てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

国際秩序の話 地域機構の重要性

何故か余所で変なスイッチ入って長々コメントしたので、もったいないので使いまわします(^ ^;)。

第二次世界大戦=欧州大戦&東亜大戦

 そもそも第二次世界大戦後、連合国=The United Nationsとして戦争に勝利した側がそのまま戦後秩序を形成しました。国際連盟と違って、国際連合は勝ち組連合であり、戦後独日を封じ込めるという視点からスタートしていました。

 そして冷戦によって独日封じ込めという所期の目的は吹っ飛んだわけです。でポイントとして、戦後処理、国際秩序の構築はヨーロッパとアジアで分裂してしまっており、東亜秩序と欧州秩序が一括した講和、戦後体制として決まっていないのですね。

 以前、ナイの国際紛争のところでも書きましたが、世界大戦と言いながら、その実欧州大戦と東亜大戦の組み合わせ。欧州が列強、強国が複数からなるパワーゲームであったのに対し、東亜の場合は基本日本一国を中心とした戦争でした。欧州が既存の国際政治の延長上にあるのに対して、東亜では日本による中国への生存圏の確保と植民地の解放。植民地の解放=日本の生存圏ですからまあ結局同じなんですけどね。いずれにせよ戦争の性質が西と東でまるで違うということですね。

 先の大戦で大敗し、封じ込められた独がリベンジを狙った欧州と自由貿易の崩壊とブロック経済で生きていけなくなった日本とではまるで状況が違うわけですね。で、日本の国際秩序への挑戦とそれを認めずに跳ね返した米という図式でした。結局日米戦争in東亜or太平洋ですね。

 ポイントは欧州こそがメインであって、いかに大戦争でも東亜は二の次。現行国際秩序にとって相対的に重要ではなかったということですね。ですから戦後処理、新国際秩序形成という大事なものが欧州中心で東亜に力点があまり置かれなかった。それが現在でも影を落としているわけです。

■戦後処理、新国際秩序について

 欧州の場合を見ますと、NATOやらWEUやらECやら、いろいろな形でドイツを欧州という地域機構・枠組みを通じて自分達の中に「組み込んでいく」戦略をとったわけです。ベルサイユ体制やウィーン体制のような、明確な講和=戦後秩序体制を構築せずとも、対ソ連という形で一致団結していったわけです。それはロシアとなって欧州連合が拡大した今でも、基本枠組みとして十分に機能をしているわけですよね。というわけで、まあ欧州の場合は明確な講和などがなくても事実上は問題なく国際秩序が形成され、安定していると考えられるわけです。地域機構が条約による国際体制を代替しているのですね。

 冷戦も終わり、欧州秩序は、正式な条約・講和会議のようなものでなくとも、きちんと安定している。これまでのウィーン体制やベルサイユ体制などしっかり明文化された秩序を成文法に例えるなら、そのような講和条約に基づいた国際秩序は存在していないけれども、EUという地域機構やこれまでの細かい、小さい条約や協定、さらに慣習などの束の上に成り立っている慣習法が成立しているとでも言えましょうか。そのような慣習法的秩序が国際秩序としてきちんと機能しているわけですね。

 しかし東アはそうではないわけですね。未だに東ア秩序はサンフランシスコ体制なんですね。しかもそれに中国・ロシアが参加していない。その延長上の講和や制度にすら両国は批准していない。代償として地域機構・協力などで補完しようとしているのが現状なわけです。ASEANASEAN+3、EAUなどあって日本と中国の関係もあるものの、上海協力機構もありますし、未だに冷戦構造の残滓があると言っていいでしょう。

 日本は一時対ソで、中国と良好な関係を結び、対ソ同盟で中国と国交を回復させるというところまで行きました。また韓国は半島の安定化のためにクロスオーバー外交で露や中と国交関係を築きました。しかし、北は今でも国交を持っていませんし、日ロ関係も国交がない。このように多くの未解決問題を残しています。これは戦後秩序処理が未だに出来ていないということの表れでもありますね。

 そういう所を見ると、現在中国は現行秩序の第一挑戦者であるものの、米ロ日に半島の二国とも国交をもっている唯一のチャネルの持ち主とも言えます。まさに東ア新秩序の中心として機能しそうな大国といえるでしょう。六カ国協議で、北の国際社会復帰とこの枠組を通じて地域機構化、東アの新秩序を作っていこうという目論見がありました。半島と東アと世界秩序を組み込んで安定化させていこう、東ア戦後処理を進めて新秩序を作ろうというシナリオがあったのですね。

 前述通り、今や講和会談などで新戦後秩序、~~体制というのを作ろうという試みは地域機構などに取って代わられています。それは大戦争、小戦争でもいいですが、それが起こってその後講和のテーブルにというのが戦争のリスクが大きくなってあまり見られなくなってきたことがあるでしょう。ですから地域機構の話題が出た時には、講和会談の代替という要素があるので注目して抑えていくとよいでしょう。

 一つの枠組みが、大きな意味を持ったり、機能を果たさなくても、積み重ねた結果大きな意味を持つ。新秩序を形成する、ルールができてくるということがあるので常にその変化を抑えるのが重要になるのですね。現代の国際政治では。

■オマケ、韓国について

 国際秩序についてのコメントはもう十分なんですが、せっかく韓国についてのコメントもしたので、オマケでのっけときます。この辺は拙記事で書いた「反日」という中立戦略(韓国の反日戦略の合理性、韓国版憲法9条か?)に繋がる話でもあるので一応ね。

 日本を独とした場合、独を組み込んで地域共同体のような形で昇華して安定させていく役割を担った仏や英がそもそも存在しないのですよね。地域共同体という形がそもそもありえないというのが大きなポイントの一つ。日本以外のキープレイヤー、アクターが当時存在しませんでしたからね。中国は近代国家として呈をなしていませんでしたし、何より共産化してしまいましたしね。

 半島での戦争によって、独同じく日本を封じ込めようという基本枠組みはその時点で吹っ飛んでしまったわけですね。この時日本が軍隊を派遣して韓国のために血を流していたら、また日韓関係の話は違っていたかもしれませんが…。まあそれはさておきましょう。

 そのようなifよりも、この当時の韓国は、北よりも軍事・経済はるかに劣勢で反日どうだこうだはあまり言ってられなかったと思われます。韓国は軍事政権でその不透明な軍事独裁に対する非難のほうが大きかったですからね。むしろ民主化して時がたった今、「反日」というものが深刻に燃え上がっているという状態だと思われます。

 冷戦時代でもデタントだったり、韓日の政権事情があって軍事的要求を出来なかったこともありましたが、基本的に米は傘下の両国に軍事的負担を要求し続けてきたと思います。

 米が反日を容認するとしたら、間違いなく「この軍事的負担、同盟国(属国)としての一致結束を妨げない限りにおいて」という条件がつくのが正確かと思われます。そのラインを踏み越えているからこそ、米は韓国に呆れているわけで…。

 まあいずれにせよ国際関係の力学は強国の都合が最優先。小国・属国はそれに従わなくてはならないのですからそれを無視して好き勝手に行動する韓国はいずれしっぺ返しを食うのは間違いないかと思いますね。