てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

人民元切り下げ、経済混乱の序章か?

 上海株が大暴落、3週間で3割も値を下げたとか。なんと政府が介入して、株を売ることを禁止するなどという措置をとるとは、ビックリしましたが、一応事態は安定したといえるのでしょうか?企業の業績が良くなったわけでもないのに、株価は2.5倍も跳ね上がっていたとか、完全なバブルなんでしょうかね?不動産市場が以前よりも良くなくなってきたので、その分株式市場に流れたという背景があるらしいですが。

 まあ、株式売買禁止、空売り禁止とか市場経済を理解しているのかかなり怪しい。おそらく「政府が支配力を強化して、適切な処置・正解を取りさえすれば、あらゆる問題は解決される」と思い込んでいるのではないでしょうか?このような誤解・誤認があるゆえに、中国は遅かれ早かれ必ず行き詰まるでしょうね…。

 そして今回は、人民元を切り下げと。中国経済は輸出によってコレまで来た。まあ世界の工場と言っても、オリジナルの商品を世界に輩出してきたわけではない、世界の「組み立て工場」ですからね。一番付加価値が安い、安い労働力を活用して富を築いてきただけで、その基本に回帰しようということになるのでしょうかね?人民元切り下げは?

 中国ザマァ~!なんていうおめでたいことをいう人もいるでしょうけど、今の世界経済を引っ張ってきたのは中国。世銀では2013のデータで9.24兆ドル。今はもう10兆ドルを超えて、日本の倍位になっているのでしょうか?確か10兆ドルを超えているでしょう。その10兆ドルの経済が混乱に陥るとなれば、その影響力は計り知れないわけですね。日本どころか世界中チャイナ・ショックにどうするかという深刻な問題が起こるでしょうね。

 アベノミクスもあって今5兆ドル切って4.5兆ドルくらいですか?米の4分の1になる日も近いですね。
 
 元切り下げによって、民間企業の資金調達リスクが上がる 。債務コストは1兆2500億増えると。
 中国政府の債務残高が2013年末に56兆5千億元(約1130兆円)に達し、前年比で約20%増 になったというのも見ました。

 中国政府の債務自体では、GDPの半分程度にすぎない。しかし地方債務がかなり大きいこと。10年時に比べ14年で3倍も増えていること。これまで値上がりする土地・資産を自由に巻き上げて開発に充てることで中共の地方政府は利益を上げてきたわけですが、不動産市場で開発ブームが終われば、地方政府・経済はどうしようもなくなるのではないでしょうかね?

 大前さんは地方のトップは中央からのノルマをこなせなければクビ!徹底した競争原理が働いている!とチャイナ・インパクトとかなんかで褒めていました。しかし、彼らは支配者としては優秀でも、ビジネスマンや経営者ではないので、こっから先の土地を奪って転売するという王道が封じられたら、何にもできなくなるような気がするんですけどね…。

 それを超えるには当然民主主義に移行して、トップを変える。リーダーをより優秀な、経済発展を可能にする民間人を選んでくるしかない。地方政府だけでも許可するという方法もありますが、さて出来るかどうか?

 関係ないと思われる、音楽や文化の統制を強めるという話も、党の支配力を強化することで、自由自在にあらゆるものを動かせるようにすることでうまく問題を解決できる!という発想ですからね。民間に任せる、優秀なものを外からリクルートする、近代資本主義・民主主義の原則に従って、公開性・透明性を重視する自由討論を行うなんて思いもつかないでしょうね。

 今の習近平体制が支配を強化する体制なのは、就任以来の方針ですから、尚更ですね。胡錦濤みたいな胡耀邦人脈ならわからなかったでしょうけど。

 いずれにせよ、毎年夏に行われる北載河会議、長老と現指導部が国家の方針を話し合う事実上の国会or内閣が大事な意思決定をするわけですが、どうなりますかね?胡錦濤はともかく江沢民系は未だに反日とかで足を引っ張りそうですしね。

 ばかみたいに反腐敗やってますが、腐敗で国は滅びませんが、格差と経済混乱は国を滅ぼしますからね…。すぐにどうこうならなくとも、経済でそろそろ行き詰まる画が見えてきた気がしますね。上海万博後にゆるやかに落ちていくという画が現実化する感じでしょうか。

 日本のバブル崩壊みたいに、バブルが弾けても駄目になるとは思えないですが、民を食わせていくだけの成長、8%成長が維持できなくなって反政府デモが多発=政治不安にという流れになるのではないでしょうか?日本にとって一番怖いのはその政情不安が、反日や戦争にはけ口を見出す形で暴走するところでしょうね。

 さて、どうなりますやら…。2022年冬季五輪ちゃんとやれるんでしょうか?