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てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

何故トルコはイスラエルとの関係修復に踏み切ったか

雑誌

 フォーリン・アフェアーズのやつです。トルコとイスラエルの関係修復の話です。時事過ぎて今はあまりそれを読んでも、ふーん程度で意味ない感があります。まあそこでしている指摘は重要なので、言及をば。そんなに長くないんで一つにまとめようかと思いましたが、最近ネタ無いので単品で。

 10年のガザ活動家の襲撃(マヴイ・マルマラ号事件)をきっかけに、外交関係が冷え込んでいたトルコ=イスラエル間の正常化。13年3月にエルドアンは手打ちを決断し、ネタニヤフと会談、和解へ。

 エルドアンPKK・クルドの独立運動リーダーとの停戦交渉を本格化。それにたいするナショナリストの不満から目をそらすためにイスラエル攻撃、反シオニズムを利用していた。国内のクルド問題を解決するためにはイスラエルカード、対イスラエル強硬派の仮面・カードを有効に利用していたと。

 しかし不安定化するシリア情勢を前に、イスラエルとの関係改善の道を彼は選んだ。NATOの支援も不十分、バッシャール政権の退陣要求もダメ。内戦がトルコに飛び火しないように取れる手を取っておく必要があったと。

 穏健派のスンニ派指導者支持という点でも、両者の思惑は一致している(NATO・米はそこまで支持を明確にしていない)。つまり、彼らを支持することで、シリア国内のスンニ派ジハード主義勢力が新調することを防ごうという考え(極めて現実的で理にかなった判断だと思いますね、そりゃ隣国ですから何をすべきかわかっているに決まってますね)。

 またイラン・ロシアにエネルギーを依存しているトルコはより安いエネルギーをイスラエルに求めたいという動機があった。488億ドルの経常赤字のほぼすべては、石油。天然ガスの輸入によるもの。

 イスラエルの地中海東岸沖合には二つの巨大な天然ガス田、「タマル」と「リバイアサン」が存在が確認されている。このエネルギーをほしいという動機が関係を改善させたもうひとつのものだと。

 キプロスにも当然あるが、領土問題上資源取引をするわけにはいかないので、イスラエルに限られると。

 オバマの訪中東の前に、イスラエルとの関係改善というギフトをプレゼントするという対米外交的なものもまたあった。

 選挙で勝利したばかりということもあり、マヴイ・マルマラ号事件以降初めてイスラエルとの関係改善に踏み切ったと。経済・外交利益が、国内政治の利益を上回るという計算が経ったという話。しかし、当然「イスラエル」と「クルド」は国内のナショナリストが敏感になるテーマであり、同時に譲歩するわけですから、何かあって政権が揺らげば、この極めて現実的な判断をした外交方針も簡単にひっくり返ってしまいそうですね…。ぜひこのリスクを乗り越えてほしいものですね。

 資源でイラン・ロシアに依存しているというのも今後ポイントになるんでしょうかね。特にロシア。トルコが中東で唯一世俗的で成功しているというのは資源がないという要因も大きいのでしょうか?