てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

公文書管理と法の悪用を防ぐために

ツイッターで公文書管理について知った情報・問題点を整理してみました。今回の特定秘密法の背景に公文書管理という重要なポイントが有ったのが意外と知られていないかもしれないので、まとめを。

 ○日本の役人は資料を出さない。文書を公開しない。そもそも秘密保護法制定以前に、殆どの法がアクセス不能な秘密・官僚の独占状態になっている。だから何でもない情報の価値が高くなり、時に特ダネになる。情報が公開されないから、警察や検察が喋るネタが重要になってしまい。新聞・ジャーナリストをコントロール出来てしまう。

 ○責任回避のために勝手に文章を破棄出来る。今回の法で保存期間中に破棄出来ると閣議決定された。2011/4に公文書管理法が施行、それ以前は全省庁一括された公文書を管理する仕組みがなかった。廃棄するのも役人の裁量。消えた年金問題はここに端を発する。だから当時の福田康夫政権がこの法を作った(知らなかったなぁ、不完全なものであるとはいえ福田康夫の一応の功績ですね。というか年金問題という国を揺るがすようなことがあって初めて整備されるとか…そりゃ原発事故も起きますね。無責任極まりない体制ですもん…)。

 ○文章の保存・管理・破棄のプロセスが明確になった。破棄する際には内閣府の公文書管理科と国立公文書館の承認が必要に。しかし僅か数十名のスタッフしか人員ががいないため毎年百万に及ぶものを完全にチェック出来ていない。諸外国と比較してあまりにも貧弱。

 ○公文書管理法があったからこそ、菅直人内閣時の議事録不作成が問題になった。既に防衛機密は公文書管理法の適用外で、07~12年までに42000の文書が防衛省の独自判断で廃棄に。同様に特定秘密は他の省庁でも、独自判断で廃棄可能になる(これについては特定秘密と指定することで恣意的な文書破棄を防ぐことが出来るという説明もあります)。ただ解除した時に、全部解除されたかどうかその判定があやふや、本当に解除されたのか判別できない。

 ○米国には職員2000人のナショナルアーカイブ=国立公文書館がある。大統領の会話からメールまで記録・保管される。当然、秘密指定の妥当性も調査される。この秘密がいつ、誰に、どうして、指定されたのかもチェックされる。

 ○秘密の期間が60年と長いし、延長が可能。検証体制が非常にあやふや。秘密の期限も「作成から」ではなく「設定から」となっており事前のプロセスが不透明に。政治家のチェックが入る余地が少なく、官僚にとって都合が良い。むしろ政治家の手足を縛りかねない。大臣・副大臣は特定秘密に触れてもそれを他の議員やブレーンに話せない。当然野党に渡るはずがない。そもそも、この法案の作成者は防衛省ではなく公安(ココらへんが文書管理や情報公開などの透明性を各最大の要因なのかもしれません)。

 河野さんなんか文書管理が一歩進むから肯定的な態度を取っていました。日本のまるでなっていない文書管理体制を少しでも進めたいということかもしれません。それでも大穴が開いていることに違いないのですが…。そもそもこの法案を作るトップに、官僚の恣意的行政を許さないという姿勢がないからでしょうね。こういう透明性を高めることをすれば、政治家は官僚依存という状況がグッと減って自分達有利なゲームになるのですが、そういう理解がないのでしょう。

 結局文書管理(そしてその後の情報公開)の問題に尽きるんですよね。日本の行政の問題って。公文書がまともに管理されない、一般人がしかるべき手続きを経て見ることができない。公開されないから、政治家も報道も問題の本質を詳しく理解できなくなる。どうしたって役人が好き放題やりやすくなってしまいますよね…。

 民主党がまっさきに手を付けるべきはこの文章・恣意的官僚行政に終止符を打つことでしたね…。メディアの報道の不健全なシステムに、法の再検証不可能なシステムここをやらなくては無党派に支持基盤を置く民主がいずれ国民の熱狂が冷めた時はまた自民の既得権票に敗れるに決まっているのに、何を考えていたんですかね…?自分たちに有利なゲームを作らなければ負け続けるに決まっているのに、何を考えているのやら…。

 学者だって外交専門史料ないとろくな研究できませんから、これで商売上がったりですね。唯でさえ米の文書公開に依存しているという情けない現状なのに。

 貴重な研究ができるのも、貴重な文章がちゃんとあっての話ですからね。最近、有名な先生が文書を一人で管理しているからその人に頭が上がらないみたいなのを見ましたけど、まずは公文書・史料というものをしっかり保存・共有するということから初めないと人治社会から抜け出せないでしょうね。

 公文書を秘密化、私物化してしまうというのは、職権と身分を履き違えるという行為の延長にあるのでしょうか?この官庁のトップにあるから、この文書は俺のモノ!みたいなメンタリティが未だに続いているということなのでしょうかね…?

【法の悪用について】

こっから悪用を防ぐ話。

 尖閣のビデオの事件で、政府高官が非公開としたものを職員が持ちだしてビデオをだれでも見られるように秘密を漏らしましたよね。しかし検察が秘密の度合いが高くない、公判が維持できないと不起訴にしたという前例ができました。これは将来、これを世間に知らせた方がいい!知らせるべきだ!と感じる人物の安全が保障されたと言えますから、意外に重要な出来事かもしれませんね。

 法律は無効や改正のない限り死なない、100年先にも存在しうる。そのために悪用される余地を少しでも減らさないといけない。デモだったり、報道でいくら反対しても、廃案も修正もできなかったじゃないか!結局無力じゃないか!という意見もあるでしょうけど、反対意見・抗議の意思表示によって法律の運用に圧力をかけることができますね。破防法や都の青少年育成条例などが良い例。

 あとは、今回十分な審議時間を経ていない、委員長解任などプロセスに瑕疵があるので、あとは選挙でその価値判断を突きつけることですね。反対を言い続けることで、悪用防ぐ圧力になりますしね。通ったからハイおしまい。全く反対運動の意味がなかったなんてことはありえない話ですから。反映される物は必ずありますからね。

 民主主義国家・法治国家は官僚による文書取扱が根幹にあります。その再検証・不透明なところがあれば、国家が機能不全になるのは当然ですね。願わくば一刻も早く公文書管理を徹底化させよ!国民にしかるべき情報公開をということが人口に膾炙するようになって欲しいですね。