てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

日本の23歳に生まれ変わりたい―という日本アゲ

「日本の23歳に生まれ変わりたい」 海外エコノミストが語る、日本がこれから黄金時代を迎える3つの根拠 日本は世界のイノベーション原動力(パワーハウス)。過去30年間のR&Dへの投資を見ると、日本のGDP比のR&Dが3.4%と、米・独(それぞれ2.8と2.6くらい)よりも多い。つまりイノベーションへの期待が高い。
 アメリカのそれは、50%以上のR&Dへの投資は政府が行っており、その多くは(軍部と軍需産業軍産複合体への投資。日本の投資は80%が民間企業。故に日本の投資、民間市場の成長が見込めると。

 まず、トータル金額ですよね、対GDP比ではなく。そしてR&Dが民間主体でしかも金額が多いということは、それだけで将来への新技術・新市場の登場に期待を抱くことが出来るのですが、その内容・質が問題になるはずですよね。どの業界のR&Dがいくら位存在して、その業界の今後の成長性、イノベーションがいくら起こっても、「無駄な新技術・高技術」になったら意味が無いわけですから。

 良い物を作れば自然と売れると思っていた―という迷言に代表されるがごとく、ものすごいハイスペックを作っても、一部のマニアやプロがそれを喜ぶだけで、一般大衆はそこまで余計な技術・機能を求めていない、必要ない。その高機能のために高いものを買うなら、そんな新しいのいらないから、安く売ってくれとなってしまうことは十分ありえますからね。

 日本の場合、内需GDPの80%近いという構造なので、少子化で市場がシュリンクしてわかりやすい消費が期待できない。新しい産業・業界・市場開拓とリンクしたイノベーションが本当に出来るのか…。この業界はこれからのびる!しかもR&Dもまず期待できるもの!とまで掘り下げないとちょっと納得出来ないロジックですかね?

 スマホの部品の60%が日本製、造船業で省エネ技術があるから、中国からシェアを奪っている。こういうデータはいいですけど、日本の部品が優れていて、かなり日本製が使われているという図式は昔からですし、更にここからシェアを奪う見込があるならいいんですけどねぇ。まあシェアに目を向けてもしょうがない、大事なのは収益が伸びることですが。


 そして今後団塊世代が退職して若者の正規雇用比率が高まると言うのが大きいと。団塊世代の大量退職に伴い、少子化の若者世代を確保するために企業は正規雇用、より良い状況を提示して人材確保をせざるを得ない。つまり雇用環境が改善されていくと。んで結論として雇用の改善・安定化で新しい中産階級が増え、消費も当然増えていって、新しいイノベーションが起こるという論理になると。んーどうかなぁ?今後正社員を増やすという流れになると思えないが…。まあ5年~10年後の話としているから、すぐにはわかりませんけど…。

 90年代には20%だった非正規雇用が、今では40%近い人々が非正規雇用になっている。これが今いった理由で下がっていくだろうというのですが、この比率を下げずにそのまま雇用の不安定化状態は続くと思いますけどね。労組はアレですし、政権はアレですし、雇用環境の改善・賃金の上昇による経済の好転というビジョンがあるわけではない。むしろなるべくこういう雇用環境にしようという力学が働いてますからねぇ。

 そもそも団塊世代の大量退職・定年を見込んで雇用が改善されているという話はもう既に聞くところですしね。そんな話を聞いているのに、あんまり変わっていない、変化の兆しが見られないでしょうから、その圧力が働くとは到底思えないですけどね。

 そんな世代ネタのおまけに、脱原発、反特定秘密法、護憲などのデモには団塊世代の定年退職し他人たちが目立つと。ネットでも元気なのはこの世代。彼らがSNSで若手となって新規参入しているという話を聞きました。古谷さんなんかネトウヨは若者ではなく、おっさんだとしているように、こういう層が今後力を持ってくるんでしょうなぁ。

 問題として組織の世代交代がスムーズに行くかということがあることに気づきました。定年制の延長も論じられている昨今、組織の新陳代謝が円滑に行くのかどうか?日教組とか労組とかそういう組織の世代交代も気になりますね。まあどこも組織が縮小しているので消えていくのかもしれませんけども。

 「団塊世代」の企業からの退出と家庭回帰。特に社会運動へどれくらい流れこむかというのは、いろいろ大きな変化をもたらすかもですね。現に脱原発デモのようなものは、組織ではなく、そういった人たちがかなり多かったでしょうし。政治基盤・支持組織のあり方が大きく変わるかもしれませんね。いい方に変わっていく、組織の健全な新陳代謝が起こっていくといいのですが。