てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

Foreign AffairsからWhat's an ADIZ?

What's an ADIZ?(David A. Welch) www.cigionline.org/articles/2013/ Foreign Affairsの記事Why the United States, Japan, and China Get It Wrong ADIZについての解説と闘う必要はないという提言ですかね

 対ソ冷戦期に米が設けたもので、他にはカナダ・インド・日本・ノルウェイパキスタン・韓国・台湾・UKが持つと。主に共産圏と接した国が持つということでしょうね。これによって冷戦期の衝突の危険性を抑制したと。ソ連がこれを設けなかったことで、むしろ西側は何時強硬に出るかわからず困ったと。

 あくまで米が始めたものであり、領空でないADIZについて従わなければならない国際法に基づいた根拠はない。しかし安全性が高まる故各国はこれに応じていると。まあ米主導の独自ルールなわけですね。むしろ中国がこれを採用するのは、ある種、米スタンダードに適用しようと見ることも可能かもしれません

 ADIZによってなんらかの主権的権利を主張できるわけでもない。本来緊張を和らげるためのADIZが緊張を高めることになったのは実は初めての出来事だろう。中国の主張は周辺諸国の懸念を引き起こした。中国の目的はブラジルなど沿岸国がEEZ内に軍用機の通行を自粛してほしいと願うものと同じ。

 だが、中国のADIZの設置は地域にとって安定化に貢献しない。不安定化要因となるだろう。中国の首脳部がこれによって尖閣などの領土紛争に有益に作用すると考えているなら間違いだと言わざるをえない。そんな分析官はクビにすべきだ。中国が宣言した今、これを一方的に撤回させるのは非現実的だろう。

 そんなことをすれば、より軍部や強硬派が勢いづいてもっと事態がまずいことになる。中国のメンツを潰すようなことをするべきではない。韓国のADIZの拡大も相まってより不透明になった。今後すべきことは会談の場を設けて妥協点、終着点を見つけること。新しいADIZのルール・合意を作るべきと。

 米空軍首脳は中国に撤回を求めるのは困難とみている。しかし、日本では国会で両院一致で中国の防空識別圏撤回決議。しかも反対ゼロで…。米のやっているとおり、日本も米とともに中国と交渉すべきなのにねぇ…。

 国会議員の誰一人としてForeign Affairs読んどらんのか?まあ、別に読まなくていいんだが、こういう時にアドバイスしてくれる日本人の国際関係の学者に聞くとかしてないのでしょうか?

 それとも強行的な姿勢を見せることで、中国をADIZ交渉・調整の場に引きずり出そうという戦略があるのならいいんですけどね。ADIZがどんなものであれ、国際法的に決められたものではありませんから、これを以って領土・領有主張に有利になるということはありえませんからね。

 ADIZ自体は防衛的なものだから、それを設けること事態になんらおかしなことはない。撤去せよ!撤回せよ!なんて言う方がおかしい訳で。ソ連なんかADIZ設置とかそういうことをせずに、いきなり爆撃してきたわけですからね(大韓航空機の事件のように)。ポイントはそれを事前の相談なしに一方的に通告してきたこと。現行秩序を中国の意志で変更しようという姿勢なわけだがそこら辺の理解は大丈夫かしら?

 むしろADIZがどうたらこうたらいうよりか、ポイントは中国が現行秩序を守るかどうか。中国の意志を一方的に発表&行使しないかということに尽きる。ADIZ問題が交渉で解決しました、フーッヤレヤレ。―だとまた同じことが何度も起きますからね。そこをどうするのかがポイントでしょうね。

 初代NSC局長の谷内氏(あれ?谷内さんって初代NSCになるってことすっぱ抜かれて内定取り消されたんじゃなかったっけ?)が、朝日の記事で「戦略的忍耐」という言葉を用いて、挑発に乗らないことが大事と強調していましたが、どうかな?この言葉は?弱腰だ!とか誤解を招いて叩かれそうだが…。撤回せよ!と言わない所を見ると、多分、谷内さんはADIZという性質を理解しているんだろう。しかしどうかねぇ。安倍・小野寺さんが撤回を求めているとか、それをひっくり返せますかねぇ?