てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

チョロい世論では自民党の強行採決を止めることなど到底不可能

 世論がチョロいという話。92年のPKO法案後、93年の総選挙で与党は223議席。99年の周辺事態法では、翌年(00年)の総選挙で233議席。01年のテロ特措法(01年)では、少し間が開いて03年の総選挙で与党237議席。んで最近の、もう最近でもないか、特定秘密保護法では御存知の通り、与党291議席の大勝。

 これでは与党・時の政権が、安保云々で反対があっても、躊躇する事は考えられないですね。まあ、多少議席は減らしはするけども、その程度だから「多少の傷みに耐えて米百俵の精神で頑張ろう」という感じになるでしょうね。

 というかまあ、低投票率の問題はあれど、戦争になるぞ!なんていくら叫んでも大衆の心に訴えかけることは出来ない。あまり説得力がなくなってきたということでしょう。

 大体、集団的安全保障であるPKOを容認出来ないって一体どういうことなんだ?って話ですからね。以前書いたように、集団的安全保障もダメ、集団的自衛権・同盟もダメ、じゃあ外交はどうするんだ?って話になるわけで。国際貢献に繋がる、米を仲介しないより中立的なPKOもダメなんて、「???」以外の感想が出てこないですよね。

 今の安保法制で「戦争反対」のスローガンがうそ臭く聞こえるというのは、かのような事例、過去があるから。散々「一生のお願い!」と訴え続けて、お前の「一生のお願い!」は何回まで使えるんだ?お前の人生は五十回くらいあるのか?とその言葉の信頼を失ったようなものなんでしょうね。戦争になるぞ!戦争が来るぞ!が切り札、伝家の宝刀なら、それはここ一番の大事な時につかわないといけない。無闇矢鱈と伝家の宝刀を抜いて振り回した結果ボロボロに成った感じでしょうか。最早狼が来たぞレベルになってる感がありますね。

 こういうことをしていると、いわゆる「世論」というものの信頼、説得力も失われてしまうので、ああいうものを積極的に取り上げるのはやめたほうがいいと思います。全く取り上げるな!とは言わないですが、マスコミは自分に都合のいいものを過度に利用して大袈裟に言うのはやめたほうが宜しいでしょう。


 ある程度時間が経てば、世論は抵抗をなくしていく・容認する方向に変わっていく。だから成立時にどれだけ世論の反対があっても関係が無いという風になっていくと困りモノですよね。「時間が経って、世論が容認していく」というのは結果論でしかないわけで。

 時間が経って、世論が容認していくというのは、時が経って冷静に考えればまあそんなに問題でもないかな?と見直されていく。「意見が変化していく」パターンと、「変えられないから諦めた」という2パターンありますよね。後者が圧倒的に多いような…。

 裏を返すと、「世論が政治を変えられない構造」があるということですよね。まあ、世論がいっつも正しいことなんて言うのはありえないので、世論が毎回必ず、政治の流れを変えてしまうことも問題なのですが…。これは世論が正しいと思える時に、政治に届かないのは問題がある気がしますね。世論が報道を経て、あるいは運動を経て、政治に良い影響を与える事例はホント稀な気がしますね…。


んでまぁ、こっからはいつもの話になるんですが、デモの内容・質はともかく、そういう風に行動すること自体を肯定的に見るスタンスです。ですが、やはり選挙で勝つことを重視すべきでしょうね。自民党に対する非難の声を大きくして、中間派に自民党は大丈夫かと懸念を抱かせたら、次の選挙では受け皿を作るべき。民主と維新の野合を求めない限り、今のデモが求めている「目的達成」はありえない。

 目的が達成されないなら、国会前で不満を口に出して罵って怒りを発散させるだけの集団になってしまう。これまで「戦争反対!デモ」が負け続けていることを考えると、どうすれば今度こそ勝てるのか?を真剣に検討するべきでしょう。

 公明党と取引をして連立・自公同盟を壊すこと、共産党を評価し持ち上げて、対価を与えて選挙協力をさせる。しないのならどんな手を使っても潰す、特に今のデモをしている人々は共産党が協力しなければ許さない!という姿勢を示さないと、結局現実は何も変わらないでしょうね。

 安保法案を廃案に追い込みたいのなら、「戦争法案」と抽象的な危険性を煽ることではなく、自民党を選挙で負けさせること。選挙で勝てなくなるまで、自民党が「世論」を舐めるという現象は絶対変わらない。自民党を変えるには、今の政治の流れを変えるには、選挙が一番比重が重いことを忘れる勿れ

 しかし前回の選挙でも、共産党の利敵行為は変わらなかったからなぁ…。次の選挙で共産党の行動が変わらずとも、その選挙協力せずという態度を看過してしまいそうなんだよなぁ…。次の選挙であのデモは一体なんだったんだと言わせることがどうかありませんように…。

 まあ、「世論」がチョロいというよりも、結果に結び付けられない野党がチョロいということとも言えますね。世論を誘導するマスコミも同じ。野党・世論・マスコミ、「三チョロ状態」ですかね?この構造から離脱すること、脱「三チョロ状態」が求められているところではないでしょうか?



 そういや議会で殴り合わずに、乱闘騒ぎにならずに、プラカードで視覚的にPRするという戦術が選ばれたというのは、議会政治上の重大な変化と一応言えるんですかね?昔なら強行採決阻止!なんていって毎回やらかしてましたからね。

 まあ、議会の慣習が洗練されたとしても、まともな自由選挙で高い投票率が示される。きちんと勉強したメディアがおのが持論を国民に丁寧に説明して、クールな民意を作る。結果、民主主義の論理がきちんと作動する。そうならない限り、あまり意味をなさないのでしょうけど…。