てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

憲法にまつわるハードルの話


とりあえず公開し忘れていた改憲ネタを。

 そも憲法について疑われているのが占領期に制定されたこと、誕生の歴史にあります。良きにしろ悪しきにしろ。今(というかかなり前から)米軍の基地問題で云々している事自体が、占領による問題ですからね。憲法問題=占領問題ということでもありますからね。

 あと、たまに、押し付け憲法云々で(この議論自体どうでもいいものでうんざりする話ですが)、日本国民の大部分が新憲法について賛成していたから押し付けではないとかいう論がありますが、GHQによる言論統制があって、米軍が駐留していて国民の賛意が云々は全くナンセンスな話ですからね。アホですね。だからといって押し付けだ!という説に賛同するわけでもないですけどね。

 結局、無効論云々より重要なのは、創憲・新しい憲法を作ることだと思います。無効・有効とかおいといて、その憲法で憲政をやってきた以上、それが無効とかどうでもいい話で、大事なのは占領期・他国の干渉下に作られたというプロセスの問題なんで。国民が自主的に憲法を作るという紛れも無い正当性をもたらすことが民主主義国家として重要なことですからね。一から改めて憲法を作るというプロセスを歩むかどうかがキーなわけです。でなもんで無論、今の憲法の条文を一から全部引き継いでも、国民の総意を得る・正当性を揺るぎないものにする上では、そうすることで問題は解消されることになります。

 正当性の疑いない自主憲法を作るかどうかが問題でそれが有効・無効云々する意味がもともとないんですけどね。有効・無効議論はいつかの自己満足の世界ですね。好きにやってください。んで一から憲法を作るという手法を取れば一つ一つの条文を改正するような手間・暇かけないで一気に憲法を制定できるわけですから、政治の機能不全を正して有効な政治制度を設計するのに非常に都合がいい。問題とする・焦点となるのはそっちだろうと思います。

 予算関連法案ですら3分の2が必要なのに憲法を改定するのには半分でいいのはおかしいという話がありまして、なるほど確かにそうだな。その点を考慮しなくちゃいけないと思います。

 憲法改正のハードルのほうが低いというのはたしかにおかしな話なので、予算関連法案の場合は同じく半分に下げるとかやらないといけないですよね。もしくは国民投票の条件が3分の2、75%の賛意が必要とか。予算審議が重要なことといっても結局関連法案で毎回グダってるのが昨今の政治停滞の原因とみなせなくもないですし。

 あと国民投票の比率が80%とか行かないと無効とかにしないとダメでしょうね。半分で成立してしまえば、改憲は25%を上回れば成立してしまうということですからね。結局戸別訪問解禁して、普段の参院選から80%当たり前という国にならないと改憲自体ナンセンスですね。まずは投票率を上げるための自由な選挙というアタリマエのことからやっていただきましょう。ハードルを半分に下げるというのも、この「自由選挙」獲得になるなら全然いいと思います。国民と選挙・議会・議員との距離が乖離しすぎですからね。

 軟性憲法、早急に憲法を変えやすくすることで事態の変化に柔軟に対応できるというメリットを見い出せないこともないですけどね。日本のこれまでの憲政が硬性憲法憲法の条文と現実がズレ過ぎて憲政崩壊の要因につながったとか理由をつけるのもありかもしれません。

 まあ前にも書いたとおり、改憲のハードルを下げるというのなら一回実際に改憲案を出して国会に提出してその経過を見せないと説得力ないですからね。実際に何度も失敗してきて埒あかねぇ!とかそういう事実がないのにいきなり下げるというのは拙速に過ぎますからね。

 あとやるなら改憲のそもそもの難しさである参院のハードルの高さを下げることでしょうね。どなたか生活の議員さんが、参院だけ半分にしようという生活の党案は反対。だったらそもそも一院制にすべきというのを見ました。それなら確かに筋が通りますね。参院廃止して一院制にする。そのために改憲のハードルを一時的に下げるならまこと見事に筋が通るんですけどね。んでその後また三分の二に戻すってことにしとけばいいわけで。

 一番てっとり早くて、有権者ウケすると思いますけどね。参院廃止&一院制。だって議員削減に無駄な選挙=支出削減出来ますし、衆院の人数800人とかにすれば少数政党の指標の問題も解決されますし。

 大体、日本の場合貴族・階級制度が英のようでない、そも二院制の前提である階級・既得権の声に一定数配慮するという制度の前提が今の官僚制とか報道のようにおかしな方向に行っちゃってるのですから参院で彼らの既得権に配慮して、上層の不安・恐怖を防止するっていう民主制度の役目とはかけ離れていますからね。一院で何の問題もないでしょう。

 一院制なら流行りの首相公選制、少数与党の長が首相となっても議会対策次第で何とかなりますしね。まあ個人的には公選制で何か意味ある変革が起こるとは思えないので反対ですが。

 改憲のそれも「参院廃止」というオブラートに包めばもっと上手く勧められたでしょうにねぇ…。まあ入り口が9条やりたい!みたいな変なところになっているからハードル下げるという変な出口になっちゃってるのでこうなるんでしょうけど。

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