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てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。

「韓国軍によるベトナム人戦時虐殺問題」へのコメント

歴史関係の話

韓国軍によるベトナム人戦時虐殺問題――戦争の記憶と和解

 この記事について一言、二言のコメントをば。以前どこかで、「韓国はベトナムの虐殺、非人道的行為について謝罪も反省もしていない。そんな国が日本の過去を追求すること自体がナンセンスだ」というようなツイートを見て、それにたいして、この伊藤さんだかどうだかは記憶にありませんが、「韓国のベトナムに対する取り組みを知らないで言っているのか?韓国がベトナムの理解をえるための努力を勉強してご覧なさい」みたいなツイートを見たことがあります。

 その時は、別に対して気にもとめず、そのままだったのですが、しばらくしてこういう記事がRTで回ってきまして、韓国がベトナムに対する何か特別な取り組みがなされている、オリジナルの何か外交政策があるのかな?と気になっていたので読みました。

 でまあ、韓国民間の人々、NGOの努力によって、ベトナムの人たちの反感を和らげる。反韓感情を溶かそうとするという取り組みがあるということは理解出来ました。それ自体は素晴らしいことだと思いますし、いいことだと思いますが、国家的なそれ、正式な賠償・謝罪を放棄していることには変わりがありません。

 それをもってして韓国の行為が正当化されるなら、贖罪が済むとしたら、それこそ正式な謝罪や賠償は必要ないということになる。日本の民間のNGOが同じような取り組み・努力をすれば、それでいいことになってしまう。

 それを以ってして、日本と韓国の「戦争犯罪」に対する取り組みが異なっている。日本は遅れていて、韓国は進んでいる。前者がバツ、後者はマルということには成り得ないでしょう。

 ここにおけるポイントは一つで、韓国がベトナム戦争犯罪についてモメないのは、「ベトナムが非民主主義国家だから」ということに尽きるでしょう。共産党政権・共産主義国家である以上、今のベトナムは歴史的な過去の事件云々で、二国間関係を悪化させて、それによって得られなくなるメリットを放棄することをしないというだけでしょう(本文中にあるように韓国の支援を受けるためにそういう声を共産党政権が押さえ込んでいるとありますからね)。

 むしろ、このことから読み取るべきは、韓国が軍事政権時代は、日本との歴史的な問題を極度に取り上げることはせず、政治側がそういう声を封じ込めたことと同じ力学が働いているということでしょう。

 皮肉なことに民主化されて、民主主義政権になってから、両国関係は悪化した。この問題に本格的に光が当てられたわけですからね。ポイントはむしろベトナムの「民主化」、ベトナム共産党政権が崩壊したあと、この反韓感情が暴走することはないのか―ということではないでしょうか?

 で、今の政権を考えると、韓国と手打ちが一応成立したとはいえ、この問題は以前存在する。そのカウンターとしてベトナムを利用することは大いに有り得るでしょう。日本が「ベトナム民主化支援」を外交政策の目玉の一つとして、熱心に推奨する。また、韓国以上にベトナム援助をすることで、韓国の歴史問題を追求してもらうようにする=反韓感情を掻き立てるとか、いろんなことが想定されます。

 考えるべきは、むしろケアすべきなのはそういう方向性・リスクだと思うんですけどね…。

 まあですから、末尾にある「加害国なのに過去を認めない勢力が根強い日本」という表現には強い違和感を感じますね。そういう変な、迷惑な勢力を今日伸張させたのは一体誰なのか?と皮肉の一つでも言ってやりたいところですね。

 ナショナルヒストリーは国家、上の思惑一つで認定されるか破棄されるか操作されるものだ―という部分には、なるほど、と賛同するのですが、それこそ自分たちにとって「都合のいい事実、歴史」から主張していませんか?と疑問を呈せざるをえないんですよね…。

戦争記憶の政治学: 韓国軍によるベトナム人戦時虐殺問題と和解への道/平凡社

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こんな本にまとめられているようです。まあ多分読みませんけど、一応。