てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

中田考氏をパイプとして外交に活用すべき

同志社大イスラム研究の内藤正典氏のツイートで思いついたこと。

 
英国外務省がイスラーム圏諸国からイスラーム法学者など論客を集めてひたすらカンヅメ議論をするというものがあるとのこと。毎週、違うテーマで国際会議をし、参加費用は数十万かかるが、それでも大勢参加すると。日本もこういうのをやれるといいんですけどねぇ…。米国もイスラーム国も呼んで議論すべきだと思うのですが。

 同志社で開催したアフガニスタンの和解と平和構築国際会議は、これに基づいて行われたものだと。今後の日本においてテロの脅威をいかにして減じられるか。それには先日私戦予備罪で逮捕された学生を、ISISに紹介したということで悪名が知れ渡っている中田氏が欠かせないと。現地で見聴きした生の情報を持ち、イスラーム学の学識を持ち、ISISに客人として礼を尽くして迎えられる人物は他にない。

 彼のロジックはイスラームのロジックであり、非ムスリムの日本人にはそのまま適用できない。だからこそ、私を含めて同僚たちが、氏の講義をいわば非ムスリムのコンテクストに翻訳し、もって日本としてテロの脅威を下げ、最困難国や地域においていかなる平和的貢献が可能なのかを討議するのである

 2012年同志社アフガニスタンの和解と平和構築という国際会議で現地のタリバン代表部と折衝したのは中田氏であり、カルザイ政権の大臣とタリバン政権当時の大臣を同じテーブルにつかせ、会議を成功に導いたのは中田氏あってのこと。よって、日本政府主催のアフガニスタン復興支援国会合へとつながっていった。これは西欧諸国では出来なかったこと。

 日本政府だってアフガニスタンに5000億以上の支援をしている。アフガンの安定化は国益。すでに米国でさえ、タリバンとの和解がアフガニスタン安定に欠かせないことは気づいている。今のような情勢で中田氏が非常に重要な人物であることは間違いないと。

 中田先生はタリバンやISに入り込んでいるというか、知見だけではなくパイプを持っている。そういう点では外交上非常に重要な人物ですね。そういう人物に私戦予備云々で、ああいう対応をするということは、対中東外交の戦略や、一環した戦略を実行する担当部署もないんでしょうねぇ…。

 今後、民間の日本人の拉致だってあるでしょうし、パイプ・ルートとして彼を外交上活かすことを本来考えないといけないのに…。ISISへの兵士供給がまずいというのなら、その勧誘を防止警戒しつつも交渉担当として優遇しておくというのが筋なのに…。

 対テロでこういう対応をすることがあっても、同時に外務省なり有力与党政治家(無論野党も)なりが、手を回して欲しいですね。こういう時に外交通が外交畑の政治家が与野党を超えて団結して働きかけるということがあってほしいんですけどねぇ。本当外交や戦略というのは、上に立つ人の発想次第なわけで、そういう人が何のアクションも起こさないというのは大丈夫なのか…という気になりましたね。

結構著作あるみたいですね↓。なんか目についたら読んでみようかしら?ストック終わるのかしら?
一神教と国家 イスラーム、キリスト教、ユダヤ教 (集英社新書)/集英社

イスラーム思想を読みとく (ちくま新書)/筑摩書房

原理主義から世界の動きが見える (PHP新書)/PHP研究所

イスラームのロジック―アッラーフから原理主義まで (講談社選書メチエ)/講談社

イスラーム世界の挫折と再生――「アラブの春」後を読み解く/明石書店

日亜対訳 クルアーン――「付」訳解と正統十読誦注解/作品社

イスラーム法の存立構造―ハンバリー派フィクフ神事編/ナカニシヤ出版