てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

ボコ・ハラムの話、米欧の手によらないイスラム国際機構による自主救済を


 ナイジェリアの誘拐事件の首謀グループの話。ボブ・ハラムじゃない、ボコ・ハラムボブ・アラムとごっちゃになってんよぉ~(^ ^;)。気になることがあったので、ちょっと調べてみました。ボコ・ハラムというのは西洋式教育は罪という意味みたいですね。

 近代化・西欧式のスタイルの変化を拒むというのが根源にあるのでしょうね。イスラム的価値観こそ至上であり、それ以外の価値観は汚れている・間違ったものだという価値観ゆえの行動でしょう。だからこそ女性への教育をターゲットにして、誘拐&強制改宗ということをしているわけですね。まあ、どう見ても、背景に暴力がある強制改宗という手段はアラーもムハンマドも許さない暴挙ですが。

 近代化、西洋スタイルを推進する教育を目の敵にしているところがポイントでしょうね。女子生徒を狙うだけでなく、学校襲撃して男子生徒を殺害したこともあるようですね。学生がターゲットという戦略があるようですね。近代化の開発によって、取り残された人々がそういう方向に向かうということと。開発・発展が均等・公平に行われずにある。社会福祉が整わない開発独裁というのは昔っからずーっとあってその反発としてこういう形に繋がっているということでしょうね。

 北部がイスラム圏で南部がキリスト教圏、仏・独・英などの植民地統治が錯綜したり、軍政と民政を何度も繰り返して不安定だというお国柄に注目すべきでしょうか。今の民主化されての文民政権も21世紀から、かなり民主化の歴史が浅いところですね。

 それまでは北部の軍事政権が力を持っていたのが、南部のグッドラック・ジョナサンキリスト教系の大統領が誕生して、構造が変わったというのも大きいのでしょうか。せっかくキリスト・民主政権なのに、それが後退するのは米欧側にとっても嫌なことなのでぜひこれを後押ししたいというところでしょう。しかし国として、米欧の協力・支援をあまり積極的に導入してこなかったみたいですね。米欧の支援を後ろ盾に、国内のイスラム系と対立するという図式に、地域対立・部族対立を煽りたくないということでしょう。

 北部が急進化してシャリーアイスラム政治を求めるという、宗教上の動機に基づくそれは今までもあったことですし、珍しい話ではないですが、同じ南部でも経済開発の問題から反政府運動の組織化があるとか、かなりややこしいことになっているようですね。頭脳流出が深刻で、国家運営をする上での人材リソースが不足しているが故でしょうか?国民的一体性がないために、部族の論理で動いてしまうとか、そこら辺でしょうかね?


 で、まあ言いたかったことというのは、米欧が反応して対処しようとするよりも、イスラム側がまず何とかすべきということ。報道されてないだけで、権威あるウラマーみたいな人がなんたらかんたら言ってる気がするんですけどね。イスラム的な価値観が絶対という点では多少共感するところもあるんでしょうけど、非合法的な改宗だったり人身売買を認めるわけ無いですから。

 かえってイスラムの上の人が反応してしまうと、上の奴らは間違っている!キリスト・米欧との聖戦だ!みたいに反応して逆効果だったり、変なアクションにつながりかねないのでそっとしているという可能性があるのでしょうか?政権の中枢にあるのがキリスト系というのが事態をややこしくしているのは間違いないでしょうね。これが世俗的イスラムの人なら、もっと単純に過激派を否定できたんでしょうけど、西欧価値観の肯定ともつながりかねないことに簡単に同調できないという背景がありそうですね。


 こういう時に米欧の介入・干渉があるからこそ、イスラム圏の反米欧意識というのが形成されていく要因になるので、一番いいのはサウジとかエジプトとか、イラクとかトルコとか、そこら辺で地域機構作ってイスラム圏の人達自身の手で介入、解決されることなんですよね。そういう自律的な動きをする機構が出来ないとイスラム圏の過激派・テロ問題は進んでいかない気がしますね。

 まあ、こういう問題は氷山の一角で、今後もいくらでも起こるでしょうし、なくならないでしょうね。

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