軽くなる「強行採決」という言葉
強行採決、強行採決と最近良く言われていますけど、「強行採決」という明確な定義があるわけではありません。
十分な審議を尽くしていない。審議時間が足りていないという意味での強行採決もあれば、審議時間があっても、その法案の論理性がおかしい。議会での討論で、納得行く説明を内閣が出来なかった。そんな法案を通すというのはおかしいという意味で強行採決と言われることもあります。
まあ要するに、筋が通らない立法であるということですね。
しかし、今回はそもそも解釈改憲の疑いがあるわけですね。憲法に集団的自衛権は容認されていない。それにもかかわらず、今回の立法で憲法に違反して集団的自衛権を容認しようとしていると。つまり立法上のプロセス的に問題がある。憲法で認められていないものを立法で出来るようにするという不備がある。
なので、これは「強行採決」ではありえない。不可能なことを可能にしようとしているわけですから、強行採決以上にひどいことです。「違憲立法」でもなんでもいいですけど、とんでもなくひどいことをやっているということをアピールするために、さんざんこれまで使い古された「強行採決」ではなく違う言葉でその違法性・違憲性を訴えるべきでしょう。
しかし、これまで散々「強行採決」という言葉が使われながらも、ホイホイ法案を成立させてしまったこと。そしてその後の選挙で、強行採決の「報い」がなかったことを考えると、毎度のことながら強行採決する側の問題とはいえないことがわかりますね。
今回の「違憲立法」も同じ道をたどるような傾向を見せていますが、それこそ憲法を守るために野党・マスコミは自分たちがなすべきことを問い直すべきでしょう。