てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

ロシアの間の抜けた交渉態度―最早四島返還で交渉がまとまる状況にはない

 ロシアが日本と平和友好条約締結を目指しているようです。北方領土問題の解決無くして、平和友好条約締結なし―というのが日本の立場ですから、ロシアにとってこの問題の解決無くして、目的は達成されないわけです。

 プーチン氏は北方領土について「引き分け」という言葉を用いていました。三島か三・五島か知りませんが、まあそこら辺で決着を付けたいというところでしょうか?

 これを聞いた時、己が思ったのは「アホかこいつ?」でした。

 ロシアは今後衰退する国家。というかもう衰退している国家。石油・天然ガス以外もう国家としての強味がない。新エネルギーでも開発されたら、あっという間に先進国・世界主要国から滑り落ちていく存在でしかない。日本同様、少子化に歯止めがかかりませんからね。今後50・100年のスパンで考えた時、確実に衰退するという危機にあります。

 そういう状況の国家になんでわざわざ悪い条件で交渉を締結する国があると思うのか???馬鹿じゃないのか?四島返還で済んだのは冷戦終了直後のエリツィンの時です。時間をかけた以上、これまでの交渉を蹴っ飛ばし続けてきた以上、これまでの主張・交渉ラインだった四島より一層譲歩しなければ日本が交渉に応じるわけ無いでしょう。

 占守・ホロムシロ・オネコタン・捨子古丹島・マツワ・シムシル・ウルップ・択捉・国後・色丹・歯舞の十一島、千島列島全部が今や交渉対象。あの時締結しておけばよかったのにね。四島+アルファでなければ日本は交渉締結しませんよ。五〇年・一〇〇年後滅んでいるかもしれない国家にどうして今不利な条件で交渉をまとめる馬鹿な国があるのか?

 まあ日本だと四島返還されたら、「ああやっと帰ってきた。よかった×2」なんて言い出す人が多そうですからね。そこら辺怖いところ。プーチンが四島返しますって言わなくてちょっとホッとしています。

 政治家としては「今ならまだ千島列島で交渉を締結することが可能だ、これ以上交渉締結を引き伸ばし続けるなら、二十年後には樺太まで含まれることになり、五十年後には沿海州からエカチェリンブルクまで中国(もしくはEUアメリカまで含むかも)と共同管理する事態になる!いい加減に気づけ!」とカマしてほしいものですね。

 以前どっかで書いたような気がしますが、そもそも四島返還されてその四島が返ってきたとしてそれでどうするのか?四島に一体いかなる戦略的価値が有るのか?外交を戦略的に捉えた上で四島返還以後のビジョンがあるのか?なにもないでしょう。日ロ関係を考えるなら、経済関係だけでなく、日露安全保障を締結する用意があるとか、EUこそ日本の主要パートナー。二十世紀はアメリカ、二十一世紀はEU!ロシアはその日=EU関係に包括するとか、まあいくらでも戦略は考えられるでしょうよ?

 少なくともそういうなんらかの戦略を考えた上で交渉して貰いたいものですね。四島なんかいらん、領土「だけ」返って来ても日本の国益に叶うとは到底思えない。国際社会の力学上もっとふさわしいEU(独)=露=日含んだ国際体制を考えて動くべきでしょうね。

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チョロQ北方領土の見える街 根室バスが走って100周年