てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

木村さんのツイートに対する所感

ツイッターでよく見る韓国研究の木村さんのツイートについて一言・二言。

 RT:橋下慰安婦発言。必要だった、というのは、日本軍の中国大陸での暴行等を止める為には慰安所を作るしかなかった、と言う意味なのだろうか。だとすると、「皇軍」はどうしようもない軍隊だったと言っているのも同然だと思うのだが、違うだろうか。

 ―やっぱり木村さんは慰安婦問題の基本構造とか知らないんだろうなぁ。公娼制度、それがきちんと整っていないと、軍隊が占領地下で性犯罪を引き起こす確率が上がる。それを避けるための制度であり、むしろ日本軍が占領統治政策の面で進んでいた証拠なんですけどね。

 RT:慰安婦について韓国側が被害者だと主張し、日本側がやってないと否定しても、加害者側が罪状否認しているように海外から受け取られる面が強い。日本は、過去の歴史を歪曲するつもりはない、歴史修正主義ではないと前置きした上で歴史的証拠を示してどちらの言い分が正しいか問いかければいいと思う。

 あれ、このツイートは木村さんだったかな?ちょっと忘れましたが、まあいいや。歴史修正主義だから、否定されているわけではないんですよね。というか歴史修正主義ってナチスホロコーストはなかった的な陰謀論というか、霞ヶ関テロはオウムの仕業じゃなかった!的なたぐいのアレでしょ?そういったものとそもそも同一に論じたらアカンですよ。

 ドイツの行動が正しかった、間違ってた自体は歴史学で普通に話されますし、ナチスレイシズムユダヤ政策以外は割りとオープンなんですけどね。戦前の日本を肯定しようが、ヒトラーのドイツを肯定しようがそこら辺はあまり問題にならないですよ。無論、素っ頓狂な論理意味不明なものはまた別ですけども。

 そもそも慰安婦の話を持ちだした時点で「女性の人権」みたいな方向に話がすり替わるようになっていますから。そういう力学が働いている以上、この問題は国際的に解決することは難しいと思われます。詰みに近いでしょうね。

 なんといいますか従軍慰安婦の話が、事実と無関係に「女性の人権」の話に集約されていく図式を見ても、表現規制も有無をいわさずこちらの問題に集約されているのだろうという気はしますね。表現規制慰安婦云々も、それをしても絶対に問題の解決にはならない。むしろ問題を悪化させるんだ、当事者にとってマイナスになるんだという事が伝わらない限り、この流れは変わらないでしょうね。

 AKB丸坊主事件→欧米「日本は女性に対して閉鎖的な社会!」
 柔道女子パワハラ・セクハラ事件→欧米「同上」
 従軍慰安婦発言→欧米「同上」←New!

 結論全部おんなじ、「日本は女性の人権に対してエラいひどい国ですわ」で、全部結論集約されちゃっていますから。結局、根底にあるのは問題の真実・当否より日本が人権などそういう問題に対して関心が薄い、後進的な国だと思われていることに尽きるかと思いますね。

 児ポ法問題云々も根底にあるのはそういうことですね、結局、こういった流れを変えるのに一番効果的なのは日本が女性とか難民とかで遅れているという現実を変えることですね。日本は人身売買ヒドい!とか叩かれているでしょう?あと女性の社会進出とか進めない限りこの日本へのレッテルは拭えないですね。

 ※そういえば日本は児童ポルノ大国、流通9割が日本!みたいなのは、日本人があちらさん規準で若く見えるからってのがあるって聞きました。なるほどね。


 RT:メモ。慰安婦問題で「他国もやっている」という意見が注目を浴びている。しかし、これは運動側には殆ど打撃にならない。何故なら慰安婦問題の中心になっているのは女性運動団体で、そもそも彼女らは「他国もやっている」ような男性優位社会に対して、国際的な異議表明を行っているのだから。

 RT:例えば、韓国軍もベトナム戦争朝鮮戦争で…と言ったとする。この時運動団体から帰ってくる答えの一つは、「だから我々はそういう政権を打倒したのだ」という答えだろう。韓国の運動団体は民主化運動にも関連しているからだ。同じ事はアメリカの女性団体についても言えるだろう。

 RTもう一つ大事なのは、例えばアメリカや韓国は自国史を「過去の自らの問題を克服した歴史」と捉えている事。例えば、朝鮮戦争と今の間には公民権運動やまた韓国の民主化がある。だから「過去にそうだった」と言っても「だから変えたのだ」「どうしてお前は変えないのだ」という答えが帰ってくる。

 RT逆に言えば、今の日本の状況は変わっていて、わざわざ「今」と「否定的に看做されている過去」を連結させようとしている。「都合の悪い過去」は「切り離し、克服した」事にすれば、説明がぐっと楽になるのに、わざわざ難しいほうに行っている(とりあえずここで終わり)


 ―いやあ、ダメじゃないか?世界中の被害にあった女性の人権を守る運動をやっているなら、当然その軍事政権時代に行われたベトナムでの非道行為に謝罪・反省・賠償をやらなくちゃならないし、やって初めて意味があるわけで…。それとも己が知らないだけで、やはり韓国のベトナムでの非道行為を直視せよ!っていう運動は盛んなのかしら?

 なんといいますか運動やってる人のロジックというか理屈ですよね?国家観関係、国際社会の外交のロジックとはあんまり関係がないんですけど、なんでそんなのに一々言及したのでしょうか?まあ相手がどういうロジック・論旨展開なのか正確に把握しておく必要があることはあるのですが…。男性優位社会に対して、国際的な異議表明を行ないたいのなら、もっと現実の女性が苦しんでいる問題を取り上げて、それに対する対応・法整備を訴えるべきだと思いますが…?戦前のそんな問題取り扱って今の社会がどう良い方に変わるんですかね?

 まあ、そりゃ変わることは変わる、影響はあるでしょうけど、もっと別のこと・現実にある女性が苦しんでいる問題取り上げたほうが波及効果は大きいでしょうにね。

  んで「否定的に看做されている過去」を連結させずに「都合の悪い過去」を「切り離し、克服した」事にする―というのは19世紀以前の東アジア秩序の華夷思想、我々が中華で周辺は蛮夷という時代のフォーマットに近い発想だと思うんですよね。国家の過去を切り離すという論理は論外だと思いますけどね。歴史は善悪で動くものじゃなくて、当時の状況見たら「ああ、なるほど、じゃあそう動くよね」って納得できるレベルの行為ですから、そういう論理は政権がヒックリ変わったら、また善悪の価値基準を逆転させて歴史を書く「正史」の価値観かと思いますけども。

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日韓歴史認識問題とは何か (叢書・知を究める)