てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

格差を拡大させるフェミニズムという話を聞いての思いつきメモ

また思いつきの小ネタです。

 海外では指摘している学者もいるのに、日本のフェミニストは、女性の社会進出は経済格差を広めるという事実を認めようとしない。「女性の社会進出」という目的達成に都合の悪い事実は無視している。海外ではその問題に対してどうすべきかというテーマを巡って、分裂した=それぞれのスタンスを明確にして論じ合っているのに、和フェミ(上野千鶴子)は未だに 「すべての女性を救う思想」と「エリート女の権力闘争」を同時に唱えてる―というような話を聞いて思いついたこと。

 米国の格差の増大が、共働き世帯の収入格差にほぼ依存するってことは もう米国では常識の部類。

階級「断絶」社会アメリカ: 新上流と新下流の出現/草思社

 このチャールズ・マレーさんの本でそういうことが書いてあるみたいですね。米でベストセラーになったとか結構面白そうですね。

 言われてみるとそのとおりですよね。女性の社会進出は経済格差を広めるに決まってますよね。大体同じ階級と言うか年収の人が夫婦としてくっついて家庭を築きますもんね。もちろんだから女性の社会進出に反対!、女性の社会進出こそが社会に格差をもたらしているんだ!なんて言わないですけど。その問題・変化についての対策を視野に入れて考えないといけないですよね。フェミニズムの思想が浸透して社会が変わった結果、上層の女性はこれまで以上に幸せになった。豊かになったが、下層の女性はこれまで以上に女性としての権利を奪われ、貧しくなり不幸せになった。―そういう未来は十分考えられるわけですからね。

 この格差の拡大という新しい問題についてどうすべきかということまで考えないとフェミニズムとしてはまずいですよね。それなのにもし、上野千鶴子さんがそういうものから目を背けて、旧来通りの「女性に開かれた社会であるべきなんや!」という当為を語るだけなら、その思想・主張は影響力を持ちようが無いですよね。

 和フェミというのは上野千鶴子に始まり、上野千鶴子に終わるのかもしれませんね。日本のフェミニズムがどう展開しているとか知らないのですが、先がなさそうな気がしますね。フェミニズムが日本独特の受容で換骨奪胎された感がある、都合のいい理論化されてる気がしますので。後が続かいんじゃないかな?と感じています。なんというか、慰安婦問題などで自分の主張に都合のいい解釈をして、だから女性の地位はもっと向上しなくちゃならないんだ!みたいな当為を語って、有効な分析と主張が出来ていないところを見るとそんな予感がします。

 そういや、自民党は格差拡大バンザイ政策を取っていますが、それなのに女性の社会進出については反対という矛盾したことやってますよね。女性の社会進出を妨げることが彼らなりの格差拡大・格差問題対策なのでしょうか?

 まあ言うまでもなく、例の「保守」という価値観なのでしょうけど。自民党の「保守」が女性の社会進出が構造的な問題をもたらすとかではなく、伝統的家族観というわけのわからないロジックに成り立っているように、自民党の本質は「保守」ではなく、「変化の拒絶」であるという気がしますね。