てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

生活党とすき家ボイコット


 すき家ボイコットというのが話題になっていました。それについて一言。すき家が過酷すぎる業務によってバイト達がツイッターなどで不満をわかちあい、いつのまにやら意気投合し、反旗を翻すという流れになり、あれよあれよという形でバイトがボイコットをするという形に(本当は裏で仕掛け人などがいるとしたのなら面白い話ですが)。

 詳しいことはわかりませんが、これによりすき家はダメージを受けたとのこと。株主総会が近いということもあり、経営陣が吊るしあげられる、責め立てられるのは間違いない形。このタイミングを狙ったのならたいしたものですね。

 一人で深夜店を回せない!回せないから次から次に注文を受けて、客が食べた後の食器を片付けられずに、席が汚いまま食い残しそのままというのがありました。50人位一気に団体客でも来たのか?というような惨状の写真見ましたが、都会とかだと深夜でも人がひっきりなしに来るんですかね?そんなにみんな牛丼を食べるんですかね?あんまり吉野家とか利用したことないのでわからないのですが…。

 しかし、本来こういう労働環境云々については、労組という形をとって交渉をすることにより改善されていかなければならないもの。ところがそういうことには全くならない。ボイコット側にはそういう発想は微塵もなかったでしょう。

 弁護士の解説で、こういう行為は本来の労使交渉から逸脱して責任を問われる危険性があるために止めた方がいいという解説がありましたがどうなんでしょうかね?生半可な知識で間違っているかもしれませんが、やるのならば事前に労組をつくりましたという届け出をしておく必要があったと思います。ただアルバイトという雇用形態の人間にそれがどうだったか?正社員でない労働者にそこまで責任を問えるものなのか?

 どこか一つの店での話ならともかく、これが全国的に一気に同時多発的に拡大したというのが今回の面白いところですが、果たしてこれは法的に問えるのか?まあ、法的に訴えて一人ひとりに賠償請求というものが成立しても、過酷な労働事情が赤裸々に明かされて、すき家最低!となって企業ブランド・イメージはガタ落ちになるのでやれないでしょうけどね。

 今の日本だと労働環境がまるで改善されない、労使交渉というのが事実上機能していない以上、このようなボイコットというのが一番効果的な対策というのが現状なのでしょうかね?これによりバイトに無理な仕事を要求しなくなるだろうし、社員を増やしてキツイ時間帯はケアをするでしょうしね。まあ、アホみたいにまた正社員に割を食わせるなんてことになったらアホですが。

 労組に加入して交渉して改善を期待するなんてことは今ありえない話になっている。だからこそ、今新しい労組が必要ではないかと思いますね。

 それこそ生活の党はここに目をつけるべきだと思いますね。これまでの古い体質の労組ではなく、アルバイトや非正規など不安定な立場の人をターゲットにすべきだと思います。

 維新の今のていたらくは色々ありますが、地方で維新という政治組織・政治基盤の成立というものを疎かにしたことが大きいといえるでしょう。古来政治で新興勢力が台頭するときというのは、そこに強力な支持基盤があったからこそ。支持基盤なき政治的成功というのはありえない。維新はどのような階層・階級をターゲットにしているかといえば、今の日本のそれがあやふやになっているということもあるでしょうけど、ハッキリしません。国民の2割が間違いなく維新の基盤で、浮動票以外にこの固定票が確実に見込めると言える状況ではありません。それでは自民に勝つのは難しいといえるでしょう。

 同じく生活の党もそこはあやふやです。反官僚・中央集権という看板は他にもかなりの政党が掲げていますし、それでは浮動票だよりになってしまいますから。ですから、支持基盤をがっちり固めるためにこのような労組作りの育成に手を化していくべきでしょう。

 この時、重要なのは、労使問題を取り持ってうまく解消する手助けをするという姿勢を明確にして、まず協力をして信頼を勝ち取ること。次にこのような問題を解決するためにいろいろ力を貸してくださいと自分たちに票を入れてくれることや、政治組織入りをお願いをすることですが、決してゴリ押ししないこと。政治に興味関心がない人間に、ゴリ押しをしてしまえば逆に煙たがられるのがオチ。自分たちに好意的な人間を増やして、投票に行ったとき「あの時、助けてもらったから入れよっかな?」と思ってもらえることが大事でしょう。変に組織が個人を肉体的にも、時間的にも拘束して重荷になるようならそれはマイナスです。民主党ではないライトな現代風の労組を模索すべきでしょうね。

 何らかの組織を作って、その組織が永続的に票を入れ続けてくれるという甘い考えは捨てるべきでしょうね。地道な活動を繰り返して、「昔は最低時給が700円でした。それが今は☓☓円。生活党はそのために労働者の皆さんと一緒に交渉し、法案をつくりました」こういうふうに言えるようになることが大事だと思います。街を歩いてアルバイトの人などが、ポスター見たとき、「ああ今俺の時給がこんなにもらえるのは生活党が頑張ってくれたおかげなんだなぁ~」と思われるのがポイントでしょうね。

 自民党のような組織は、支持階層から言ってこういうことは出来ないでしょう。民主党は既存の労組があるので難しいでしょうし、やるなら生活の党しかないという気がします。余計な政治主張をうんたらかんたらやって消えていく社民党のような轍を踏んではならない。政党として根付いて、躍進を遂げるとしたらこういう活動を地道に続けていくしかないと思いますね。