てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

フォーリン・アフェアーズ・リポート 2012/5

フォーリン・アフェアーズ・リポート2012年5月10日発売号/フォーリン・アフェアーズ・ジャパン

¥2,200 Amazon.co.jp
ベビー・ギャップ

出生率を向上させる方法はあるのか /スティーブン・フィリップ・クレーマー

 いつもの話ですね。フランス・スウェーデンなど成功した国はGDPの4%に当たる予算を設けていると。そこまでして初めて少子化を止められる。福祉予算の殆どをそちらにつぎ込むくらいのことをしないと無理ですね。伊・日のような伝統的家族感に固執する国は失敗すると。愛国・保守と言いながら少子化で国を滅ぼしているんですが…それは?

風力・ソーラーエネルギーのポテンシャルを引き出すには

― 悪い補助金からスマートな促進策への転換を/ジェフリー・ボール

 米の補助金は投資家やただ設備を作るだけという効率の悪いものになってしまった。真の効果的な再生エネルギーの育成制度を問いなおすべき。現実性に乏しいからといって再生エネルギーを諦めるのはもったいない、ナンセンス。技術革新で大いに進んでいく可能性は十分あるし、化石燃料に頼り続けるリスクを考えれば、それをしない訳にはいかないだろう。

 エネルギー問題→再生エネルギー予算増→非効率&不景気・経済危機で停滞というのがまあこれまでの流れ・サイクルか。再生エネルギーは固定価格買取制度でないと無理。よってそこに噛む企業はおいしい。当然前述通り補助金・支援制度頼みなのでそれがなくなればリスクも有るということだが。いずれにせよ政治なくして不可能ということですね。公共事業・利権化の危機も当然あるということでもありますね。

 ドイツ統合の機会に雇用創出の一貫(無論チェルノブイリの流れで原子力の忌避もあり)としてソーラー市場は成長した。10年の中国はR&D抜きにして500億ドルを再生エネルギーの投資につぎ込むこの分野のリーダーになっている。独410億ドルで米は300億ドル。中国の低価格のソーラーパネルが欧米市場を席巻した。その企業の一部はダンピングだとWTOに訴えたがそういうのは再生エネルギーの発展にいい影響を与えない。再生エネルギーの未来の為にそういった国のシェア争いは止めるべき。

 ただ、国内の雇用の維持という性質が反映されるこの分野において、その理念はどこまで通用するのでしょうね?世界的な協力・フェアネスを優先すべきという意見は正しいと思うのですけどね。

 連邦・州・地方レベルで許認可が曖昧。一貫性あるルールで競争を促し効率を高めるべし。米はこの分野で技術革新を担っていける。エネルギー問題はイデオロギー色が強すぎた。何より経済採算性無くしてはありえない問題。効率的な電力生産を何より重視すべき。そうでなくては再生エネルギーは根付かない。

教育と国家を考える/ジョエル・I・クライン、コンドリーザ・ライス

 米の全体の教育レベルの低さについて。まあ、対談は大抵つまらないのであんまり読む価値ないと思います。

<特集 脅かされるユーロとEUの政治基盤>

ヨーロッパ経済の危機再燃は避けられない

― 世界経済アップデート /ルイス・アレキサンダー、ジョイス・チャン、ヴィンセント・ラインハルト

 ポル・ギリ・アイルが支援プログラム対象になっている。スペインもそのうち。※13/11の時点でスペインとアイルが1月に支援プログラムから抜けるとありました。EU経済は安定化しているんですかね?そういやアイルがユーロ脱退する云々あった気がしますけどどうなんでしょ?三人のうち二人がユーロ加盟国が現17から減ると見ているのが興味深いですね。毎回どっかしら問題起こしてますしね。一時的なユーロ脱退の国が一つか二つくらいあってもおかしくなさそうですね。

 

 今後三年でヨーロッパ経済は困難に。2014年までにスペインとイタリアは8000億ドルの資金が必要。強いヨーロッパと弱いヨーロッパに分裂するか?どうみても新財政協定を参加国全てが守れるとは思えない。米もEUも中国も分裂が一つのテーマになってくるかもしれないですね。

 米にとって重要なのがガソリン価格の上昇。それが消費を冷え込ませる懸念あり。紛争による高騰は米経済の重要はポイントと。今はシェールガスあるからそこまででもないかもしれませんけどね。

ユーロリスクとヨーロッパの政治危機 /トマス・クロー

 まあ、前述通りのリスクの話。経済成長と緊縮財政のバランスをどうするのか。一年前と違ってユーロを守るという政治的意志があると。ただそれがどのような制度・政策となって反映されるか次第ってところかしら。

<特集 イランとシリア問題の行方>

Z・ブレジンスキーとの対話

― イラン抑止、ロシアの欧米化、アジア外交の非軍事化を /ズビグニュー・ブレジンスキー

 イスラエル空爆を支持しない。アフガンやイラクを不安定化させてアメリカを混乱させる。ヒズボラは言わずもがな、シリアと協力して地域紛争の構図があるし、湾岸が封鎖され原油高騰で世界市場へのダメージもありうるから。米は外交的決着を念頭に置いている。する場合は大規模核開発の証拠を抑えて、安保理での制裁決議による。

 イランよりもイスラエルのほうがメシアニスティック(運命論・悲観論とかそんな感じか?)。自滅的な行動も辞さないという判断をするとは思えない。イランには交渉が通じる。

 政府勤務時代ソ連から核攻撃を受けているという誤報があったというエピソードは面白いですね。本当なら核の反撃に出て両国で8500万の死者が出たと。

 プーチンソ連崩壊を20世紀最大の悲劇と考え、ユーラシア連邦ソ連復活を夢見ている。日本とすればココらへんにどう対処するかが対ロ外交のキーとなりそうですね。最近安倍ちゃんが仲いいですが、そこら辺をくすぐったりしているんでしょうか?ロシア市民への民主化の波は確実に広がっており、このようなノスタルジア路線は長くは続けられないだろうとしていますね。

 ブレジンスキーはロシアとトルコの欧米化・民主化がポイントとしている。逆に言うとそこがその流れから逆行することが世界不安定化の一つのポイントといえるわけですね。

 中国との衝突、覇権戦争理論の否定。今は古典的リアリズムの時代ではないですからそのとおりでしょうね。

 中東でアメリカが歓迎されなくなってきていること、安定した良好な関係が築けていないことなど非常に難しい状況にある。中東和平プロセスの失敗が大きい。今後大きく進展する見込みもまた少ない。

バッシャール後のシリア

― 破綻国家化を回避せよ /ダニエル・バイマン

 最初ここに書いたのですが、ちょっとこれだけ文量が多いので分けました。リンクはこちら

イラクがシリアを擁護する理由

― 「イラン化する」イラク /モハマド・バッジ

 湾岸諸国のイラク主催のアラブ連盟首脳会議への参加見送り。イランと同盟関係にあり、シーア派の影響が強くなっているマリキ政権を敬遠している。スンニ派諸国がマリキに協力しなかったため、シーア派のイランに擦り寄らざるを得なかったという背景もある。シリアへの軍事支援物資がイラクを経由して輸送機が飛行しているのはイラクがこれに協力しているということ。一時はイラクバース党員を匿っているというシリア非難もあったが、シリアで民衆蜂起が起きてからはイランが政権安定化のためにマリキ政権を重視し、イランとの関係上からシリアとの関係も安定化しつつあると。米が要求してイラクの領空を経由した支援はストップしたが米の圧力がなくなればこの関係が復活することは明らかと。

経済・貿易の世紀と伝統的外交の終わり

― TPP、知的所有権NGO /ロバート・ホーマッツ、ティエリ・ド・モンブリアル

 国務次官補へのインタビューですが話題が広すぎて…。せ、せやな…としか言い様がない文章でしたね…。

意外にローカルなツイッター /ユーリ・タクテエフ、バリー・ウェルマン、アナトリー・グルーズド

 上の文章と合わせて、これいる?っていうもの。

アノニマスの活動はテロか抗議行動か

― サイバー空間と抗議行動 /ヨハイ・ベンクラー

 内容とは別にして、アノニマスというのはウィキリークスを潰そうとする米政府の動きに対する反発なんか見ればわかるように、政府の不健全性を糺す!という民主主義の個人の善意という要素があるわけですよね。そこには悪ふざけ、更に度を越した犯罪行為というのも含まれるわけですけど。まあいつものごとく相反性・両義性がある話で。

 ネットでの特殊な技術を持った個人が反政府運動、革命的なことをやるってのが21世紀型の革命の特徴なのかもしれませんね。現代の坂本龍馬はネットでの活動、炎上やらリークやらそういうものと紙一重といえるのかもしれません。ネット上の人格攻撃がテロとして使われることもありえそうですしね。

漂流するアメリカの政治

― 共和党穏健派の衰退と党派対立 /ライハン・サーレム

 これも前回の内容に近く面白そうなので別枠で語りたいと思います。

 

グローバル化する非感染性疾患

― なぜ途上国で慢性疾患が広がりをみせているか /トマス・ボリキー

 非感染性疾患(NCDs)で命を落とす途上国の人が増えているという話。今まではそういう疫病でバッタバタなくなるというテンプレだったのが、その対策が進んで普通の病気で死ぬと言う問題を抱えるようになったということでしょうか。当然対策に十分な資金も力も当てられないでしょうしね。米欧でのタバコ規制の煽りを受けてアジア・東欧・ラテンアメリカでタバコが増えていると。いずれアフリカにも波及すると見られている。少女の喫煙が増えているというのがちょっとした驚きですね。