てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

アニメ鬼灯の冷徹のヒット


 最近見たアニメで面白かったのは、のんのんびよりですが、鬼灯の冷徹も面白かったのでこれについてちょっと書きたいと思います。のんのんびよりは田舎からちょっとした都会(普通の市か?)に出てこなかった版の『よつばと!』的な感じがしています。れんげ以外にいまいち周りの三人がそこまで魅力を感じるような面白さがないのがそこまでヒットしなかった要因でしょうか?

 にゃんぱすーとかのキャッチフレーズというより、間とかテンポのしゃべり方、言葉のタイミングが絶妙ですよね。この辺については声優さんの力でしょうか。しかし黒塗りにしてそこから頭を出して、これはよくアニメのオチにある、「トホホ、~~はもうこりごりなの」ってやつとか、彼女の独特のセンス・キャラの力がすごいですよね。こういうのが個人的にツボにはまりましたね。破れかぶれのヤブ医者の歌とか、テンション高くなって歌のラストでいきなりダイビングするとか。レンゲの花の説明でどうしていきなり呼び捨てになった?二人の間がこの一瞬でどうしていきなり急接近したの?とかそういう持って行き方が本当に面白かったですね。

 のんのんびよりについては本当に面白かった(小並感)―しか書くことないので、書く機会がなかったのですが、まあせっかくなんでこの機会に一応触れておきました。鬼灯の冷徹の場合は一応他の視点を指摘できる、提供できるかな?と思ったので取り上げておきたいと思いましたので。

 ※そういえばキルラキルもありましたね。あの展開の早さ、ノリは面白かったですね~。タイトルがKill a Killで、「殺す」を「殺す」、悪を持って悪を制すみたいな形のラストになるのかと思っていましたが違いましたね。皐月様のラストの展開がそうだったと言われればそうだったかもしれませんけど。とすると、完全に皐月様が主人公になっちゃいますが(笑)。うしおのかーちゃんとか、散々言われましたけど、やっぱ太眉は正義ですかな。アゲインといい、あーいうヒロインが流行るのでしょうか。個人的にああいうのがタイプなだけだろ!いい加減にしろ!と言われたらそれまでですが(^ ^;)。


鬼灯の冷徹のヒットは独特の世界観の表現にあり】
 やはり、このアニメがそこそこヒットした。受けたというのは独特の世界観だと思うんですよね。それをアニメ化することによって原作漫画よりも、ああこういう世界観なのか~とか、漫画よりも鬼灯などのキャラがこういう世界で生きているんだなと想像しやすかったのが大きいのではないでしょうか?


鬼灯の冷徹8

 テキトーにですが、ああ、こういう世界観なのね。と見る側が漫画よりもはるかに想像しやすい。世界観に浸りやすかったということが大きかったと思います。半日常&半ギャグという漫画ですから、日常系の世界観を伝えるために非常に良かったのではないでしょうか?


 こういう作品の舞台が普通の世界ではない作品というのは、その独特な世界、ファンタジーワールドに引きずり込むことが重要ですから、その世界を上手く表現できた、見る側に伝えられたことは大きかったと思います。逆にいうと漫画ではそれが不十分だったということでもありますが。


【漫画鬼灯の冷徹は読みにくい】
 で、そもそもなんですが、この作品はアニメ化する以前から結構売れていたらしいんですよね。サラリーマンが地獄という世界での労働環境を自分の姿と重ね合わせたり、腐女子人気があるとかないとかで、結構ウケていたらしいですね。

 個人的にはモーニングでそういやこの作品あったなぁと、アニメ見てから気づきました。何回かチラ見した時は、全く印象に残らなかった。ぶっちゃけつまらないと思っていたので凄い意外に感じました。

 で何故そう感じたかというと、漫画だとやはりコマ割りが悪い。背景が白いのが多くて、世界観が伝わりにくい。セリフ枠と背景の白さが目立って、人の対話が多いのが、漫画としての魅力が伝わってこない作品だと思いました。この作品のキャラとかに惹きつけられている人は問題ないでしょうけど、初見でそこまで食いついていない人にはかなりキツイ漫画だなぁと思いました。

 台詞の多さとテンポは銀魂を連想させました。銀魂も台詞が多くてキツイ!と言われる漫画ですが(作者が自虐してましたね)、それでもセリフ周りにしっかり背景が書き込んである。その分騒がしいというか、濃いというか、なんか一話一話に文字も画もつめ込まれていて忙しないという印象を受ける作品なんですよね。場合によってはそれが嫌われる可能性もあると思います。個人的には好きな作品なので慣れればまあ気にならないかなと感じるんですがね。最近は、面白いという展開と、これは天どんしつこくて滑ったかな?という回の差が激しいと感じていますが。

 それはともかく、銀魂と違ってセリフが多い漫画にもかかわらず、背景がない。キャラとセリフだけが目立つという印象を受けました。二、三話読んだだけなので、もしかしたらその回だけがそうだったのかもしれないですけどね。とにかく白さが目立つというのは漫画の技術としてかなり問題があるのでは?と感じました。ドラゴンボールでもハンターでもなんでもいいんですけど、そういった大家の作品にだって背景が描かれていない。悪い表現で言うと手抜きをしているコマ・シーンというのは必ずあるわけなんですね。しかしそういった大家は白さを感じさせない技術を持っているんですよね。

 キャラ同士の立ち位置で視線を一点に誘導して、読み手がここに視点を合わせるというところに背景を書いて、
その誘導先に背景をちょこっと書くだけで読み手に今こういう場所にいると想像させて必要最小限の背景で済ませるとか、やはりそういうことをちゃんとしてますよね。最初に大きく背景書いといてこういう世界だよとそうぞうさせやすくするとかそういう見せ方の技術をしっかり持ってますよね。

 会話だったり、モノローグのシーンとかでも今、回想入ったということを黒塗りで表現するだとか、場面の展開を表して時間の流れや場面の流れをうまく表して描かなくても読み手に伝わるように省くとか、そういう技術がしっかりしてますよね。むしろそういう間合いを表現できるからこそ、余計な背景をかけばごちゃごちゃして邪魔になる。描かないことでむしろ時間の流れなどを表現する。コマ割りで読者の視線誘導などもあって、描いたらそれが出来なくなるということを知り尽くしているんですよね。

 むしろ余白、何も描いてない白さが必要になるって感じでしょうか。何も描かないことでうまく表現する技術を上手い人は持ってますよね。上手い漫画は映画のようにムービーとして読み手に読ませる。コマとコマの間を読み手に想像させて、無理なく映像として再生させますからね。
ずっと前の記事にかきましたけど、読み手の脳内に映像として構成させてしまう能力こそ漫画家としての技量の高さですね。

鬼灯の冷徹4



 こういう構図はアニメだけだと思います。こういう構図、視点の流れがあるので観る側は非常に楽だった、漫画より見やすい作りになったと思います。自分がそこにいるような感じで作品をストレスなく自然に入り込めたと思います。アニメを見て、へぇ、今まで見ていなかったけど、結構面白そうだな。今度ちょっと読んでみようかな?と思いましたもんね。んで、実際に読んだ感想がこういうものになったわけで。


【アニメ化が必要不可欠な漫画という時代が来る?】

 で漫画としてそこまで技量がない場合、こういうアニメ化というのは非常に重要なポイントではないかな?ということを今回思いついたのでそれについて書きたいと思います。

 そんな長くもないですけど、要するに漫画としての技術が乏しいが、世界観やストーリーで光るものがある面白い作品はアニメ化するという手があるということ。今回鬼灯の冷徹のコミックの売上が伸びているというのは、きっとアニメ化による世界観の浸透が大きいでしょう。アニメ化で事前にこういう世界観だということが伝わっている。漫画だけでもアニメを見て世界観を読み手が脳内補完してくれる。こいつ…!直接脳内に!って感じでアニメが漫画の足りない部分を補ってくれる。ですからアニメ化によって漫画の評価が見直され、価値が高まる。そういうことが今後もあるかもしれません。

 アニメ化によって漫画が更にヒットするなんていくらでもあっただろ!いい加減にしろ!と思うかもしれませんが、元から漫画単品で魅力があって売れているものが、アニメによってさらに注目を集めるというのとはちょっと意味合いが違いますからね。アニメが漫画の足りない部分を補うという効果・意味合いが大きいわけで(そういえば今思うと聖闘士星矢なんかそういうところがあったかもしれません。バトルシーンで一枚絵でいきなり相手が吹っ飛ぶみたいな伝わりにくいアクションシーンで有名ですからね、車田さんは)。

 そういう意味で『ふり向くな君は』、今は『DAYS』ですが、この作品をアニメ化するのも面白いんじゃないかと思います。この作者の漫画はサッカー漫画というより青春モノ、人の成長をサッカーを通じて描いているという要素が最近強いですからね。『エリアの騎士』とか『Be Blues』とか他のサッカー漫画みたいなサッカーのプレーの表現をしている画が本当に少ないですもんね。

 その場にプレーヤーや観客として自分がいるというような臨場感がない。コマとコマが生きているようにつながってませんから。アニメ化して補ってやらないと厳しいんじゃないでしょうか?今週読んだら正方形と長方形のコマ割りばかりで、やはり読み手の視線の流れというものが意識されていないなと感じましたしね。作者本人も実際に動いているアニメを見て、ああこういう風に書けばいいのかと気づくことも多いでしょうからね。アニメ化して欲しいところですね。

 ※あと、『私立T女子学園』みたいな漫画のように、殆どストーリーがあるギャグ漫画でも、四コマ漫画になっている作品があります。四コマ漫画の場合、あまり背景を描かなくていい&ページ数が然程多くない。マガジンでも女子の野球漫画、ソフトボールだったかな?ストーリーモノでも四コマ漫画として連載しているものがありましたし、鬼灯の作者さんなんかは背景が白いというのは連載ペースがキツイからという要素があるかもしれません。であるならば、こういう四コマ化ということも考えてもいいかもしれませんね。


【動物モノのアニメ化はあり?】
 で、今回の話はもう終わりで、書くことはないのですが、おまけとして余計なことを。アニメを見て思ったのはシロの可愛さ。


鬼灯の冷徹5

鬼灯の冷徹6

鬼灯の冷徹7


鬼灯の冷徹9

 シロがかなり目立っていました。シロが出るたび食いついた人も多かったと思います。また、他にもいろいろ動物が出ていましたが、こういう動物でウケるアニメって今後出てくるんじゃないかなぁ?と見てて感じました。動物のお医者さんとかアニメ化したら普通にヒットするんじゃないかな?と思いましたね。

 動物のお医者さんでテレビでは困ったら子供か動物をだせ!みたいなことを言ってるのがありましたけど、アニメでそういや動物要素あるものって思いつかないなぁと。これまでにもあったけどヒットしなかったからタブーみたいになってるのかしら?流れ星銀なんか昔ありましたけどね。動物のお医者さんなんか面白いと思いますけどね(二回目)。

鬼灯の冷徹(1) (モーニングコミックス)/講談社


鬼灯の冷徹 第1巻(期間限定CD地獄)Aver.(外付け特典なし) [DVD]/安元洋貴,長嶝高士,平川大輔

¥5,616 Amazon.co.jp