てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

中国の「國體」と領有権主張は日本を有利にする

今の中国の外交などの行動をうまく説明するのに、戦前の日本の戦略が「國體」を守ること、自分たちの価値観を守るために行動していたことと重ね合わせると上手く説明できるんじゃなかろうか?中国の「國體」という切り口で説明すると割りとわかりやすいのかも?と思いついたのでメモ。

 中国の今の外交は理にかなわない、周囲から見ると大国なんだから、もっと自制しなさいよと呆れてしまうところ。その今の中国の外交を見るにどうしても既存のロジックでは説明しにくいものがある。よって、中国の独自の論理、心理を説明するのに彼らは「國體」を護ろうとしていると説明するのが一番わかり易い。当時の日本のように「國體」があるとするなら、彼らの「國體」とは一体なんなのだろうか?

 彼らはGreater China、「偉大な中国」がかつて存在したと考え、その「偉大な中国」というのを維持・発展させていく事こそが「正しい」ことだと考える。中国は偉大であり、世界一の大国であり続けてきたという神話を彼らは共有する。偉大な中国は、その都度その優れた文明を広めて、領土も拡大してきた。よって少しでも中国の影響がある地は中国化されるべきであり、中国の領土であるべきであると考える。

 よってかつての「偉大な中国」の一部であったとされる僅かな領土にこだわる。現代の価値観、国際秩序や力学を考慮しても、彼らの政治・経済的利益を考えても、周辺諸国と領有権紛争を引き起こすのは好ましくない。コストの方がはるかに大きいのにもかかわらず、彼らは戦略的目的を無視してこだわる(無論、対米対抗、自分たちの勢力圏を確保するという合理的な理由ももちろん存在する)。こういうふうに説明するとわかりやすいのではなかろうか?

これだけだと短いのでおまけ。

 米中冷戦のとこで見たロバート・ロスの南シナ海の領有権のコメント、「これら島嶼群には、漁業権を別にすれば、経済的価値もみるべき鉱物資源もなく、戦略的にも小さな価値しかなく、軍事行動を正当化するにはこれらの島嶼群の価値は小さすぎる」

 ―というのを見て思いついたこと。中東で何かあれば米はここに関与できなくなる。

 米が東アにおいて二正面作戦を取れない時に、中国が隙を突いて偶発的事件・衝突をきっかけに、中国が実効支配してしまう。米は中国とこのような島のためにフィリピンなどを支援してくれない可能性が大いにある。クリミアのように拱手傍観するしかないことを東南ア諸国は当然恐れる。

 そこに日本の出番がある。日本がこの地域を超えて軍事行動・作戦を展開して、そのため行動ができないということは基本的にない。日本が島についての軍事能力を強化して、何かあったら日本が既存秩序の現状維持のために軍事行動を展開する。対中ストッパーになる。

 尖閣諸島の領有権について、すったもんだしたばかりであり、日本がここで一歩も引く気がないのは明らか。そして安部総理の反発必至の靖国参拝に踏み切った裏の意味を考えると、尖閣含め東・南シナ海での日本の軍事能力の強化と現状維持重視で東南ア諸国に秋波を送っているということではなかろうか?

 島嶼限定の反中同盟の意思表示、決意表明=靖国参拝。とまあ米欧系のメディアならそんな風に解釈してもおかしくないですね。中国は日本は反省していない!と言って、日本は中国の軍拡などについての危険性を唱えていますし、そう考えると中日対立はスッキリ説明できそうな気がします。

 ですから、米が本当に日本・東南アジアのシーレーンを守れるのか?能力だけでなく意志として、そのつもりがあるのか?という事が疑われている以上、日本のこの地域におけるプレゼンス・軍事能力が拡大する可能性は意外と大きいかもしれないですね。

  米欧の価値観は近く、イラク戦争における国際法違反においても、欧州はさほど問題としてひきずる感じはありません。そのような米の「覇権」の行使にショックを受ける東南アジアがより中立性、法の支配を求めて日本のプレゼンス拡大・関与を歓迎するという図式を今思いつきました。

 まあ、首相の靖国参拝が、中国の共産党内の強硬派や軍部の声の拡大に繋がるという負の効果を与えてしまった!―というのと全く同じロジックで、中国の対外的強行外交、中国主導の新秩序の主張は、日本のこの地域におけるプレゼンス拡大に役立ってしまうというママおなじ形になるのでしょうね。フィリピンが今、日本の関与を歓迎していますしね。