てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

ヒトラーの墓と「ナチスの構造」

 靖国参拝で揉めた去年を思い出し、ふとそういえばヒトラーの墓はどうなっているのだろうか?ということが気になった。ヒトラーの墓は今現在は存在しないとのこと。

 ヒトラーのやったことは人種差別に基づく恐ろしいことであり、許されざることではあるが、彼が死んだあと祀らないことについて違和感を覚える。これはもちろん、国家として祀れということではなく、個人的な墓すらないことへの違和感である。彼にも家族・一族はあっただろうし、家族は戦乱でなくなっているだろうからまあいいとしても、ヒトラーの一族として彼の墓というのはどうなっているのだろうか?という疑問が湧いた。

 ヒトラーの墓がない、一族の墓地(というものがあるのか?向こうの風習を知らないが)それにすら祀られていないというのはいかがなものなのだろうか?

 ―とそんなことをつれづれ思っていたら、ナチスの有力者の墓が撤去されたという記事を見た。【海外事件簿】ネオナチの「聖地」撤去 “報復”懸念も地元はおじけず(リンクは産経)。

 これによると、ネオナチの「聖地」として崇められている。聖地巡礼というカタチでネオナチが参拝しに来る。よって地元の人々はこの撤去を要請し、家族もそれに同意したとのこと。一見、死後も死者の冥福を許さない!という行為に基づいて行われたかのように思えるが、ネオナチの行動に基づいてやむなく撤去に至ったとのこと。

 つまり、ネオナチが今でも強固に存在し、それを許さないとする政治背景が、ドイツの社会環境・背景が墓の撤去という事態に至ったということになる。死者を冒涜すべきではないという、「死体に鞭を打たない」という寛容の文化が存在しないからではなく、政治問題しかねないからがゆえの結果ということだろう。

 死者の冥福・祭祀という文化問題が政治問題に至ってしまったとみなすことが出来るだろう。そしてこの事件を見て思うのは、ネオナチという集団が自分たちが嫌われていること、その嫌われている自分たちがうかつな行動をすれば、尊敬する人の尊厳を傷つけてしまうという配慮もできないバカだということ。自分の好きな人に迷惑がかかるなら身を引こう、自粛しようという判断ができないバカだということがよく分かる事件だと思う。

 ※おまけとしてナチスネタをもう一つ。ナチス親衛隊は未だに健在。それは、親が親衛隊ということで差別され、結婚も出来なかったので、元親衛隊同士の子供が結婚して逆に「ナチスのエリート」が生まれるような状況になってしまっているという興味深いことを聞きました。確かにナチスというのはドイツでは「犯罪者」のような存在、白い目で見られる存在ではあるでしょう。しかし、排除してしまいそれについてあとはどうなるか知ったこっちゃありませんよ―という態度では虐げられた彼らが団結して「ネオナチ」というさらなる怪物になるのはごく当たり前のことではないでしょうか…?

 彼らを「赦さ」ないにしても、彼らの子孫については関係がない。子に罪を追わせてしまうような文化・社会背景を作っていまえば構造として問題が次世代に先送りされてしまうに決まっていますよね…?ドイツではそのことについて気が付かなかったのでしょうか?論じられなかったのでしょうか?おそらくナチスについて論じることがタブーとなっている内にここまで問題がこじれてしまい、タブーに手が付けられなくなって今に至っているという感じだと思いますが…。

 「ネオナチ」を解体するために、社会が「赦す」ことというのはドイツにとってテーマになりそうですね。

 そうそう、ドイツは罪を「ドイツの罪」ではなく、「ナチスの罪」として戦後処理をしたというのは有名な話・ロジックですが、そういう論理構造を取ったがゆえに、必然的に今の「ネオナチの再生産」につながっているということはないのでしょうか?「ナチスの罪」=「ナチスの不可触賤民」化ということで社会を安定化させようとしたという構造をそこに見出すことが出来るのでしょうか?ふむ、ドイツ研究者にそのことについて聞いてみたいものですね。

 そう思ったのは、「吸収合併された東ドイツ軍は、今では元軍人扱いされなくなっている。軍人としての年金も福利厚生もない、軍人だと公証することすら許されていない。彼らの軍歴は無かったことになっている。」という話を聞いたからです。

 予算の都合や、色々な政治背景から東ドイツ軍と言うものの存在が許されなかったとしても、彼らの解体・吸収にすこし問題がないでしょうか?異なる遺伝子が入ることで組織がおかしくなる、変質するというリスクを負ってでも多少は東ドイツ軍のエリート・一部を吸収すべきだったと思うのですが…。この旧東独軍という構造も同じような問題になるのではないか?と心配になりますね。

 ドイツが東西合併した時、フランスなどにその存在の強大化を懸念されたということはわかりますけども、PKOなどで新統一ドイツ軍として海外展開し、軍事作戦をこなすことで内に吸収して東独軍を解体していくというプロセスは必要だったのではないでしょうか?今ようやくEUとして信頼を勝ち取ったことでもありますし、それを実行してもいいのではないか?という気がしますね。

 ネオナチや東独という「敗者」に対して、責任を押し付けて切り捨ててしまう。ドイツに「ネオナチ」に対する「ナチス」行為=差別構造が存在するという逆説があるのだとしたら非常に興味深い気がします。

 ―話を戻して、ヒトラーの墓について。ヒトラーの墓でググると、芸能人が靖国ヒトラーの墓だと思われているという発言で炎上したことが出てきます。彼女は別に「靖国なんて、ヒトラーの墓やないか!」と言いたいわけじゃなくて、海外だとそう思っている人が多いという一般論を展開したわけですね。彼女の意見ではない。それについて彼女を叩くのは筋違いですね。毎回思いますけど、パープリンな芸能人が戦争がどうだなんて発言したくらいでネットで攻撃をするのは「士」たるものの行動ではない。見苦しいと思わないのでしょうか?

 それはさておき、歴史家・学者はともかく、大して知識も教養もない一般人は「ナチスと同盟を組んだ日本、だから日本もナチスのようなもの」と短絡的に思っていても別に不思議ではないこと。そのような浅薄な思い込みを覆すために、向こうの歴史家や政治家や文化人などなどを取り込んで、親日的な見方を広める。日本に好意的な見方をしてくれるような人を増やすのが重要になります。

 そのような根回しをせずに、いきなり靖国参拝などの行為に踏み切るのは暴挙としか言いようがありません。そういった地道な戦略から始めるべきでしょう。もう何回も書いてますが、それをわからないようで近隣と戦おうなどと怖くて仕方がない。本当に勘弁して欲しいですね。

 長すぎておまけにならなくなりました。また話が元に戻ってるし、構成グダグダですが、いつものことなので気にしない(^ ^;)