作りなおして、もう一度VS官僚・自民党利権システムに挑む構想だったはず。それが失敗してしまったことこそ本当の小沢・未来の党の敗北なのでしょう。

 

 

■正しかった中間派の洞ヶ峠 日和見スタンス

 民主党が900万で未来の党が340万、半分行ってれば…。それが3分の1ですからね。これはつまり、離党しろ!新党作れ!と言っていた人間は現実を知らないアホだったということですね。己は昔そう言ってたっけ?あとで見直しとこう。多分キツイから、五分五分くらいでごまかしていたと思うけど(^ ^;)。

 

 いずれにせよそういう主張をしていた人は今回の現実を踏まえて焼き土下座ですねm(_ _)m。寡占メディア、統制報道空間ではこういうことになるわけですから。選挙の結果どう思う?的なブログネタをかなり見ましたけども、無党派の中で未来!っていう人は少なかったです。

 

 そんなに数多くデータとったわけじゃないですけど、民主が少なく、あとは多種多様でどこか突出したところはなかったという感じでした。ブログネタ書く人の傾向なんでそこまであてになりませんけども。維新は思ったよりあんまり目立たなかったですね。警戒する人は目につきましたが。

 

 民主ノー、自民もっとノー、そういう人がじゃあ未来に入れたかというと…という感じでしたから。だからこそ70%→60%、単純計算で1000万人が選挙を棄権してしまう事態になったのでしょう。

 

 というわけで新党や未来に合流せずに民主に残留した議員が腰抜け!裏切り者!でもなんでもなく、仕方なかったわけですね。民主離れたら落選するんですから。まして壊し屋として評判が悪く、離党するたびに議員を減らしてきたという小沢氏の悪評があればなおのこと。票田なく勝算のめどが立たないのなら、今回小沢氏のもとに川内氏のような政策が殆ど変わらない人物が合流を見送ったのも当然だったわけですね。いくら主義主張が正しくとも当選できなければ声を届けられないのですから。

 

 ある理想主義どころか教条主義原理主義として冷めた目で民主の議員から見放されたのもむべなるかな。これまではアホかこのヘタレが!公約裏切りやがってと一瞥だにしませんでしたが、そのヘタレ議員(失礼!)の言うことも筋が通っているわけです。

 

 所詮政治は結果責任、ゲーム・戦争は勝たなければ意味が無い。選挙に弱い議員は理想=政策を語れないという現実があるわけですからね。本来は主義主張を通した議員が当選するべきなのですが、悲しいかな日本ではまともな行動をとっても報われないという現実があるのです。

 

 

■小沢・生活党の次の一手は支持組織作り

 てっきりみんなの党と合流する方向に行って母体を大きくして巻き返す方向に行くかなと見てましたが、みんなの党・渡辺さんには時間がある。そしてこれまでの主張通り、やはり維新合流を最優先するようです。これで小沢氏的には打つ手が無いので詰みましたね。

 

 今からできることは眠っている40%の票田を掘り起こして新顧客を獲得すること。死票どころか棄権が多いということは民主制度の死以外の何物でもないですから、これを何とか掘り起こして投票させることこそデモクラシー政治家小沢の本領・本分でしょう。

 

 原発は票にはならない。少なくとも今後最優先して訴えてそれで目的が達成されることはない。一番大事なのは経済政策、生活で苦しんでいる大衆の暮らしをどうやって変える、向上させられるかというビジョンを示すこと。そして生活に根ざした庶民・大衆を支える社会組織づくりを推し進めること。草の根grass roots政治・社会組織を全国津々浦々に張り巡らせる社会運動を支援することこそやらなくてはいけないことですね。日本は無連帯で社会的に紐帯がずたずたになって切り離されているために今の問題があるわけです。連帯を作り出すことこそ日本再生の要ですね。

 

 

■大衆政治家が大衆の支持を得られない日本政治

 これは一朝一夕には可能ではないので小沢氏が存命中には実らない長期的なプランですがね…。まあ日本の現状というのはそういう低レベルな状況にあるということですね。

 

 本来小沢のような下・下層を支持基盤とするような政治家が支持を得られないということは異常ですからね(※別に小沢さんが総理になれんなんておかしい!自民なんて糞が与党なんて!陰謀や!不正や!ってわけじゃなくて自民は上層だったり、利権団体足して総票有権者全体の16%くらいでしょう。日本に1割+αが上層(あと特定階層取り込み)と考えると打倒な数字。んで残りの中層・下層が圧倒的に多いことを考えると、まあ幾つかの政党があって票が分散しても、大衆の政策を主張する小沢が相対的に勝つ。もしくはそこそこの位置を占めると考えるのが自然な流れという意味で言ってます)。

 

 

小沢一郎最大の誤りは大衆政治家でありながら、その大衆に声を伝える手段を疎かにしたこと

 小沢一郎最大の失敗は、日本という国家の性質を見誤ったこと。普通のデモクラシー国家なら健全に報道されるから、主義主張が正確に伝わって、相対的に大衆の数で大衆政治家小沢・生活党が比較一党を占められる・最大支持を受ける。

 

 ―であるはずなのに、日本は報道がメディアの手によって壟断されてますから別にどこか特定の政党贔屓している!と言うんじゃなくて、本能的に自分達の利権を潰しかねない危険な政治家を無意識のまま排除するような構造になっているんですね、日本の報道界は。普通に報道すればいいだけなのに、普通のことができていないから国民に正しい分析が伝わらないようになっています。

 

 小沢ほどの人間なら報道が歪んでいることくらい初めの政権交代自民党一党独裁を打ち破ったときに気づいたでしょうに、何故これを放置したのか…。もし自民党として野党を潰そう!というスタンスだったならわかりますが、彼は大衆を支持基盤とする政治家でしょう?自分の顧客に商品・サービスを提供できない、説明できなかったら商売にならないのに…。何を考えていたのか?自民を離れた時点でこれまでのような票を請願してくれるシステムから、掘り起こしていかないといけないシステム、そういう政治家としてのポジションに移行していくのは自明だったはず…。

 

 勝った、負けたという点としての結果ではなく、何故その時、はるか昔にこの流れを予測して、戦として流れを見た場合必ず重要になる報道正常化を最優先課題に置かなかったのか?自由な選挙制度デモクラシー推進に慢心しなかったのか?

 

 検察制度の見直しとか、そんなものは枝葉の話で、健全なまっとうな報道があれば検察の暴走は事前に防がれた、ストップかかったんですから、重要なのはそっちでしょう?なのに報道の健全化ではなく、検察制度を公約に挙げる有様。これでは次も負けるんだろうな、負け続けるんだろうなという気がしますね。

 

 ※民主党を含めた次の政治展開を書くつもりが、つい次のネタ小沢一郎の誤りまで踏み込んでしまった…。どうもぐずぐずになるな選挙ネタは。書くこと多すぎて整理しきれん(´-ω-`)。後述と言いながら次回に回します。