てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

芸術と猥褻の間(ろくでなし子さんの件について)

 エロ関係、表現規制関係が続きます。ろくでなし子さんが会見「女性器はありのままでいい」 無罪を訴えるともう一つ、女性器の3Dデータを配って逮捕、“ろくでなし子騒動”を世界はどう見たか  これをリンクとして貼っときます。(※どうでもいいですが、ありの~ままの~の歌がアホみたいに氾濫するので最初はいい曲だなと思っていたのが、町で出くわすたびに腹たってしょうがない不愉快な曲になりつつあります(´-ω-`)、なんとかして欲しいですね、あの歌)

 さて、この事件を見た時に、また警察がやりやがったな!祭りでちんぽ型のご神体を平気で公衆の面前で晒すのに女性器はだめってどういうことだ!おかしいだろ!と一瞬思いましたが、この件は彼女の芸術作品が卑猥・下劣だから、あるいは猥褻基準に引っかかったから問題というようなチャタレイ裁判のような話ではないわけですね。ちょっとケースが異なる。

 というのも、彼女が「芸術」作品としてヌード写真を提供した、これが「芸術」ではなく「ポルノ」に相当すると警察が判断して逮捕したというのなら話は早いのですが、そうではない。どうも3Dデータを寄付者に提供したとのこと。データは素材であって、芸術にはならないでしょうからねぇ。これが作品の体裁を少しでも取っていればまた話は違ったんでしょうけどね。この実際の3Dデータがどんなものかわからないのでちょっと判断が難しいのですがデータということになるとやはり芸術にはならないかと思われます。

 彼女は自分の性器を芸術にするという作風なので、前例というかそういう経歴があるので、芸術作品という主張も可能になるのでしょうが、データという形だとそれだけで芸術として主張するのは難しい気がします。これがヌード写真のようなものだと、仮に物凄いエロいものでも、このポーズの写真は絵画・彫刻のように芸術なんだと主張することが可能になるんでしょうけどね。

 しかし、3Dデータで猥褻だということになると、そういうアダルトグッズが作られているわけですが、あれはどうしてOKなんでしょうか?アダルト関係の者は、そういう届け出を出した上で、許可をとった会社が売る分には構わないが、個人で売買をすることになると法に触れるということなのでしょうか?今、3Dデータで拳銃が簡単に作れてしまうということが話題になっており、3Dデータ情報に敏感になっている、そういう危険性を最小化したいからちょっと怪しかったら摘発してまえ!みたいな空気があるということかもしれませんね。

 というか、そのうち絶対、等身大で有名な美女のボディとか乳とか尻とか3Dデータで売られるようになりますよね。男性のモノをデータにして、張り型を作ろうということだってありえるでしょうしね。そういうことを視野に入れての摘発なのでしょうか?

 また会社でなく、個人が勝手に写真・動画撮影でエロを売買するとお酒みたいに犯罪になるということなのでしょうかね?だとすると「エロ」で売らなくてはいけないものを「芸術」で売った脱法行為ということでうまく説明がつくわけですが。個人がそういうことをやると犯罪を招きかねない、裏ビデオ扱いのようなことなのでしょうか?

 仮に芸術作品だとしても、これがOKになるとAV女優を芸術家に転身させて、ヌードや動画を撮って、これは芸術であると主張して無修正のきわどいものが芸術として流通可能という論理になりますが、それを踏まえてのことでしょうか?AVに一度でも出たら芸術家とはいえないとして取り締まるか、それともなんらかの芸術性の立証をしないとダメとか、なんか色々めんどくさいことになってきそうな気はしますね。

 どうなりますかね?一応芸術家としてやっているので、彼女に限っては容認するか、やはり3Dデータはダメとするのか。芸術作品として手を加えればともかく、素材はダメと裁判所は言うのか?というか法廷で裁判官とか検事がそういうことを真面目な顔して審議するのはなんかものすっごいシュールで笑えますね。そうだ、というかそもそも3Dプリンターって今まだ一般的には普及してないですよね?企業とか研究所にあるくらいじゃなかったでしたっけ?そんなデータもらってもしょうがないのでは?もらった方もそれをどうするんでしょうね?

 裁判がどうなるかわかりませんが、負けるにしてもこれをきっかけに判決などに彼女の芸術性がある程度認められることによって、変な規制・今の流れが変わるといいんですけどね。今回の事件もまた「女性蔑視」の一つとして海外では報道されているみたいですね。日本の報道は変なものばかりだと、ネタとして報道されるものばかり。男女差別とか閉鎖的とかそんなんばっかだって言いますね、日本が報道されるのは。

 まあある種のオリエンタリズムと言いましょうか。国連の人権委だったか、JAPANESE ONLYの事件が盛り込まれてましたよね。正直、あれはかなり珍しい例というか、日本社会で日常茶飯事に起こっている事件というわけではないでしょう。確かに今後どうなっていくかわかりませんけどね。今日本社会でどんな変化が起こっている、どういう世論があって今後どうなりそうだとかよくわかってもいないのに、あれを取り上げて、わざわざ勧告するというのは相当ヘイトなものに対する関心が強い。食いつきすぎですよね。JK散歩=人権侵害・人身売買みたいな報告とかもそうで、本当日本=異常というか、変態みたいなネタが好きなんでしょうねぇ。ブルセラみたいな下着を買うって相当コアな人でしょう。そんなこと言ったら欧州には獣姦みたいなものな変態ビデオが特殊な人に人気がありますが、欧州人にとって獣姦は当たり前、文化なのか?ということになるわけで。

 いつもの様に一応「女性の人権」とも絡む話ではありますから、これにどう対処・対応するかで日本のイメージが好転するという視点を持って欲しいですね。マスコミも政府も。

 そしてもう一つ、彼女の人物像がよくわからないので、彼女を支援することが、表現規制問題をいい方向に持って行くことが出来るかどうかというポイントが有ります。基本的には今のところ彼女を支援したいという感じですが、彼女がどんな人間かわからないので、ひょっとしたら痛い人間かもしれない。表現規制をいい方向に持って行くどころか、悪ノリで痛いことをやらかして、世論をより悪い方向に持っていく可能性があります。

 例えると山本太郎さんのように、その言動が脱原発を支援するどころか、むしろマイナス・逆効果になりかねないというようなことになりかねない恐れがあります。ので、今は事件の動向と、彼女の主義主張がどうなるか見守っていきたいというところですね。結果、素晴らしい論理&誠実な態度で、頼もしい人物だということになって、全面的に彼女を応援できるようなことになるといいですねぇ。