てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

民主党はピケティに学んで便乗せよ

民主党が、ピケティ招いてお勉強会をしていたようです。岡田代表の他に何人くらいがお話を伺ったのでしょうか?まあそれはさておいて、このピケティ詣、レッスンを受けるのは実にいいことで、クルーグマンとかスティグリッツとか、消費増税反対派の経済学者呼んで、民主党の経済政策を再提示して、広く支持を集めるべきですね。

 これまで民主党は経済政策で魅力がない、何より元から大きな政府志向とはいえ、消費税増税を容認してしまった。これでは自民党と違いがわからない。消費税増税を小沢氏が言うように最終的に増税するにしても、やるべきことをやってからでないと納得を得られない。アベノミクスより魅力的な経済政策を打ち出せない限り、勝ち目はない。アベノミクスが魅力的かどうかはさておいて、何をやっているのかということがわかりやすいですからね。将来的に失敗するかもというリスクも大きいですけど。

 この会談をきっかけとして、これまでの価値観を改めました!これからはピケティ流の経済政策でいきます!と過去の失敗を反省する絶好の機会なんですけどね…民主党は。流行りのピケティさんの理論に乗っかって、新経済政策発表すれば、期待を取り戻す絶好の機会なんですけど、そんな発想なさそうですね…。

 マスコミだってピケティさんをガンガン流すでしょうから、そのピケティさんに乗っかって新しいそれを打ち出したとなれば、ピケティの影響力の大きさという意味で報道してくれる可能性もある。話題になるということが何より大事ですからね、野党となって、新代表がサプライズなしの岡田さんで取り上げられる要素が少ない今、そうして少しでも取り上げてもらうべきだと思いましたけどねぇ…。

【図解】ピケティ入門 たった21枚の図で『21世紀の資本』は読める!/あさ出版

 高橋洋一さんがピケティ入門の本を書きましたが、この本の山形さんの帯が「やっとまともな解説本が出た」(笑)。某誰かさんの解説本を、訳した山形さんが完全に不合格扱いしています(笑)。業界からあの人の経済解説はNGだからやめておけと辛辣な判定をくだされるのは珍しい気がしますね(^ ^;)。某イケノブさんはこんなことで大丈夫なんですかね?まあいち早く便乗本を出したことでそこそこ売れたようですけど。


 しかし、ピケティはよく売れていますね。大学生協のベスト10に入りまくってるとか。単なる流行りなのか?学生間の勉強会のテーマになりそうですし。あとゼミで使ったりとかでよくはけているんじゃないでしょうか?それと生協一割引なんで「買ってきて」と頼まれるケースが多いからとかじゃないですかね?高い本ならなおさら。

 2,000円くらいかと思ったら6,000円近いんですね、本当高いですねぇ。逆にこういう高くて一般の人が読まない本ほど、インテリにとっては必須アイテムになるということなのでしょうか?2,000円以下の解説本がヒットするわけだと変なところで感心しましたw

 近所の図書館みたらピケティ予約30数件、14件、11件だった。分厚くて時間かかりそうだからすぐ返したら、容易に借りれない状態になっとるな。ピケティをビジネスマンが読むのは、ピケティブームが実際の経済政策となって反映されるかもしれないから、よーく読んどこうということなのか?
 
 ピケティブームに違和感を感じるというのを何件か見ました。ネグリ→サンデル→ピケティなのかしら?外国の著名学者を免罪符に「自分の好き勝手なことを言う」という悪しき慣習の発露なのかしら?未だ手を付けてないからあれなんですが、前二者の学者芸人とは違うという印象なんですけどね、ピケティは。

21世紀の資本/みすず書房

 いつ読めることになるかわかりませんけど、いつかやりたいと思います。しかし6000円でこのブームなら、1~2年後には2000円くらいで買えるかも?難しそうだからまず解説本から、アンチョコから入ったほうがいいかな?学術書っぽいし。さわりを聞いたところによるとr>gというロジックを打ち出し、つまり「資本収益率>経済成長率」ということを証明したというところがキモっぽいですね。

 経済成長によって一般人(非投資家)が潤うよりも、資本家=金もって投資できる人間の方が儲ける事ができるということを説いたと。その論理、メカニズムをマルクスみたいにウンタラカンタラ論じたのではなく、歴史データを用いて、膨大なデータを検証した結果、必ずそういうことになるという分析をしたとか。

 たしかにどうしてそうなるのか?と言われればその論理性やロジックを理解して多くの人を魅了すること、その説得力などはいまいちになるかもしれませんけど、そうなるメカニズムははっきりわからないけど経験則・データとしてそうなることが実証できるという数字を示したほうが説得力は大きいですよね。

 マルクスみたいに労働価値説で労働者の価値がウンタラカンタラ~とやるより、過去数百年(かどうかしりませんが)そういう実際のデータを示す方がイデオロギー性・主観が絡んでこないので、インパクトは強いでしょう。

 ただ、そういう実証データの羅列だとすると、読んでいて面白いのかな?という気はしますね。データとして気になるというか、面白いというのはあるんでしょうけど、データはどこまで言ってもデータですからね。研究者が引用目的のために購入するのはわかりますが。

 結局資本主義に重要な、金持ちのボランティア・寄付が大事。儲けた金持ちが社会のために一人でその富を独占せずに、自主的に還元するという当たり前のことが主張されるって感じですかね?日本人は何故かこんな常識を知らない人が多いんですけども。

 中国のトップなんかホイホイ私財を分け与える話が出てきますけど、古代から割りとそういう重要性は理解されて行われていたんですけどね。ローマの初期のコンスル・ディクタトルなんかも家をいつも公開して富を蓄えないことを示していたなんて話もありますしね。