てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

宮台真司さんの重武装を否定する遠藤さんへのコメント

集団的自衛権容認・否認双方とも改憲で民意を問うべきの続きです。

 で、北海道大の教授でEUなどが専門の遠藤乾さんがこの宮台さんの説に対する反論というか、批判をしていました。それについて今回は触れたいと思います。

 (集団的自衛権 行方を問う)アジアの信頼得て9条改正を 宮台真司・首都大学東京教授 の宮台さんの主張に対して反論がないのがおかしいと。

 宮台氏の議論は『日本の難点』から一貫しており、9条依存思考を正し、それと対米依存との関係を問い、さらにここでは集団的自衛権と法原則を問題にする上で有用だが、問題はそのビジョンが破たんしていること。

  最大の問題は、日本の重武装化・9条改正・対米自立を唱えていていることで、それがアジアとの緊張緩和と信頼醸成とどう両立するのかはなはだ疑問。軽武装と9条を踏まえて、東アジアとの信頼醸成をする道の方が現実的なのでは。

 おそらく、アメリカに視線が行き過ぎ、対米自立を至上命題とする余りの誤りだろう。集団的自衛権反対なら、どんな論拠でもよいのか。カリスマ論客を前に萎縮?朝日新聞も他の論者も何も言わないのだとするとおかしい。

 ―とまあそんなことがつぶやかれていました。

 「対米自立」に色々なスタンスがあるのだろうけど、多分宮台氏の言う対米自立は集団的自衛権の行使否定=日米安保の否定ではないのだろう。そこのところを円堂さんが理解しているかどうか…?軽武装&9条&信頼醸成というのは、とどのつまり既存路線の維持であり、これまでの構造を維持することになる。東アにおいて現在の構造を維持するのは問題をなんら解決しえない。

 日本が重武装化というか、PKO含め海外である程度軍事力を行使するようになれば、独自の戦略・外交力を備えるようになり、国際政治でのプレーヤーとしての地位を増すことは確か。だが、東アにおいて日本がプレーヤーとしての地位を増す事が問題の解決に繋がるかどうかと言われるとたしかにそこは不透明と言えます。

 しかし現在の中国台頭&停滞(?)という図式、更には中国主体の新秩序構築というのが現在の東ア外交の核。しかも日本も同じく既存レジーム変更を望んでいるのに、日本と折り合いつける気がまるでないという奇妙なねじれ構造が存在しているという図式がこの地域には存在しています。日中両大国の合意なくして地域の新秩序なしなはずなのに、その可能性が欠片も見えていません。

 東アにおいて急速に台頭した中国が、自国に好ましいように既存レジームの変更を願い、周辺諸国の懸念を煽る。そういう中で情勢が不透明である以上、日本の重武装化・独自路線というのはある程度不可避の流れではないかと思われます。実際になされるかどうかはおいといて。

 そういう観点から考えると、そもそも信頼醸成にあまり熱心ではない中国に対して、既存路線維持というのはあまり適切な対応とはいないでしょう。

 そして「信念のオウンゴール」という言葉で遠藤さんは首相の靖国神社参拝、河野談話の再検証などは政治家の信念に基づくものであっても、日本が積み重ねてきた和解の方向を逆回転させる自責点だと論じていました。それはたしかにそのとおりだとお漏れも思います。

 遠藤先生はEUが専門でその分野では優れていると思うんですが、日中とか東アの話になると?と思わなくもないんですよね。どなたの学説を参考にしているのか、その上でEUでの研究を反映させているのかわかると、理解しやすいのでしょうが…。ちょっとわからないのでなんとも言えないんですが。

 現状の東アの国際秩序というか、日中とか日韓の基本ロジックであるものを踏襲すべきというツイートしてたと思うんですよね。いわゆる信頼醸成路線ですね。ただ、東アのそこら辺をやってた己から言わせると、それで解決はまずしないと思うんですよね。

  まあ言うまでもなく、EUあたりと東アの地域情勢の基本ロジック・構造ってまるで違いますからね。前近代国家だったり、そも米欧主導の国際秩序への挑戦者だったり、色々ありますからね。あんまり直接的に参考になるロジックを引き出さないほうがいい気はしますね。色々貴重な教訓は学べるでしょうけど。

 この地域における最大の問題というのは、EUほどの関係が深いものである必要はないにせよ、地域機構の不在という構造に尽きると思うんですよね。ASEAN+3などありましたが、地域の安定化を図るメカニズムなくして、地域情勢の安定化はありえないはずなんですが…。

 まあ、安倍さんの東アレジーム・新秩序が的を得たものかどうかはさておいて。いずれにせよ韓中だけでなく日本もあまり過去や歴史のことに触れずに、現実の政治問題、未来志向の建設的提案をただ淡々と行っていくべきということですね。国内のことでも過剰に取り上げられがちな昨今は尚更慎重に&巧妙に。

 遠藤さんが言うことが間違ってるというわけではなく、そもオウンゴールということを韓中もやってるわけで、オウンゴール合戦という図式があるわけですね。日本のマイナス面だけじゃなくて、中韓のそれも合わせて抑えないとあまり有効な指摘にならない気がしますね。