てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

政治の常識シリーズ① 政治家は貪婪、欲望まみれが好ましい

※カテゴリーを作らずに放置していたのでインポート出来ていなかったので転載。今見ると、欲望のない、私欲のない聖人というのは理想に溢れた危険な人物。レーニンスターリンヒトラーなどを招来する危険性があるという話がないなぁ。いつか書こうと思って続編書かなかっただけかな?

 ブログネタで「選挙の結果どう思う?」というのを見て、あまりにも政治の常識を知らない人が多いと感じたので、ちょっとシリーズ化して細々政治の常識を書いていこうと思います。本当になんでこんなこともわからないのか?というレベルですね。

 別に一般の人を頭悪いとか言いたいわけではなく、学校教育でいくらでも教えられるし、メディアの人間が知っていれば、当然そういう誤りを否定したり、まともなことを発信して世間の恥ずかしくて言えないトンデモ意見も消えて行くはず。全ては責任のある機関の腐朽(腐れ落ちることね)・機能不全にある。

 教育・報道、民主主義を支える機関がズタボロでは、そりゃこういう民度になりますわね…と呆れるしかないです。シリーズタイトルはまだ考えていませんが、考えたら~~シリーズ!ってタイトルにします。


■政治家は欲望に汚い方が良い―大衆の政治家のイメージ
 さて、よくある政治家のイメージ、欲まみれ、欲丸出しで自分のことばかり考えていて、選挙の時だけペコペコするという例のやつについてです。政治家というのは欲にまみれている方が好ましい。巴にマミっているほうがいいんですね。こんな初等的なこともろくに世間に伝わってない。

 なんだったか?気分は形而上の作者がうああ哲学事典(うああ哲学事典 上  うああ哲学事典 下)ってのでフロイトエス超自我などの観念を説明するときに、人の心がわかるマシーンを政治家に使ったら、超欲まみれで、その機械は使い手同士で共感をするので、開発した博士が政治家のあまりの欲に発狂しかけるというオチだったんですね。

 結構哲学とか、物を考えるような人でも政治家についてのイメージはこの程度。我が国の低レベルマスゴミ様の報道を見て分かる通り、政治家というのは自分のことばかり考えていて、本当に国民のためになることをしてくれない―というような不信感が国民に植え付けられてしまった証拠ですね。これが大抵の人が抱く政治家像でしょう?まあ、ちゃんちゃらおかしいですよね。

 バカ言っちゃいけませんよ。政治をやることで金儲かるか?信じられないくらいの富・財を築けますか?清廉な官僚でも知事を勤めれば三代は暮らしていけますかって。ばかこくでねぇっつの。

 一昔前の田中角栄時代の金権政治時代がありました。あの時代ならともかく、今政治家に公共事業とか莫大な金がかかるプロジェクト予算を組んでそれにたかって私腹を肥やすなんていうのは到底無理なようになりました。もはや政治家主導の政治汚職なんてありえない時代になったのに、何を寝言こいてるのか?よく知りませんが、もうそんなの百恵ちゃん時代の話でしょ?一体いつまで昭和引きずってんねん、阪神ならバース時代でしょう?いつまでバース引きずっとんねん。さんまで笑ってる時代の話ですよ(まだたまに出てますけどね、あの人)。

 田中角栄なんて人は実際に角栄御殿を築きましたけど、今そんな人いますか?最近世間を騒がせた小沢なんてたった四億ですよ?しかも子分の秘書や政治家のための寮を作っただけ=公共投資ですからね。しかも証拠も何もない完全な冤罪というオチ。民主主義はどこにいったのか?対照的に官僚の天下り、組織犯罪などは一切手が付くことなしですから、何時まで経っても永久に放置でしょう。


■ルールも理解せずに、その人の仕事を知りもせずに、嘲る者は最低である

 話がそれたんで元の話。政治家に必要なのは集金能力。現在政治家としてやっていくのにカネがかかるようになっている以上、権力を握らなければ理想の政治を現実に出来ないのだから、それは当然カネ集めに走るに決まっている。それを関係ないもの、ポケットに仕舞うなら明らかに犯罪でダメなことですが、どの政治家でも政治資金をまかないきれずに、たいていカツカツですよ。日常会話で、おれ〇〇党の誰々に寄付して~という会話を聞きますか?聞かないでしょ。

 人間飯を食うということはイノチをいただくこと。その分ほかの生命を犧牲にしている、殺しているわけですよね。それで人間最悪、人類滅びろ!とはならないでしょう。やましさ云々おいといて、生きる上で殺さなくちゃしょうがないのだから、やむを得ず殺すわけです。これは人間がもつ業です。

 それと同じように政治家は欲深くなければならない、意地汚く集金する能力を持たなくてはいけない。少なくとも今の日本の政治制度だと、そういう制度になっているわけです。前にも言いましたけど、そうしないと生きていけない状況に追い込んどいて、金とったら袋叩きにするとか、アーロン収容所か!てめぇらは(日本兵捕虜に食事を与えず、近くにいるカニは病気持ってるから食うなと放置して、結局赤痢だったか?になって捕虜が死んでしまったのを日本人は衛生観念が不足しているという報告書を書いた、当時の人種差別感情を如実に表すエピソードですね)。日本人は政治家に対して人種差別をしているといってもいいですね。


■財産制の名残、日本の政治は上層有利にカネがかかるようになっている
 日本でも民主主義の始まりの原則よろしく、階級社会の上流・上層が政治を取り仕切る財産制から始まりました。金もってないと選挙権がないという制度から始まりました。そして次第に普通選挙に移行していく。下の階層にも政治に意見を反映させる機会が与えられていったor勝ち取っていったわけですね。

 しかしそうなると当然数で上流の意見より大衆の意見が反映されやすくなってしまうわけです。これを防止するためにいろんな防衛装置が組み込まれるわけです。カネがかかる制度というのはまさしくこれ。下々に政治を好き勝手弄られないように制御因子として組み込まれたわけですね。

 自民党=金持ち、社会上層中心の政治を実現するためにはカネがかかったほうが良い。必然的に貧乏人は負けて、自分たちの声が反映されやすくなるわけですからね。

 まあ、こういうことひとつ考えても貧乏人は絶対選挙行って、自分たちの声を代弁してくれる政治家に入れないといけないわけです。バカとブスこそ東大へいけ!貧乏人こそ組織入って投票しろ!ということになるわけです。投票しなければ必然的に自民=金持ち中心で、自分達に好ましい政策を取る。好き勝手やるに決まってるでしょう。ネトウヨなんか本当あほでしょ。裕福ならともかく、殆ど貧乏人でしょ?金持ちに完全に操られてますよ。ネトウヨという鯉を操って、餌を巻いている上層の姿が目に浮かびますよ。


■日本の政治において金に汚いのは美徳

 例えるなら、ラフファイト・反則ギリギリといいますか、ルール内でできる限り、可能な限りのダーティープレーをする。そうやって初めて選挙で勝って望む政治を実現できるんですから、そうしなくちゃならない。それをもって立派な政治家になれるのに、それをもってダメ出しをするとは何事か?

 政治家の性質を知らずに馬鹿にするというのは相当ズレている。バカな女が「なんでピッチャーってボール投げてんのウケるんだけど~」と、理解もせずにただあざけるのと同じではないか。

 金を集めるというのが職業の機能の一つとして存在するのに、それを持って否定するのは、学生やサラリーマンが通学・通勤で満員電車で苦しんでいるのを、なんでわざわざあんな苦しい思いして毎日通ってるの?馬鹿じゃないの?というようなものだ。現今制度、社会ではしたくてやってるのではなく、そうせざるを得ない。そういう環境下に置かれた上での行動をもって自分を否定され、世間からバカにされたらあなたはどう思うだろうか?

 むしろ頑張ってエライね。とほめられるべきことだろう。政治家も同じ。本来ほめられるべきことであり、政治家が利に聡いのは美徳なのである。そういうセンスがあるからこそ、国民にも利をもたらしてくれる有能な政治家たり得るのだ。

 サラリーマンの働く姿を見て、あるいは農業で働く人を見て、ダサい・汚いと実際の現実を知らずにチラ見しただけで馬鹿にする人間をあなたはどう思うだろうか?人の食べ物を食卓に届ける人間が汗水たらして、糞と挌闘する姿は醜いといえるだろうか?その姿は(プロであれば)尊厳を覚えるのではないだろうか?

 余談だが、マネーゲームで汗水たらして働く人たちがバカを見ないように、というのは実際に汗水たらして働くことに価値がないとどこかで思っているからこその発想ではなかろうか?身体を使う仕事こそ美しい、人間本来の姿なのにどうもホワイトカラー至上主義というか、頭脳労働出来ないものはクズみたいな歪んだ観念こそが件のマネーゲーム叩きという歪んだ発想につながったような気がする。


■差別は自分に還ってくる。政治家を叩くのはDV、ストーカーの論理
 いずれにせよ、政治家の実情も知らないで、政治家は自分達のことばかり!なんて考えを持っているものはそのまま自分にそのような歪んだ価値観が跳ね返ってくると思ったほうがよろしい。

 よく知りもせずにステレオタイプの思い込みを投影するのだから、自分が世間にそのように簡単に誤解され、馬鹿にされるのだろうと覚悟すべきであろう。男なんて、女なんて、老人なんて、若者なんて、学生なんて、サラリーマンなんて…。ありとあらゆるレッテルでそのまま自分が否定される社会になる第一歩が政治家否定である。あなたがそういう社会を肯定しているのだから、そういう世間から馬鹿にされることがあっても自分自身が招いたこととして受け止めるべきである。

 社会に偏見が蔓延すれば、その弊害はまわりまわって自分に還ってくる。自分が他人を差別しておいて、自分が差別する立場になってこれは差別だ!ゆるせない!は通らない。公平無私な社会を作るのは他人のためだけでなく自分のため、自分を差別から守るためでもある。まさに情けは人のためならずだ。義務を放棄すれば権利は当然ウケられなくなるのだ。

 政治家は自分達の代弁者であり、自分たちの社会・現実を「立法」によって変える最も重要な職能といっていい存在。それを軽んじて、良い社会・良い国になるはずがないではないか。これはDVで配偶者をボコボコに殴っておきながら何故私を愛さないのか!?というのと同じことだ。ストーカーのように一方的に自己の歪んだ感情を押し付けるものと同じである。


■因果応報、政治家は我が子。国民は我が子の教育の成果を甘受する

 なにせ政治家というのは我々の代表者であり、最初の一歩目・ルールを決める仕事をするのだから、その一番重要な仕事の担い手をさげずむということはダメな社会を作れと言っているに等しい。我々に国民に出来ることは我が子を慈しむように何度失敗しても、頑張ってねと見守る、愛し続ける慈愛の眼であろう。

 要するにそういう政治家蔑視・叩きを平気でする人間というのは我が子を平気で虐待する最低な人間だということだ。政治家は国家・社会のために自分達が育てるのだから、虐待してきた子供に復讐されるのは当然ではないか。逆に愛情込めて育ててきた子供からは成人してから愛情が帰ってくる。見返りを得られるだろう。当り前の理屈だ。あたりまえ体操ですよ、こんなの。こんなこともわからない人間が何故こんなに多いのか、理解に苦しむ。

 また自分の支持政治家、支持政党でないにしても同じ国民がまた我が子のように送り出した政治家を侮辱したり、ろくに扱わないのも、自分の子供だけかわいがって、他所の子供を粗末に扱うバカ親であるということだ。そういう振る舞いをすべきではない。というか政治家一般を粗末に扱う、軽んじる、相応の礼が取れないということは本来あってはならないことなのだ。にも関わらず今の世の中を見ると…。

 政治家というのはジョーカー文化しかり、批判を受けて独裁者にならないようにその清廉・高潔・人格をある程度否定されなくてはいけない。完璧な人間であれば、あっという間に独裁者が出てきて政治権力を奪ってしまうから。だからと言って、批判を甘受するのと見下すのは全く別のことである。敬意と批判は両立するが、敬意と侮蔑が両立しないのは論ずるまでもないだろう。


■パーフェクトな政治家は国家を滅ぼす、特に人格に優れた政治家は

 独裁者登場のメカニズムの通り、政治家というのは人間として完璧であったら困るのだ。完璧であったらその人に丸投げして誰もが満足してしまう。そうなると民主主義は滅ぶ。独裁になって組織が死ぬのだ。

 あなたの会社で一人ですべての仕事をこなすスーパー天才がいるとしよう。彼はナイスガイ・ガールなので給料も人並みであなた方みんなにも十分な給料をくれる。みんななにもしないでいい。ところが数十年して彼が死んでしまった。そうなったらどうなるか?組織が機能しなくなるに決まっているだろう。

 独裁は一番効率が良いシステムだけど、人はいつか死ぬわけです。死んでいなくなったら組織が動かなくなったじゃこまるというのも独裁が好ましくない理由の一つなのです。

 ときに天才・カリスマは組織にとって害になる、組織を機能不全にするのだ。だからこそ現代組織はすべて天才を排除して考えてある。基本的に無能でもこなせるように、無能を基本単位として組織化されている。飛び抜けた人間がいてもいいが、彼が抜けたらとたんに組織が機能しなくなる、麻痺するというようでは組織の永続性が保てなくなるから、殆どの組織で排除されるか、活動領域を制限されるようになっている。

 愚卒は隊を崩壊させるなんて言うけども、天才もまた組織を破壊するということを無視してはならない。能力だけならともかく、一番重要な要素は人格だろう。ああ、この人にならすべてを任せてもいい。この人のためなら死んだって構わない。高い才能に加えこれが加わったらあとはもう一瀉千里、あっという間にあらゆる権能を集めてしまい、独裁に向いていく。

 よって政治家は「欲まみれの仕事ができる優秀な人間」が最もいい。プロフェッショナルが給料に見合った分の仕事をきっちり完遂するような、そういう職人型がいい。きっちり仕事をしてくれればあとはその人間がどうだろうと知ったことではない。いわば100点より70点がいい。アタリマエのことが当たり前にできるレベルで十分なのだ。まあ今その当り前すら出来ないから、勘違いされてなんでもできる高潔な万能が求められてしまっているのだけども…。つまり独裁者待望論、危険な空気になっているわけで、いつおかしくなっても不思議じゃないですね。

 それに考えても見て欲しい、金は少ない、見返りとして富・名声もない、にも関わらず仕事を他人の何十倍もこなす有能な人間でないと嫌だ。そんな都合のいい話があるだろうか?かっこ良くて、金持ちで、自分の言うことをなんでもしてくれる優しい旦那(嫁)さんがほしい。というバカと同じではないか。それはパートナーではなく、都合のいい奴隷だろう。

 現実を見ずに都合のいい奴隷を求めるということは、同じく社会もまたあなたを奴隷として要求するということ。あなた自身がそれを許容しているのだから社会が腐るのもまた当然。文句言わずに奴隷となって、安月給で休みなしでこき使われろ、会社に全忠誠を尽くせという社会を使われる大衆が自ら招いているのだ。

 ふさわしい職能にはそれに見合った見返りがなければならない。にも関わらず待遇を悪化させればどうなるか?当然相場に合わないということで人材の層は薄くなる。結果ますます政治の質が低くなるという悪循環になるに決まっているではないか?給料を上げて、良い政治家を育成し、良い政治にして新しい日本を築きあげよう!ならともかく、政治家は給料高い・待遇良すぎ!下げろ!と事情も知らずに主張するのは会社の従業員を安月給でこき使う馬鹿社長と同じだ。これで日本という会社が衰退しないはずがないではないか。

 衆愚ここに極まれり。こんな常識くらいまともに報道してくださいよ…。マスコミ様ェ…。

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新釈 うああ哲学事典 上 (モーニングコミックス)