てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

大阪都構想否決

 住民投票で僅差ながら大阪都構想が否決されることになりました。事前に反対が多かったことを考えると。よくここまで持ち込んだと見るべきなのでしょうか?事前の宣言通り、これで橋下氏は政界引退をすることになりました。

 無論、これまでのことを考えて、また政界は一寸先は闇ということもあって、橋下さんが国政進出などで方針を変える、政治を続けるということも考えられます。しかし会見を見る限りは、まず辞めるでしょう。7年半も力を注いで、達成できなかったらやってられないというのは、彼の本音でしょう。

 最も大きなセールスポイントである大阪の改革、都構想という目玉を否定されて、がっくりこないはずがない。これまでの7年間がまるまる無駄になった、「何の成果もー得られませんでしたー!」となって、もう一回次の戦いを!とはなれないと思います。

 仮に国政進出して、政権をとったら大阪都構想が実現できるとでもなれば話はまた別なんでしょうけどね。

 詳しいことはいずれまた書くとして、ざっくりとした話をします。橋下という改革派・新しいリーダーとみなされた政治家、野党の雄が政界引退を表明した。維新の法律顧問として雇っていただきたいという話をしていましたが、一線を退くことには変わりない。彼の個人政党でもあった維新の党は、顔を失うことで致命的ダメージを追うことは変わらないでしょう。

 維新の代表江田さんが、辞任をして代表戦をやり直すことを表明していました。松野さんが引き継いで、民主との合流・戦える野党再編に向かうかもしれませんが、維新の党の性質が変わることは避けられないでしょう。

 別に橋下さんや維新の支持者ではありませんが、この勢力が改革に役割を果たしてくれるという見通しがあった。というより自民党がそれをしてくれない以上、期待できそうなのは消去法で維新しかなかった。そういう状況でこの維新の党が消滅してしまうということは、日本の政治の将来はお先真っ暗と言わざるをえないでしょう。

 もちろん維新が政権を担えば上手くいく!というわけでもありませんけどね。自民党一極では政治が良くならないという構造は、今のアメリカ一極の国際政治の構造みたいなものといえばわかりやすいでしょうか?問題はせめて欧州のように国際政治を良い方向に変える一プレーヤーになるならともかく、米とあんまり変わらないロシアや中国のような存在になっているのでは?と思われてしまったところでしょうか?

 外交問題でつまづき、石原さんとくっついてつまづき、色々失敗が多すぎましたね。強引で強権的な姿勢も目につきましたし。7年もかけて~とありましたが、むしろ7年もかかってしまったからこそ失敗したといえるでしょうね。

 大統領選挙が1年以上長い期間をかけて選挙をするからこそ、個人のあら・スキャンダルが出てくる。それによって大統領が聖人・カリスマ・独裁者にならないような抑止力がかかる。7年かかってミスをしないわけがない、あらが出ないわけがない。他に目に見える実績がなにかあればよかったのでしょうけどね。

 7年かかった結果、若々しかったニューリーダー橋下はいつの間にかそこいらのおっさんになっていました。そういうところは今のオバマさんを連想させますね。政治家は長期間トップに居続けることは大変。権力が仮に保証されていても相当の体力を使うことは間違いないでしょう。思うに、コンディション・体力の維持というところに失敗したところがあるのではないでしょうかね?

 今回の敗北は、いわゆる新自由主義リーダー・改革派の終焉ということになるのではないでしょうか。結局、ムダ削減・スリム化というのは行政の効率化などには繋がってもそれで、経済が良くなるわけではない。財政的にもちろん重要なのですけども。結局小さい政府にして、経済原理・競争を進めていこうという方針は今苦しんでいる大衆に魅力的なフレーズではない。

 おそらくもうこのようなスタンスは、改革派政治家の主流になりえないと思います。新自由主義的な競争促して、経済成長を達成することによって、改革を達成しよう!という主張では、大衆の心に響かないと思います。

 無論、それは重要なテーマであり、それをせずに経済成長や構造改革ということは無理でしょうけど、前回言ったようにやはり労働者の権利確保を先に訴えるべきでしょう。社会福祉・雇用、それを実現してくれるリーダーでないと改革を実現することは無理だと思います。

 次に有望な政治リーダーがいつ出てくるかわかりませんが、もし出てきたとしたら、間違いなくこれを実現できると思わせるスペシャリストになると思いますね。