てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

【メモ】 君主政と貴族政と民主政

 泰斗宮崎市定博士について リンクURLを見たら、この記事が出てきて、久しぶりに読んだらあまりにも誤字が多かった&わかりにくかったので、久しぶりに昔の記事を修正してみました。そんなどうでも良い報告を。

 たばかれさんのところでネグリの帝国の話を読んでいて、思いついたちょっとしたことをメモしておこうかなと。メモという名の穴埋めでもしておこうかなと思ったので、そんな話をしたいと思います。政治体制・制度の話。

 政治制度といえば、君主政と貴族政と民主政に分けられる。まあ宗教政治、神政政治っていうシステムもありますけどね。まあ、今回それはパスしておきます。

 現代の欧州が民主政を取っているとしても、そこには必ず君主政と貴族政の余韻・残滓がある。どんな国のどんな政治制度でも必ずその他の部分が混ざっている。君主政でも貴族政でも必ず残りの二つが混淆している。まあ、欧州でもキリスト教系の政治団体・政党が強いですし、そこに神政政治の要素を見てもいいですね。むしろその要素を無視出来るのは日本くらいなものでしょう。まあ、日本でも宗教が政治に果たしている役割が小さいとはいえないですけどね。

 中東の独裁国家と言われる国を見ても、そこには貴族政や民主政の要素を見出すことが出来ます。その度合が大きいか小さいかだけで必ずその余地は見いだせると言っていいでしょう。中東の場合貴族はどっちかというと長老政治の形で現れていると見たほうがいいかもしれませんが。

 まあそんな話はさておき、例えば米なら民主政と言われても、大統領という政治システムで君主政の要素を残し、パワーエリートが事実上の貴族として機能していると見ることが出来ます。無論それは本来の君主政や貴族政とは比べ物にならないほどその権限は後退していますけどね。

 どんな社会・国でも必ず表面の政治制度、民主政を掲げていてもその背後には君主政や貴族政があるので、歴史上の君主や貴族を研究することで社会の見えない性質や隠された力学を解き明かすのには欠かせないために、それを抑えていくのが重要になるのは言うまでもないでしょう。

 日本の場合は表面上君主政でありながら、歴史の殆どが貴族政でした。ちなみに書いておくと、封建制度というのは貴族制の極地ですからね。強力な君主がいないからこそ有力な貴族達がそれぞれシマ・縄張りを形成する。有力貴族連合=国みたいな政治体制になるので。

 日本の場合は表面上民主政ということですが、君主政はともかく、貴族政の時代が長く、その残滓が今でも非常に強く残っている。官僚貴族論というのはあまり好きではないのですが、貴族政の要素が今の官僚制に反映されている。その要素があるがゆえに、今の日本の社会問題・課題があると言っていいでしょうからね。何故日本の民主主義が機能しないか、貴族政の要素が働いているからではないか?と考えることはなかなか意味があることだと思います。

 ああ、そうだ忘れていた。そもそも民主主義・民主政というものからして、イギリスの君主VS貴族の歴史から生まれてきたものですからね。君主でも、貴族でもそこに民主政的な主張・思想があったからこそ民主政が育まれていったわけですから。

 まあ、そんあ与太話をメモがてらに。ツイッターで呟いたんですけど、どうもネグリといい、アリギといい、新マルクス主義ですか?ああいう収奪論とか辺境論みたいな思想系譜の延長上にある学説はどうもとっつきにくいですね。あんま何言ってるかわかんないですね、己には。どうもあれでそこからなにか有益なものが生まれてくると思えないので。

 なんですかね?グローバリズムの問題が叫ばれて、アンチグローバリズムの声が高まって、アンチグローバリズムをまとめあげよう!This isアンチグローバリズムだ!という流れの中にあるものなのでしょうか?グローバリズムが問題だ!と言うのは誰もが知っているし、その問題を何とかしなくては!とみんな思っている。その流れの中で口火を切ったということでしょうか。

 しかしいかんせん問題が難しすぎて、有効な解決策を提示できるような問題ではない。そんな簡単に出来たら、もっとホイホイいろんな人が有益・有効な枠組みを提示しているでしょうからね。グローバリズムの問題に対して今の世界政治のシステムでは微々たる対応しかできないというのが現状ですからね。この本が出てから、多分、これに続くような「なるほど、その手があったか!?」みたいな続くものは出ていないですからね。

 出来がどうということはさておいて、次に出てくる・続く作品・学者はいつ・どのような人になるかというのは興味深いですね。

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長い20世紀――資本、権力、そして現代の系譜“帝国”―グローバル化の世界秩序とマルチチュードの可能性