てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

部活とワタミ ガチ勢VSエンジョイ勢という図式・論理

 ユーフォニアムというアニメを見ての思いつき。中学に入り、部活というもので初めて人間関係がギクシャクしだすという経験をした人は多いと思う。かくいう己もその一人。あの部活による人間関係の破綻は、大会という競争原理を前にしたガチ勢とエンジョイ勢の対立による。

 ガチ勢は勝利を目的とする、少しでもうまくなって目の前の敵を倒すためにどうするかというテーマで部活を動かそうとする。対してエンジョイ勢はそんなことをしても意味が無い、楽しければいいという思い出作りがメインだからそういう動きに反発する。まあ、レギュラーVS控え(もしくは非レギュラー)という形になりやすい。

 高校ならば事前にレベルがわかるから、ガチ勢は強いところに集まって部活をやるので、そこまで対立は深刻にならないが、私立を除けば中学はそういう部活トラブルが起こりやすい。 こういうこともあるから、学校から部活を廃止して地域クラブ制度にすべきだと感じる。


 で、そんなことはどうでもよくて、このガチ勢VSエンジョイ勢の論理というのは、ブラック企業に言えることだと気がついたのでそんな話を。ワタミさんのような人は、働くこと(部活)において、ガチ勢なのである。競争により成果を上げること、労働による自己実現を至上命題にしている。しかし現実を見ればわかるように、労働におけるガチ勢というのは社会ではそう多くはない。

 ただ働いて、そこそこの賃金を得て、家庭を守って楽しく人生を過ごしたい―というエンジョイ勢がいることを見落としている。別にガチ勢による組織を作っても構わないのだが、そのような大衆の感覚を無視した企業文化を作りながら、批判の声を無視してやまない感覚には恐れ入る。

 自分たちは特別ですが、それが素晴らしいことなんですよ。こういう生き方もあるんですよ。ではなく、自分たちが正しい、世の中の批判は間違っているですからね。

 食っていくことが第一。家庭だったり趣味だったり、仕事よりも他のことが人生の最優先事項である人間というのは珍しくもなんともないはずなのに、社会問題を引き起こしてまで仕事・労働第一という価値観を押し出すのは、やっぱりプロ倫的な価値観なんでしょうかね。宗教的行動様式ですよね~。

 理想として仕事も家庭・私生活でもというものがあると思いますが、どこ吹く風ですよね。労働によって素晴らしい人間に生まれかわること。一個人をワタミさんの教義で改宗させること、労働第一のイニシエーションを受けさせることが、和民さんにとっては何よりも大事なのでしょうね。

 自分の価値観によりそう人間を作り、その人間が世の中を変えていく。まあ要するに「カリスマ」になりたかったんでしょうね、彼は。「カリスマ」は世の中の規範を変える、社会のルール・常識を動かすことが出来るのが「カリスマ」。まあ結果は言わずもがな。世の中の流れ、人の意見を聞かない「カリスマ」というのは本当に限られた天才だけです。良いものを提供するのではなく、社畜にするだけですもん。新興宗教と変わらないやりがい詐欺ですからね。

 今後もこういう新興宗教のようなやりがい詐欺で、若者・労働者など立場の弱い人をいたぶるというか、搾取するような人は出てくる。後を絶たないでしょうね。日本は資本主義と思わせた社会主義だと一昔前には盛んに論じられました。株主総会で文句をつける株主がつまみ出されるという時代があったくらいですからね。会社は株主のものではなく、会社のもの・社員のものというのが当然という時代がありました。今は雇用者VS被雇用者というかたちで、雇用者のものという時代なんでしょうね。雇用者、社会&会社で上にある人間が有利に成るように法も社会制度も出来ていますからね。その矛盾というか不公平をつく野党がついぞでてこないのが日本の不思議ってところですね。