てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

都議会ヤジ③ 野次の本質とは議論を高めるもの意見の圧殺ではない

 書き忘れていた。都議会ヤジの続きです。陰謀論的な歪んだ考えが思想の左右(自民党支持者や非自民党支持者どちらにも)蔓延しているという指摘をして満足してしまってました(^ ^;)。それで終わった気になってしまってました。今更感がありますがどうぞ。

 ひょっとして、今回の事件ってオッサン議員の新人美人議員に対するやっかみという構造があるのかしら?というかタレント出身議員か。「大して勉強もしてないくせに知名度だけで簡単に当選しやがって!無能なくせに美人というだけで選ばれやがって!とか。俺が初当選するためにどれだけ苦労したか!」みたいな負の感情が背景にあったりするのかしら?

 都議会:反省している…鈴木章浩議員の謝罪会見・一問一答 - 毎日新聞 mainichi.jp/select/news/20

なんというか…。「誹謗する意図はなく、早く結婚してほしいという意味で発言した」って、だからそれも公の場で言っちゃダメなんだっつーのに…。

 「品のないヤジ」ではなく、「ヤジのふりをした人権侵害」が問題なのに、傷つけたとかそういうのではなく、「言ってはいけないことを言った」のが問題なのに、その「言ってはいけない」ことを丁寧なことばで繰り返していますよね、これ。まあ、言い逃れしようがない発言ですからどうしようもなかったんでしょうけどね。

 インタビューでこのヤジは辞職に値するという発言を事前にしてしまったのなら、言動の不一致で政治家としての資質を問われてしまいますよね…。戦略的にすっとぼけるということが時に政治家には必要ですけど、ここでのすっとぼけは自身の進退、私利私欲以外の何物でもないですからねぇ…。

 今後もやらせていただきたいと述べてます。今ここで自分の職責を放棄する訳にはいかないという言い分は確かに一理ある。しかしそれは自分の失言の性質を踏まえて、勉強して少子化対策の第一人者になるという覚悟あってのことですよね?贖罪を果たすというなら。その言及がないのは…。ちなみに己はその場合許す派なんだが…うーん。

 その言及がないのはちょっとどうなのかなと思いますし、何より続けるなら次の選挙まで頑張って勉強して、国民の審判を仰ぎたいという態度がほしいですよね。それがないのがどうなんでしょうか?あと「今後の流れの中で決めさせていただきます」ってのが相撲の八百長メールを思い出しましたねw

 あと塩村都議に謝罪して許してもらうみたいなのがあったけど、そもそも個人的なケンカじゃないんですから、本人の目の前で謝ってる絵とかいちいち報道してどうするんですかね?塩村さんもここは個人の感情の問題ではないと、断って欲しかったですね。問われているのは「議会のあり方」なんですから。

 己が彼女にアドバイスするなら、「そもそも私怨で行動しているわけではありませんから、謝罪で許す許さないの問題ではありません、私の感心は議会の浄化・あり方そのものです―ですから謝罪行為は不要です」という態度が欲しかったですね。浄化はまたちょっとニュアンス的に危ないかな?でも騒動を収拾するために絵がないとめんどくさいことになるでしょうから、相手に恩を売るためにはそういうこともありだと思いますけどね。自民党のお偉いさんに「これは一つ貸しですよ。許した、許されたという絵を提供しますよ」と借りを作っておくべきでしたね。彼女じゃなくてみんなの党でもいいですけど。

 昔、日本のいじめ問題を海外の人に説明して、日本にいじめはない。それはいじめではなくて、恐喝・暴行という犯罪だというツイート見たことがあります。結局、今回のヤジというのもヤジではなく単なる「暴言」だったということじゃないでしょうかね?

 議員さんのツイートで、ヤジを言われたら「いま○○議員が~~~ということをおっしゃっていますが・・・」なんて言って議事録にあえて残るように発言をすることだと。このテクニックを使ったらとたんにヤジがとまったと。こういうヤジ対策も議員のノウハウ・テクニックの一つとして政党はしっかり教えておくべきでしょうね。そうなれば、軽率なヤジはまずおいそれと出来ないですからね。

 今回のセクハラヤジは水商売のお店で培われる会話・常識によるものだ―というのを見て思いましたが、子供の常識は公園とテレビで形成されるとか聞いたことがある気がしますが、地方議員の常識は水商売の酒の席ので作られるというものがあるとすると面白い話ですね。

 議会がこういう水商売での酒の席での「てやんでい、ばーろーめぃ!」見たいな言葉が飛び交ってしまう、そういう感覚が当たり前のようになってしまっている要因ってやっぱメディアのチェックが入っていないからでしょうね。そして有権者が、「~~さん、あれはないですよ」みたいな声がリアクションとして伝わっていないから、議員の感覚が麻痺する、一般常識とずれてしまう。議員だけの閉じたインナーサークルの狭い世界での常識になってしまう。

 ※無論議員側から、今世界の主流は、またAの主流は本当はこうなってるから、そのような世論だとかえっておかしなことになる、マイナスになるんだという説得・主義主張による世論の教化というのももちろんありですよ。問題は議員と国民の相互作用ですからね、一応補足。

 そしてテレビの芸人なんか、これがウケる・あれがスベるみたいなことを舞台や収録の実践を通して学習して成長していくわけですよね。議会という言葉と討論の場においてこれがウケるとか逆に評価を下げるとか、そういう実力を磨くようになっていない、競争原理が働いていないからでしょうね、こういうことになってしまうのは。

 あと、女性へのセクハラじみた発言が平気で出てしまうというのは野次が本質的に圧伏・圧殺だから何でしょうね。本来はボケ(ユーモア)とツッコミ、上手いこと言って笑いを取る。そして答弁で矛盾したことが過去にあったり、内容が整合性がつかなかったら、ツッコんで所属陣営=味方が「そうだぞ!おかしいぞ!」というふうに煽って議論の空気をコチラ有利に引っ張るためのものですよね。

 こういう野次が中立な議員が多い時はなおさら重要になるのは言うまでもないですね。答弁する議員だけが討論ではないというのは言葉も人間も討論も生き物だからですね。さらに答弁だけに喋ること、発言を限定してたら、殆どの人はただ黙って聞くだけで議員が議会においてすることが少なくなっちゃいますしね。

 ボケたり、ツッコンだりして議論の空気を有利に運ぶ、また議論の質を高めていくというのが野次の本質なのに、相手を馬鹿にする・相手の属性を貶めるような発言はそういうことを理解していたら起こりようがないわけです。なのにどうしてそういうことになるかといえば、ワンサイドの勢力・主義主張で染まっているとき、その意見で違う意見や反対意見を容易に押しつぶしてしまえるからでしょうね。

 自分達が圧倒的に優位に立っているならば、そもそも譲歩もしなくていいわけです。少数派の言い分をまともに聞かず多数決でゴリ押しすればいい。相手の意見・動向に鈍感になるからでしょう。一党独裁と、制度上少数派の意見を軽視できること(フィリバスターのような妨害をする慣習がないことが大きいのでしょう)が背景にあると言えますね。

 そしてツッコミというのは容易に暴言に変わる。たまに酷いツッコミがありますよね?ツッコミは「この人殺し!」でも「この☓☓☓野郎!」でもどんな汚い行為でも成り立つわけです。でもプロだからテレビの芸人なんかは見事に笑いに転化することが可能なわけです。お笑い見て、そのテレビの影響を日常に持ち込んで、相手がそのノリを受け入れてくれれば予定調和で相手がきちんとノッて返してくれて、笑いになります。しかし、相手がそのノリを知らずに応えてくれないと、またそのノリを面白いと思わずに受け付けてくれないと、笑いが成立しなくて気まずい空気になる、場が凍ってしまう―なんてことは誰しも経験したことがあるはずですね、きっと。

 別にその笑いではなくても、自分の意図と相手の意図や距離感・感覚がズレてしまってコミュニケーションが失敗する、不成立なんてことは経験してきているわけです。もし一般社会なら、こういう際どい発言はよっぽどキャラが立っていて、人気もあってそのキャラが周りに承認されていて、多少の問題発言もあの人だからということで許されるような人物でないとやらないでしょうね。

 ①そういう距離感やバランス感覚の欠如に加えて、②自分達が議会内の勢力で上に立っている。③そのような感覚・発言が事故の所属する政治組織の常識となっている(自首は一人だけで他の犯人は名乗りでていませんからねぇ、未だに)。まあこの3つがあって地方議会で容易く暴言が出るような構造になっているのでしょうね。

 本来、言葉を扱う職業の人間って、言葉に敏感でないといけないわけですね。ここでこの言葉を使っていいのかとか、順番はこれでいいか、こっちよりこの単語・フレーズのほうがいいのか?とか非常に敏感になるはずです。しかしそういうセンスが無い。言葉に敏感であるということは、世間とその変化に敏感でもないといけない。今回の事件は到底敏感とはいえませんからね。

 ※日本社会の学校と家庭と会社、この3つの閉じたサークルの中で日本人は一生を終えるという橋爪氏の指摘がありましたが、会社・職場つまり政治家という閉じた(?)世界にしか触れていない、狭い空間だけで生きているがこその失態とも言えますね。所帯持ちの人が、まあよくあんな発言できますよね。きちんと子供や妻の意見をしっかり聞いて毎日話し合っている家庭なら、そんな感覚にならなかった気がしますが…。早く結婚したほうがいいんじゃないかという発言ありましたが、結婚しても家庭崩壊しているんじゃしょうがないですよね、早く家庭で子どもと奥さんとちゃんと話し合ったほうがいいんじゃないか?って逆に返されるような現状なんじゃないでしょうかね?あのくらいの年代のオッサン連中って。

 そして議員と国民の距離が遠く開いてしまってお互いが何を考えているのかよくわかっていない。冷えきった家庭みたいになってますね。その冷えきった関係こそがこの事件を生み出したといえるでしょうね。決して一人のアホが突然変異的に出てきたという問題では無いでしょうね、この地方議員の乱は。

 議論・主張を真面目に聞かずに、相手の邪魔をする・足を引っ張る、はては暴言にまで平気で辿り着く。つまりまともな議会の運営ではなく、圧殺してしまう。そういうことが今の野次の本質であって、議会のレベルなわけですね。野次とは本来どうあるべきなのか?から議会とは本来どうあるべきなのか?に立ち返って見つめなおして欲しいですねぇ。

 「普通に真面目に生きてれば」普通に就職し家族を持って普通に生活できるという物語が今はもう崩壊してしまっている。結婚して、子供を産みたい。でもいろんな事情から泣く泣くそれを断念せざるを得なかった。そういう人が多くいて、そういうことに無自覚・無思慮だからこそ、これだけ叩かれるって背景はあると思いますよ。その発言をしたのが社会の上の階層の人間のものならなおさら。

 しかもその発言をした人たちが自民党の中の地方議員連盟という「保守」、伝統的価値観を尊重するというか、旧守の人。女は家庭!みたいな価値観で年功序列・終身雇用の世界に生きてきたそういう世代の人の発言であれば尚更ですよね。少子化どころか今の社会構造の問題を何も変えようとしていない人でしょうからね。主義主張を見るとむしろ今の構造を維持して今苦しんでいる人を救う気なしっていうサイドですからね。そりゃダメですわ。

 というか自民党の人というか、自民党は旧来の構造維持で改革に消極的。金もってない人に見合った政策を取るわけがない。政治基盤としての階層にそもそもそういった人が入ってないんですから何をか言わんや。いつも言ってますけどなんで貧乏人が自民党支持するか意味分かんないですよね。中層・下層をターゲットにした政策なんて殆どやらない、優先基準低いに決まってるのですからねぇ。

 こういう報道が続くことで、地方議会の実態が少しでも認識されて、いい方向に変わっていくきっかけとなれば…という声もあるでしょうが、そもそも地方議会どころか国会すら何が議論されているか、国民は殆ど知らないという現状があるわけで…。国民の多くが日常的にウォッチしていたらこの問題が起こりえたか?という疑問もあるわけで。議会と国民の距離がどうしてこんなに遠いのかという根本的な問題が問われて欲しいですね…。

 都条例の時にエロ本をもって議会で答弁した議員に「エロ議員!」とか「お前が結婚しろ」とかそういうヤジもあったようですしねぇ。もっと早くこういう問題はメディアが指摘できた問題だったのではないでしょうかねぇ…?いっつも後追いですよね。なにか起こってからわーっと動いて叩いて消費するというあり方は何とかなりませんかねぇ?メディアさん。

 すいません、もう一本あります。次は、地方議会と憲政の常道の話ね。