てくてく とことこ

15/12/18にアメブロから引っ越してきました。書評・時事ネタ(政治・社会問題)で書いていく予定です。左でも右でもなくド真ん中を行く極中主義者です。基本長いので長文が無理な方はお気をつけを

米欧メディアは、安倍談話を見て日本よりも自国の過去を反省すべき

 安倍談話の話で、この前コメントを書きましたが、そういやこんなこと書いてなかったなということを思い出したので、穴埋めがてらに書いておこうと思います。

 内藤正典著、イスラーム戦争の時代でメモしておきましたが、欧州諸国は、植民地支配の謝罪と反省をしていません。そこには旧宗主国としての驕りや傲慢があります。

 しかし米欧系メディアを見ると、学術レベルはともかく、自分たちのことは棚に上げておいて、日本の戦前のことを平気で叩くものが見受けられます。この歪んだ図式を忘れてはならないと思います。学術レベルはともかくと書きましたが、学術系でもそのようなものはあると言っていいでしょう。

 例えば、安倍談話では反省が薄らいだが、天皇はより謝罪や反省を表明したというような話が、ガーディアンやブルームバーグであったと思います。

 単純に、韓中との軋轢を引き起こしかねない、または地域の不安定化に繋がるリスク要因だという分析をするならそれはそれとしていいと思います。ただ、それ以上に「反省や謝罪」というものをいつまで経ってもする必要はない。必要はないというか、それを受け入れて前に進むべきだというような提言をしなければならないでしょう。

 つまり、どういう交渉になっていて、どのレベルに進んだら妥協に至るのか、解決するのか。そのような視点がなければ意味が無い。結局は外交「交渉」なのですから、その妥協点への要求ハードルが高いのは一体どちらなのか?現実を無視しているのはどちらなのか?といった視座があってしかるべきだと思います。

 そういう分析もなしに、そして欧州諸国の植民地支配との比較をして、自分たちの過去について反省・謝罪もせずに、日本の過去について否定的に論じるその姿勢はかなり歪んだものといえるでしょう。

 日本の報道もたまには皮肉で、自分たちの過去については謝罪も反省もせず、日本の過去を叩いて、優越感に浸っているレイシズムをチクリとつついてやってほしいものです。

 日本の報道界に足りないのは、米欧の「悪事」に対する追求。そもそもそういう視野・視点が存在していないからこその欠如なんでしょうね。中韓については、そのようなものが多少は見受けられますが、米欧系になるとまるで見られない。世界への影響力という点でも皆無でしょう。

 日本の世論がどういった反応を示しているか、クオリティペーパーがどう報じたかということがもっと注目されるようにならないといけないでしょう。この点は政府が少し協力するといった発想を持ってもいいかもしれません。そうでないと、橋下氏の慰安婦発言のように地雷を踏みぬいていって、世界中から叩かれることになるだけでしょうからね。

 調査報道能力、調査という点だけではなく、報道能力もまた重要なものです。世界世論においてどうやって報道能力を高めるか、日本社会の重要な課題の一つと言えるでしょう。