てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

公文書の管理の現状

クローズアップ現代で「公文書は誰のものか ~問われる1400万件の管理~」、を見たちょっとした感想です。公文書といえども、重要で残しておくもの・保存しておくものと、必要ないから廃棄してしまうものがあり、どちらか分類して結果処分されてしまうものがあります。ところがその管理体制・基準がまるで整備されていないという話です。

 行政の省庁で、法が作られて、それを実際どういうふうに解釈して行政で処理してきたのか、文書が処分されてしまえば細かいことがわからなくなってしまう。あとから検証ができなくなってしまう。また最近話題になった機密指定された文章がいつの間にか廃棄処分されてしまうなどですね。そういう重要な問題があるわけですね。

 近代法治国家にとって重要な行政文書が、ほとんど保存されずに処分されてしまう…。こんなにずさんな扱いをされてきているというのに驚きですよね…。民主主義の重要性を訴えてきた人が、ここに注目をして改善を訴えてこなかったのは何故なんでしょうね。法治国家=行政文書による検証・再現性という要素がありますから、それを無視できないと思うのですが…。まあそういう当たり前のことを文書・資料とにらめっこして読み解くということをやってこなかったということなんでしょうけど…。

 ちょっと前ならともかく、今やデジタル保存ができる。スキャンで万一に備えてPDF保存しておけばいいじゃない!って素人考えで思うのだが、ダメなのかしら?

 公文書を管理する専門職アーキビストというものがフランスでは存在するとか。専門職として、この文書は重要だから残しておくべきとしっかりチェックできる、あとから検証を可能にするための業種が確立されているわけですね。しかし重要文書を選別する能力を身につけるのも一朝一夕ではいかないでしょうしね…。公文書管理制度が整備されるのはいつになることなんでしょうかねぇ?人員・予算を拡充させることくらいならすぐ出来るかもしれませんが…。今までこんな体制なら官僚は責任を逃れてやりたい放題と言ってもいい状態だったんでしょうねぇ…。

 空白の期間を最小限にして、一刻も早くアーキビストを導入してほしいものですね。
 国家と秘密 隠される公文書 (集英社新書)/集英社

 瀬畑さんのこんな本がありますが結構面白そうですね、本屋で見かけたら手を出してみようかしら。