てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

The economistから安倍外交の失策について


 The Economist
Japan and America:Spin and substance econ.st/VPKTb7 という記事を読んだので一応その話を。黒字が拙意見のつけたしですね。

 ○アベノミクスでの高支持率。だがリヴィジョニズムであり、イデオロギーをソフトに広めている。オバマ政権はこの安倍政権の態度を警戒しているという前提がある。


 ○九条の見直しをオバマ政権はオープンには促さない。中国を挑発しかねないから。現に安倍首相は中国からそのタカ派的姿勢を警戒されている。米がそれを日本に求めれば、挑発と捉えられ、米中対立になりかねませんからね
国務長官ヒラリー・クリントンも、現ジョン・ケリーも同じ。尖閣リスクで日中衝突の可能性があり、米はそこでの日本支持を明確にしている。であるが故にそれに巻き込まれる危険性があるからこれ以上挑発をしたくないわけですね。日本を守るというスタンスを明確にしている。安保上の不安はないはずなのに、なんで中国を不必要に挑発するんだ!という事になりますね。まあ、ADIZについて色々ありましたけどね

 ○イデオロギー的ではなくプラグマティズムだが、彼の思想を考えるとそれは表面的なものにすぎない。いつイデオロギー面が吹き出すかわからない。

 ○オバマ政権は米を守れるようにするという
集団的自衛権の改正を望んでいない。―と言いますが、これには疑問を覚えなくもないですね。あるいは共和党政権なんか目じゃない外交オンチなのか?そりゃ日本が米を守る!なんて言っても邪魔なだけですからね。ただ、ポイントは集団的自衛権の行使で日本が米の行動を支持しているという表明、国際的支持があるということがポイントなんですが、まさかそれを理解していないのでしょうか?それともこの記事の記者がわかっていないだけなのか

 今、読みなおすと安保の緊密化を望んでいないわけではなく、中国との対立を煽りかねないそれは勘弁してくれということでしょうね

 ○沖縄の基地問題も、沖縄の民意は反対が殆どで米軍に出て行ってほしいと思っている。実行に移せるか怪しい。TPPも日本が入ってこなければ交渉はもっとスムーズに済んだ。日本の遅れた加入で交渉が二年は伸びるとある高官は言ったと。言うまでもなく日本が参加してこその巨大貿易圏の誕生でインパクトが有るんですけどね。そもそもそれを言ったら米が入ってこなければ初発の国はもっとすんなり交渉締結出来たでしょうしね。んで自民党の大半はTPPに反対しているしそれが出来るとも限らないと

―んでつぶやいた時はこういうことを感想に書きましたが…
 アーミテージなんかはよ改正して協力を!と長年言い続けてきた人間からすると噴飯物じゃないですかね?この発想は。まあ、安倍ちゃんが初会談で民主党が日米関係を三年間でめちゃくちゃにしたみたいな頓珍漢なことを言った時点でアレな人認定された可能性は大でしょうなぁ…。

 著書で警戒された過去アリと。ウルトラナショナリストと警戒する声もありながら、その点について、警戒をとくための真意だったり、新刊本で説明したりとかないですもんね…。日本よ、世界の真ん中で咲き誇れ/ワック

―が新刊みたいですが、これは殆ど百田さんによるヨイショ本ですね。ちらっと中をチェックした限りでは、結局以前から政治主張は変わっていないみたいですしね…。自分達が他者からどう見えるのかという視点が全く無いですね…。それは米でも中でもどこでも言えることですが…。

 まあ戦時中に良いことをしたとか、悪いことをしたとか、いい加減歴史に善悪を持ち込むの止めたらいかがですかねぇ…。それじゃあ歴史の本質を見落としてしまいますからねぇ。

 誰書いているか分かりませんが、日本の戦後の経済成長は米の安保の庇護下にあったというロジックがまた出てきたけど、米のロジックでは日本の経済成長は米のおかげ、ワシが育てた!みたいな意識が強いのかしら?中国のワシラが教えたんだ!という意識と瓜二つなんでしょうかね?やはり<―つぶやいたのここまで>


 ―前回の記事で解説したように米は日本を守っている。尖閣での防衛も約束している。つまり、日本を守ってやっているという発想ですね。この記事多分ネイティブが書いているんでしょうね、文章が読みにくいです。んでどうしてそういうことになるかという行間の説明がスカスカ。まあこの地域の政治情勢に詳しい人は理解できるかもしれないですが、そうでない人にはこれ、多分伝わらないでしょう。オバマ政権が自衛権の解釈変更を歓迎しないというわけじゃなくて、対中挑発になって中国との関係悪化を招きかねないから警戒している・慎重になっているということですね。もっと端的にいうと、中国に好ましく思われていない・嫌われている、安倍氏集団的自衛権容認は米にとってもどうしたものか?とスッキリしないモヤモヤした感じになっているということですね(まあ、もちろん安倍氏個人への警戒もあるんでしょうけど)。

 九条の見直し=集団的自衛権の容認=日本の軍拡=中国は懸念する。そういう図式がある以上、慎重にやらなきゃいけない。日米が同盟関係にあって、基本「米が宗主国で、日が属国」という関係ですから、「米がやらせた」と米の意志・意図を中国に誤解される恐れがあるわけですね。米日VS中という図式にどうしてもなってしまう。米はそういう図式を作りたくないですからね。

 安倍政権には九条解釈変更・改憲をする上で同時に、中国とのパートナーシップを築く必要がある。中日友好関係を地域の安定のために強固にする。今まで以上に深化させるということが当然要求されるわけです。そういう自明の理・力学を無視して緊張を高めたことは、オバマ政権に取っても迷惑な話なわけですね。米は中国を挑発する意図はないよと「失望」声明を出して中国の懸念を打ちけさなくてはならなかったと。

 そういう力学もありましたね。これについては見落としていました。安倍政権の外交的稚拙さという指摘をここで改めてしておきたいと思います。そういうことを考えるとオバマ外交の稚拙というか今回の失点、ミスにもそれなりの理由があると言えますね。当初は考えられないミスだ!と思いましたが、まあそこそこ、普通のミスっていうレベルでしょうか。

 ※追記、これについては逆も真なりで中国もADIZのようなことをやるとするなら、日本など周辺諸国の了承を取り付けておかないといけなかった。ADIZについて日本へ2年程前に通告をしていたようですね。しかしこういったことが如何に正統な主張であっても、中国の領海・領空権の主張と日本が受け取る状況であるならば日米はこれを当然認めないわけです。東シナ海など自分達の近海をコントロールしたいというのが中国の課題なのでしょうが、それを達成するために隣の大国日本から警戒をされていたら、必ず日本からの横槍が入ってスムーズに行かない。国際社会からの了承を取り付けられにくくなる。だのに一体何やっているんでしょうね…、中日とも。戦略目標を達成するためにちょっとは歩み寄れと言いたくなりますね…。